ポーカーしか勝たん（テキサスホールデム）
【奈落 第六層 深海エリア】
薄暗い水中都市の奥、巨大なレアモンスター・リヴァイアサンを軽やかに仕留める二人。
イグニス＝イッシュバーンとヒルダは、上級討伐依頼を難なく終えた。
「はい、依頼完了っと。今日も楽勝だな」
「まあ、あんたが珍しく作戦通りに動いたおかげね」
「ふっ、これでまた一攫千金コースだ」
報酬袋を受け取り、ギルドを出る二人。だが向かう先は――
「……またカジノ？ 本当にそういうところばかりだからモテないんだよ」
「いや、その前に寄るところがあるんだ」
イグニスは少し足を伸ばして《アビス・レストラン》へ立ち寄った。店の大将が扉を開けて迎える。
「イグニス、いつもありがとうな。今日もリヴァイアサンの肉か、これでお客さんも喜ぶよ」
「おう、あんたの料理でこそ、この街の奈落グルメは栄える。素材の調達は任せてくれ！」
イグニスは獲物の新鮮な肉が詰まった袋を丁寧に渡す。ギャンブルに夢中な一面はあるが、街のために欠かせない存在であることは間違いない。
「いつも感謝してるよ。これからもよろしくな」
大将の笑顔に、イグニスも少しだけ照れたように頷いた。
（ギャンブル癖さえなければ、いい奴なのに）
ヒルダは用事もなかったため、そのままイグニスについていった。
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【VIPポーカールーム・ハウスルール】
• ゲーム種目：テキサスホールデム（ノーリミット）
• ブラインド：小100G / 大200G
• スタートチップ：5,000G（持ち込み可）
• レイク：ポットの5%（最大500G）
• ハウスディーラー常駐、タイマー制で強制アクション
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【第1ハンド】
手札〔A♠ A♥〕。
イグニス、3BBレイズ。二人がコール。
フロップ〔A♦ 8♠ 8♦〕でフルハウス完成。
ベットを重ね、相手のオールインを余裕で受け止め勝利。+4,200G。
【第5ハンド】
手札〔K♠ Q♠〕。
フロップ〔J♠ 10♦ 9♠〕でストレート完成、さらにフラッシュドロー。
ターン〔3♠〕でストレートフラッシュ完成。
相手の全額を吸い込み、場は騒然。+15,000G。
【第12ハンド】
手札〔7♣ 7♥〕。
ボード〔7♦ 4♠ 4♥ 9♣ K♣〕でフルハウス。
相手はキングフルで突っ込み、再びポット総取り。+25,000G。
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テーブル上、イグニスのチップは山のように積まれていた。
「ふはははは！ これぞ勝利の女神のキスだ！」
ヒルダは呆れつつも軽く拍手を送る。
「まあ……今日は認めてあげるわ」
残高：総額30,000G（＋25,000G）
大勝利の余韻に浸りながら、イグニスは再び輝く夜の街へ向かう。
そのままアビス・レストランに戻ると、今いる客全員に酒と料理を奢り、大歓声が沸き上がった。
