表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
70/72

理由⑧




 先生もクラスの皆も分かっていました。彼女は自分の吃音が悲しくて泣いているのではない。他の人を待たせてしまう、迷惑を掛けてしまうことが辛くて仕方なかった。現にクラスで彼女をからかう連中はいなかったし、会話を急かす奴等もいなかった。大丈夫だよ、気にしないで、ゆっくりでいいよ。その気遣いが嬉しくて、でもその気配りに応えられない自分がもどかしくて、涙が零れたのでしょう。

 誰も、何も悪くないのです。そんな時、先生はどうしたと思いますか?当時の担任の先生っはね、黒板に『友達』と『信頼』という漢字を書くと、いきなり大声で笑い始めました。ガッハッハッと大袈裟に大笑いしながら、両手で皆も笑えと煽ったのです。最初はクラス中がぽかんとしていましたが、先生の馬鹿笑いがず~っと続くものですから一人、二人と真似し始めます。三人、四人・・・七人、八人・・・・・・それでは足りません。クラスのみんなが同じように笑うまで先生は止まりません。他の全員が笑っても、彼女を待ち続けます。彼女が笑わなければ全員が揃いません。先生は彼女に近付き、肩に手を置き笑い続け、そしてついに彼女も、もしかしたら仕方なく、声を出して笑い出しました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ