逃亡
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「おはようございます」
「おはよう。今日は食事の前に行くところがあるから、オーレン伝えといてくれ」
「かしこまりました」
オーレンは、私つきの執事...というなの監視だね
「ユース、リース、ついてくるのは構わないが、距離はあけろよ」
「「かしこまりました」」
そして護衛として3、4人が交代で24時間近くにいる
そして、さっき行ったよるところというのは、信保さん...予選第4試合目の対戦相手だった男のところだ
「おはよう...でいいよね?」
「・・・うっす。」
どうやら信保さんは今日も徹夜だったらしい、
目の下のくまがとても深く、
体調が心配になる
「まあ、お疲れだろうから、俺が奢るよ」
私達召喚された者たちは、国家所属、特別編成騎士、勇者隊と呼ばれる国家公務員であり
屋敷と使用人、そして王宮務めの騎士と同じだけの給料がある
...まあ、それが渡されるのは一ヶ月後なんだけどね
食費は屋敷に帰ればご飯が用意されているので、外食や娯楽に使わなかったら、
問題は無いんだ
私のこのお金は、副業をしているからね。これは私だけじゃなく、
皿洗いや掃除などの簡単なアルバイト
魔物討伐や護衛任務などの冒険者
カジノで娯楽用のお金を増やしている人もいるらしい
信保さんの徹夜の理由も副業だ
彼の副業は、狩人
昼間は城で鍛錬をし、夜は山で狩りをする
そして、休みの日にはカジノで大負け...
うん、全力で今の状況を楽しんでいるようでいいね
さて、バイト仲間の他の勇者はどうだとか、最近のカジノは勝ててるかとか、
当たり障りのない、普通の会話をして、解散...
なんてことはなく、そういった会話はフェイク、本題は紙に書いて交換した内容だ
私が書いたのは、”私達を召喚するために、12の国は2週間の祭事と、6年分の軍事費を費やしたらしい”
というのと、”次、急ぎの連絡がある時は、屋敷に矢を打ち込むのではなく、私に直接矢を放ってくれれば、ちゃんと防ぐのでそうして欲しい”ということ
そして、信保さんのは...
”300人に声をかけて、295人は賛成してくれた。他の5人も、口外はしないと契約してくれた。”と、
”ついにアーサーとかいうやつのいる国がわかった。ユグ・ヴルーエル神聖国、で聖剣の勇者と呼ばれているらしい。”っと
よし、これで不安要素はだいぶ減った
私が信保さんに依頼していたのは、勇者として召喚された者同士の繋がりの構築と、
その中で信用できる人への情報共有
これで...
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「こっちにはいなかった。そっちはどうだった?」
「影も形もねえよ。」
「くっそ、クズどもめ!」
...
行ったかな?
「ふう、予想以上に追跡がしつこいな」
「まあしょうがないですよ。私達を兵器として戦場に送り出そうとしてたのに、
295人も移動中に逃げ出したんですから・・・」
そう、私達は賛同してくれた人たちと共に、ガルドヴェルから逃走中だ
逃げる先はここから東に4日ほどの港から2日の位置にある未発見の島、”アバロン”
「捕まったヤツはいないよな?」
「はい。【無名の情報屋】には誰も捕まっていないとでています。」
彼女の名前は世田谷 千映さん、41歳
【無名の情報屋】により、
対価を支払うことで、知りたい情報を知ることが出来る
アバロンを見つけたのも彼女だ
「では、移動を再開しますが、皆さん、魔法の使用は厳禁ですからね」
私のグループは5人だが、
多いところは15人グループで移動しているので、痕跡を消し切ることは不可能
スピード勝負だ
その後も、食料の補充で街に寄るたびに、追手が来ていたが、5日後、
少し遅れて港に着いた
「はあ、はあ、皆さん疲れていると思うので、今日はここで体力を回復しましょう」
「っはあ、ずっと警戒しながらの移動だったし、疲れましたもんね。
正直、バトロワの方がマシな気がしますよ」
ひとまずの目的地に着いたことで、冗談を言えるほどに余裕がでてきた
信保さんは一つ前の街にいるらしいので、明日には、
船の異能を持った人と一緒に到着するだろう
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そう、あの時までは全てが順調に進んでいると本気で思っていたんだ
今思うと、昔の俺の馬鹿さ加減と言ったら、ぶん殴りたくなる
なんで寄る街寄る街で、追手に出くわしていたのか、
追手には王国側に着いた勇者がいたのに、
どうして誰も捕まっていないなんてことがあり得たのか
ジョン・ドゥがいたんだから、 調べようと思ったら、できたはずだ
...でも、しなかった。そこまで考えが回らなかった
結果、俺を含めた97人が捕まり、王国に連れ戻された
幸いだったのは、ジョン・ドゥや信保、船の異能持ちと数人の水系異能持ちが逃走に成功し、
ジョン・ドゥ、信保、俺以外は、アバロンの正確な場所を知らなかったということ
...さっきからジョン・ドゥと言っているのは、
世田谷 千映は影が薄すぎて、王国は正確な名前を知らなかったので、そう呼んでいた名残だ
その後、王国内での俺の扱いは奴隷以下、
傷ついてもいいサンドバックとして、王国側勇者の対戦相手だけでなく、
貴族がペットにしている魔族との決闘(笑)
超高難易度ダンジョンでの素材集め
そして、捕まった仲間どうしてでのバトルロワイヤル
あまりの過酷な環境に、自殺をするものもおり、
最後見た時は、残り20人ほどだったかな?
俺の異世界生活は、叶わない、馬鹿みたいな願いを持ち、己を賢いと勘違いした傲慢によって堕ちた




