青い林檎の詩 ～エステリア千年旅記～

山あいの小さな村で暮らす少女サリアは、弟や妹のような孤児たちと、神父に守られて穏やかな日々を送っていた。
ある日、森で出会った氷の女神カーラによって、彼女の運命は一変する。
幼なじみの少年は肉体を奪われ小さな竜となり、サリア自身も不老と「血に触れた者を石に変える」呪いを受けてしまう。

「奪われたものを取り戻したければ、私を探してみなさい」

女神の冷たい言葉を胸に、サリアと子竜となった少年は千年の旅に出る。
世界を巡り、人々と出会い、時に戦いながら――それでも二人は笑って生きようとする。

まだ熟れていない青い林檎が、やがて赤く色づくその日まで。
これは、成長を奪われた少女と肉体を失った少年が紡ぐ、千年にわたる優しいファンタジーの物語。