表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
33/50

第7章 与えられた命 ⑤ 失われた意志

大流星群到来の混乱状態に 人類の結束を呼び掛けたエリック・マグナーと

海洋牧場でキラシャ達が出会った マシン人間が

終わらないアフカ・エリアの戦争について話をしています。

何とか停戦に向かってほしいですね。

エリック・マグナー。


彼は、大流星群の襲来で、混乱していた地球のすべての人々の心に、防衛軍の有志による犠牲の尊さと、人類が存続するため、人を助けるための勇気を必死で訴えた。


ところが、コズミック・ユニオンの新体制によって、管理されたドーム社会に対して、十分な防衛を行わず、莫大な損害を与えた罪人にされてしまっていた。


そして、地球を遠く離れた宇宙空間で、10年の服役を終えた今。


彼を慕う防衛軍の退役軍人たちの保護を受け、彼は密かに地球に戻っていた。


しかし、権威を失い、罪人として過ごした年月は、彼の姿をすっかり変えてしまった。


今の彼に、昔の面影はない。


そんな彼に、面会を申し出る人物がいた。


面会人は、部屋に通されると、ベッドに横たわったままのエリック氏に向かい、ていねいに敬礼をして、緊張した面持ちで話し始めた。


「初めまして、閣下。私は、オビ=ワン・ケノービー。ジェダイの騎士です」


「ハハハ・・・。


 君はオビ=ワン・ケノービーではなく、

 

 デスラーに操られたルーク・スカイウォーカーの父親、


 ダース・ベイダーではないのかね・・・」


軍人の堅苦しいあいさつに慣れていたエリック氏は、緊張した空気の中で、軽いジョークを口にする、マシン人間を興味深げにながめた。


エリック氏専用のドームに入ってくる人物は、何台も設置された防犯カメラと、防衛軍の兵士によって厳重に見張られている。


面会を申し込んだ人物は、入室の際に危険物の持込をチェックされた上、その背後には銃を構えた兵士が立っている。


「残念ながら、ダース・ベイダーのような怪奇性を私は持ち合わせておりません。


 怖くて後ろを振り返って見る余裕もないほどです。


 私は流星群が襲来した混乱期に、エリア警備隊へ強制召集され、


 コズミック防衛軍の訓練生にも引っ張られたのですが・・・、


 軍のあまりの厳しさに、入隊を断念したくらいなので・・・。


 それでも、閣下のことをずっと尊敬しておりました。


 この厳重な警備の中、あなたに会おうとした勇気を買って、


 どうか私のことをオビ=ワン・ケノービーと呼んでください。


 このとおり身体だけは頑丈なので、いろんなエリアで仕事を拾い、


 生き永らえています」


「ようこそ。こんな私を見て、がっかりされただろう。


 こんな私に、何か力になるようなことがあるのだろうか」


オビ=ワンと名乗る男は、透明な強力ガラスでおおわれているエリック氏のカプセルベッドに向かって、急いで話を続けた。


「時間もあまりないので、率直に申し上げます。


 私は、あなたがどう思っておられるのかが、知りたいのです。


 正義感の強いあなたが、生まれ育ったアフカ・エリアの終わらない戦争について、


 それをただ見過ごしにしておられるのか、どうなのか・・・」


「そうか、わかった。君はそんなことをわざわざ・・・。


 しかし、君は今の私に何ができると思う? 


 コズミック・ユニオンの情けで、刑期をたった10年で終えたばかりの


 この老いぼれた私に、いったい何ができると言うのだ!」


急に語気を荒くして、エリックは思わず自分のベッドをたたいた。


男の背後から、銃を持ちかえる音が、カシッと聞こえた。


男は、ゆっくりと自分には何の武器もないことを示し、両手を頭の後ろに上げたままで訴えるように言った。


「・・・どうか、昔のあなたに戻ってください。


 あなた自身は、もう力はないと思っておられるかもしれないが、


 あなたを慕うのは私だけではありません。


 大流星群に立ち向かうあなたの力強い言葉に、


 どれほど多くの人間が心を動かされたことか・・・。


 そう、私達にとって、あなたの言葉はフォースだったのです」


「・・・しかし、逆に私の言葉を聞いたばかりに、命を落とした若者は多い。


 人間同士の争いを避けるために、防衛軍の勇士達にも、助からないエリアへの救済を差し向けた。


 この尊い犠牲に対しても、まったく償いができていないんだよ・・・」


「あなたが失った人への償いをしたいと言うのなら、


 これから犠牲になる人達をどうか助けてあげてください。


 あなたの出身エリアの子供が、どんなひどい目に遭っているか。


 あなたにはよくわかっているはずだ。


 私も助けたいのです。あの子達を!」


「・・・どうも、君には権力の重さがよくわかっていないようだ。


 一度権力を失ったものが、どんなにみじめなものでしかないか・・・。


 ごらんのとおり、私には何の力もないのだ」


「でも、こうしてあなたは生きている。あなたを支える人達によって・・・。


 今でも、あなたのフォースを崇拝する者がいっぱいいるんです!


 そして、何の力もない私が、その人達の手引きによって、


 こうしてあなたに面会することもできたのですから・・・」



「では、君は私にどうしたら良いと言うのかね・・・」


エリック氏は、途方にくれたような顔をして、その男の顔をじっと見つめた。


その男は、背後の警護兵に自分の胸ポケットから、シートを取り出すよう伝えた。


それは、ユニオン議会裏で使用されている、極秘連絡用のシートだった。



「そのシートの暗号を解く鍵は、『与えられた命の尊さを知る』です。


 暗号解読の得意なあなたには、きっと解けるはずですね。


 民間人の私にできることは、ここまでです。


 アフカで起きている戦争を止めることが出来なければ、


 他のエリアの紛争や戦争へと、いつ飛び火するかわかりません。


 未来の地球を救うため、


 ・・・どうか、固定観念にとらわれず、あなた自身のフォースを信じてください。


 こちらの要望は、側近の方に伝えてあります。


 それが実現できるよう、後のことは、よろしくお願いします」


そう言い残して、マシン人間は部屋を出て行った。

この2人の出会いによって アフカ・エリアの戦争はどうなってゆくのでしょうか・・・?


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ