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第14章 善と悪 ② 秘密基地

悪党が 警察に捕まったのは良いのですが

タケルは どうなるのでしょうか?

2021-06-06 17:09:10 | 未来記

2008-03-06


キララとタケルは、闇の世界をくぐって移動した。


「ここで、休もう」


キララは、そう言って、タケルを座らせた。


「ここなら、誰にもジャマされない。アタシの秘密基地なンだ」


宇宙ステーションの中に、外の景色が眺められる展望台がある。


宇宙船の旅行者達が、宇宙からの危険な光を遮断する、


特殊な分厚いガラスを通して、次の行き先までの船の安全を考えながら、


広大な宇宙を眺めていた。



その片隅には、小さな子供が4、5人は入れるくらいの箱が設置してある。


以前は、宇宙ステーションのゲームに、コインやカードが使用されていたが、


旅行者が出発前に使わないコインやカードをこの箱に投げ捨てていた。


神社の賽銭箱のように、この箱に投げ入れると旅の安全にも


つながるといううわさもあって、


コインやカードでいっぱいになることもあった。



モアを使用したポイント制に移行してからは、


コインやカードは処分されたが、箱はふたをして、


テーブル代わりに使われていた。



いつの間にか、その箱の中に入っていたキララとタケルは、


ゆっくりとしゃがみこんだ。



タケルの身体は、まだキララに支配されているようだ。


自分の思うようには動かないが、不思議とイライラした気持ちはなかった。



『タケル、パパやママがどうなったか、心配だろ?』



キララはタケルの心に話しかけて来た。


手のひらを広げると、タケルに見えるように、


浮かび上がった宇宙船の動画を見せた。



『アタシは、知りたいことを念じたら、


こんな風に動画が教えてくれるンだ』



その動画は、宇宙船の外で待っていた悪党達が警察に逮捕され、


見張りの男も捕まって出て来た様子を映した。



救急隊員もタンカーを運んで来た。鎖を解くのに時間がかかったが、


男女2人を乗せて救護センターへ向かったようだ。


『少しは、安心したかい?』


キララの問いかけに、タケルはムッとしながら心で答えた。


『偽の動画かもしれないじゃないか。


パパとママの元気な姿を見るまで、安心できない。


オレをこれからどうする気なのか、それも知りたい…』



『その前に、タケルのモア返しとくよ。


 さっきは、悪かったね。


 アタシは、あの連中におサラバしたかったンだ。


 アタシは、モアないから、ある奴と一緒でないと、


 レストランに行っても、ドリンクが飲めないンだ。


 幽霊ってわかンないけどさ、


 死んだらドリンクなんて、飲まないンだろう?


 アタシは、ドリンクなしで生きちゃいけないンだ。


 人間だって、モアがあったら移動できるンだろ?


 アタシはモアなくても、いつでも消えるンだ。違うのはそれくらいだよ。


 あの連中はドリンク、いつでも飲ましてやるって言ってたンだ。


 最初は、悪い連中じゃなかったね。



 自分らでゲーム作って、ずいぶんもうけたらしいよ。


 アタシはあの連中のゲームが好きだったから・・・


 タケルみたいに気に入った子を見つけて、


 ゲームで勝たせるのが楽しみだった。


 でも、長いことやったら、失敗もあるからな。


 新しいゲームが売れなくなって、


 奴らはその子のモア取り上げて、


 ポイントを巻き上げ出した。


 それだけじゃない。


 アタシにも、どっかで金を盗って来いだって・・・


 アンタのパパから、モア取り上げて、金盗ろうとしてたけど、


 セキュリティで、イジれなかったからね。


 あせった連中が、アンタのパパを殴り始めた。


 タケルに嫌われたくなかったから、アタシすぐ止めてやったンだよ。


 アンタは、信じないだろうケド・・・。


 奴ら、タケルのモアからポイントだけ巻き上げて、捨てたンだ。

 

 アタシがすぐに拾ったけどね。


 たいして入ってないって、怒ってたよ・・・」


 タケルは渋い顔をして、キララからモアを受け取った。


 ニュースの動画を見た。


 ニュースのレポーターが、タケルの身に起こった事件のことを伝え始めた。


 悪党達の逮捕と、トオルとミリの無事と、


まだタケルが見つかっていないことも報じた。


『パパもママも無事だったんだ。良かった…』


『本当はね。この宇宙ステーションのボス・コンピュータをいじって、


 奴らに金が入るようにするのが、今度の仕事だったンだ。


 もう奴らが捕まったから、必要なくなった。


 前に、マシンに強い子がいてね。


 ボス・コンピュータに入ったはいいけど、


 アタシはマシンのことわかんないし、


 その子の言いなりに動いたンだ。


 アタシのこと、シーナって言ってたよ。


 お気に入りの歌手の名前なンだってさ。


 ニックって名前でね。


 カッコいいけど、ボス・コンピュータまで連れて行ったら、


 アタシをホッといて、夢中でいじり始めたンだ。


 何してるンだ? って聞いたら、


 オレも、これで大金持ちだって言うじゃないか。


 ナンてバカなこと考えてるンだって思ったから、

 

 ニックの将来、こんな風に動画で見せてやったンだ。


 そりゃ、カネがありゃナンの不自由もないさ。


 でも、その先がどうなってゆくのか、考えてもみな。


 アタシは人間みたいに、スクールに行ってないけど、


 ロビーで流れてる動画見てたら、わかるよ。


 宇宙船買って、旅行に出かけて、毎日おいしいモノ食べて…。


 でも、満足はしないんだ。次から次に欲しいモノが出てきて、


 気がついたら金がなくなってる。


 それでも、買い物が止まらなくて、人をだますようになって、


 警察に捕まって…。


『そんな人間になってもいいのか? 』


 ってニックに聞いたら、


 『オレは、そんなヘマしない』ときた。


 『そんなに賢いンだったら、アンタひとりでやンな! 』


 って言って、


 ニックだけ残して消えてやったのさ。


 そしたら、ニックが、『シーナ!』


 って大声出したから、


 もう少し困らせてやろうと思ってたら、


 その前に警備員が来て、捕まっちゃったってわけさ…』


『バカな奴…』タケルは、苦笑した。


『残念だけど、オレはマシン得意じゃないから、


 きっと役に立たなかったな。


 ヒロだったら…、アイツならきっと簡単なンだろうけど…』


 そのとき、キララの目が光った。


 ヒロの名前が出て、タケルはしまったと思った。


 オレもバカだから、何もできないと思えば、


 それで終わったかもしれないのに…。


『タケル、頼みがあるンだ。アタシを地球へ連れてってくれない? 』


『えっ?』タケルには、思いもかけないことだった。


『それは・・・、困るよ。


 今、オレ迷ってるンだ。


 このまま地球に帰って、パパもママも大丈夫なのかって。


 オレさえいなかったら、2人で火星に行って、やりたい研究できるのに。


 できれば、パパとママだけでも、火星に行って欲しいンだ。


 オレは、もう火星に行く気ないけど、今さら地球に帰っても・・・』


『タケルの言うこと、ナンとなくわかるよ。


 好きな子がいるけど、いろいろあって帰りづらいンだろ? 』


『うっ? ・・・う~ん、そうかもしれない』


『アタシにいい考えがあるンだ。そのヒロって子は賢いのか? 』


『言ったろ? アイツは先生や学者より物知りだし、


 自分で作ったモアでいろんなこと試してるし、頭メチャいいンだ…』


『それなら、決まった。タケルが地球へ帰るなら、アタシもついて行くよ!


 ヒロって子、アタシに紹介してくれ!』


 タケルはすごくイヤな予感がしたが、ヒロに知恵を借りて、


 この得体の知れないキララから、ナンとか逃れる方法が


 見つかるかもしれないと、タケルは気持ちを切り替えた。


 何しろヒロは、地球よりずっと進化した星があるって、自慢してたからな…。

タケルから ヒロ と言う名前が出たとたん

キララが新しいターゲットを見つけてしまったようです。

でも タケルはキララと地球へ行くことができるのでしょうか?

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