競馬は勝てん
【東の島国 競馬場 翌日】
寿司屋での祝杯の翌日、イグニスとロマーリオは再び競馬場に足を運んでいた。
イグニスは前日の勝利に気を良くし、さらに大勝負を狙うべく三連単のフォーメーション馬券を購入。
「今回はしっかりと安全策も入れている。いけるはずだ」
ロマーリオも少し心配しつつも、イグニスの勝負師の熱意を尊重した。
しかし、結果は非情だった。
第一レース、イグニスの予想した三連単は外れ。人気馬が早々に脱落し、思わぬ伏兵が3着に食い込んだ。
第二レース、またも三連単は的中せず。もし三連複で買っていたら…という悔しさが胸をよぎる。
そして第三レース。
これまでの連敗でイグニスの表情は険しくなっていたが、このレースに全てを賭ける覚悟で馬券を握りしめた。
三連単のフォーメーション馬券。組み合わせは緻密に練られていたが、それでも結果は未知数だ。
号砲とともに、馬たちが一斉にゲートを飛び出す。観客席からは歓声が巻き起こった。
レースは終盤に差し掛かり、イグニスが予想した二頭の馬が先頭争いを繰り広げていた。
最終コーナーを回り、追い込み勢が猛然と加速。会場全体の空気がピンと張り詰める。
イグニスは息を詰め、ロマーリオも無言で視線を集中させた。
最後の直線。差し馬たちが一気に前を猛追する。
先頭の二頭も必死に食い下がり、一歩も譲らない。
ゴール前では数頭が並び、激しい叩き合いとなった。歓声が一気に静まり返る。ゴール前の勝敗は写真判定に持ち込まれた。
イグニスは手にした馬券をぎゅっと握りしめ、固唾を飲んで結果を見守った。
判定の結果、惜しくもイグニスの三連単馬券は外れた。しかし、もし三連複なら的中しており、わずかな差で敗れたことが明らかになった。
イグニスは悔しさに拳を握り締めつつも、深く息を吐いた。
「ここまで迫った。あと一歩、だがこれも勝負の一部だ」
ロマーリオも微笑みながら励ます。
「負けはいつか糧になる。次は絶対勝とうぜ」
イグニスはその言葉に力を得て、次の挑戦を胸に誓ったのだった。




