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時間割りと時間泥棒⑤
「は~い。」
伸ばし棒の分だけ良いお返事とは言えないが、左手挙げて、可愛らしい声を上げて、進が立ち上がった。その仕草と表情を見る限り、何で呼ばれたのかは分かっていなかろう。もしかしたら恐竜を誉めらると思っていたりして。局面が異なれば誉める所かあれやこれやの質問攻めにしたい所だが、それはまた別の機会で。お兄ちゃんとはまるで異なった才能の持ち主だ。
「鈴本君、どうして先生に呼ばれたのか分かりますか?」
「わかるよ。」
「言ってごらんなさい。」
「かいじゅうは どうぶつじゃ ないからでしょう。でもボク、かいじゅうも どうぶつだと おもうんだ。」
ふふふ・・・自覚はあったかと妙に嬉しくなってしまう岡部先生。いかん、いかん、進君のペースにもっていかれているぞ。
「今日は怪獣も動物でいいわ。鈴本君、先生が呼んだのはその事じゃないの。朝の休み時間が10時までというのは覚えていますね?」
「うん。」
「鈴本君は今日、10時までに戻ってきましたか?」
「ううん。」
ブンブンと首を横に振る進。サラサラの猫毛も一緒に揺れる。目に入ってしまわなかろうか。
「だから先生は鈴本君を呼びました。前も同じことを言いましたね?今日が初めてではないですね?」
「せんせい・・・」




