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奈落の果てのギャンブラー!  作者: 黒瀬雷牙
東の島国編(1)
16/50

競馬しか勝たん

【東の島国 港町】


 イグニスはゴールデン・フェニックスで得た57,000G(約800万円相当)を手に、新たな冒険の地、東の島国に降り立った。


 目の前には青く輝く海と、活気あふれる港町の景色が広がっている。


「ここが、ムラサメの故郷か……」


 イグニスは静かに拳を握りしめ、決意を新たにした。


 港で待ち合わせていたのは、地元ガイドのロマーリオ。陽気な笑顔と穏やかな話しぶりが印象的な男だ。


「イグニスさん、ようこそ東の島国へ!これから日本各地を案内させてもらいます。よろしくな!」


「頼む。ムラサメの墓参りもしたい。ゆっくり話せる時間が欲しいんだ」


 ロマーリオは頷き、軽やかな足取りで街中へと誘う。


 東の島国は独特の文化と歴史を持つ国。イグニスとロマーリオは歴史的な寺院や賑やかな市場を巡りながら、その風土を肌で感じていった。


 時折、イグニスは人々の笑顔を見て、遠く離れた故郷の温かさを思い出す。


 旅の途中、静かな山間の墓地にたどり着いた。


「ここがムラサメの墓だ」


 ロマーリオが静かに指さす。墓にはムラサメの本名・叢雨神威の文字が刻まれていた。

 イグニスは深く頭を垂れ、盟友への想いを胸に刻んだ。


「ムラサメ、俺はここまで来たぞ。お前の分まで強くなる」


 彼の声には、約束と覚悟が込められていた。


【競馬場へ】


 墓参りを終えた翌日、ロマーリオは提案した。


「せっかくだ。東の島国の文化の一つ、競馬場に行こう。賭けも楽しめるぜ」


 イグニスは微笑み、初めての土地での賭け事に胸を躍らせた。競馬場では観客の歓声が響き、馬たちが力強く駆け抜ける。


 イグニスはロマーリオと共に競馬を楽しみながら、勝負師としての感覚を研ぎ澄ませていった。


 競馬場の熱気に包まれつつ、イグニスは心の中でつぶやいた。


「新しい場所、新しい戦い。まだ終わりじゃない。俺の冒険はこれからだ」


 イグニスはこれまで単勝馬券を買い、幾度か的中させていた。初めての土地での賭け事だったが、勘と観察眼が冴え渡っていた。


「なかなかの腕前じゃないか、イグニスさん」


 ロマーリオが感心したように言う。


「まだ始まったばかりだ。次は馬連に挑戦してみる」


 イグニスは目を輝かせ、新たな賭け方に意欲を燃やす。


【第8レース】


 次のレースが始まる。今回は馬連、つまり二頭の馬が1着2着に入れば当たりとなる賭けだ。配当は高いが、難易度も上がる。


 イグニスは入念に馬たちの状態を観察し、ロマーリオと作戦を練った。


「この二頭が有力だ。どちらかが勝って、もう一頭が2着に入るはずだ」


「おお、それは見事な読みだな」


 二人は自信を持って馬連馬券を購入した。


【レーススタート】


 馬たちが一斉にスタートを切る。歓声が競馬場を揺らす。


 イグニスは集中してレースの展開を見守る。


 予想通り、その二頭が抜け出し、1着と2着に入った。


 大歓声とともにイグニスたちの馬連馬券は見事に的中。配当は予想以上に良く、二人の笑顔が弾ける。


「やったな!」


「これで勢いがついた。次もいけるかもしれん」


 競馬場を後にしたイグニスとロマーリオは、地元の評判の寿司屋へと向かった。


 新鮮な魚介がずらりと並び、香りと彩りが食欲をそそる。


「こんなに美味い寿司は初めてだ」


 イグニスは箸を進めながら満足そうに微笑んだ。


「勝負のあとのご馳走は格別だな」


 ロマーリオも笑顔で頷く。


 二人は杯を交わし、語らいながら今後の旅路に思いを馳せた。


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