表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
53/72

時間割りと時間泥棒⑪


 「家の中の時計は全て隠してあります。それと、画面に時計が表示されるのでテレビも禁止。寝る時間も起きる時間も、ご飯の時間もお風呂の時間も自由。好きなだけ遊んで、好きな時におやつを食べていいぞ。」

異変を探し当てた2人に、朝食を食べながらお父さんがルール説明。それを訊いた要と進からはパチパチと拍手が起きた。非日常と自由という響きに、にわかに盛り上がりながらゴールデンウィークが始まった。

 会社も学校も幼稚園も休みで、外出の予定も取り消せば時計の有無に関わらず、時の流れは緩やかになる。時の流れが緩やかになれば自由が増し、自由が増せば迫られることが少なくなる。迫られることが少なくなった時が―有益な時間が増えるのか、無駄な時間が増えるのか―各人の分岐点である。

 朝食後、お母さんはいつも通りの洗い物と洗濯の時間。時計がないからと言って特に困ることはない。変わることはない。止まることはない。いつも通りのいつものやり方で片付けていく。時計があろうとなかろうと、平日も休日もお母さんは大変なのだ。

 お父さんはじっくり、普段よりも時間をかけて新聞に目を通す。お母さんが淹れてくれた熱々のお茶をお行儀悪く音を立てて(すす)りながら、のんびりとした連休初日の滑り出しを満喫していた。騒がしくなるはずだったから、肉体的には嬉しい誤算。何ならもうひと眠りできそうだ。

 要はエライぞ、勉強中。この1ヶ月で浮かんできたことは、要は机に向かうことが性に合うようだ。漢字が好きで計算が楽しくて、学校から配られた『かんじ』と『けいさん』のドリルを毎日こなしていた。宿題云々は関係なし。自分の意思でドリルも教科書もどんどん進めていた。まだ予習という意識はなかろう。捗り具合によってはこの連休中に終えてしまいそうな勢いだった。何も考えずにと書くと語弊が生じそうだが、知の吸収を無条件に楽しめるものはひとまず強い。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ