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そして入学式へ・・・⑤


 習い事を幾つもこなす小学生が沢山いた。放課後の校庭で遊んだり、友達と遊ぶ約束をするのではなく、一目散に下校し一目散に家を出る。中学生くらいまでは興味や適性をはかる狙いもあるだろう。5、6年生になって塾通いや中学受験に備えようという子は勉学に集中するが、週に3つ4つ、それ以上の習い事をこなす子も珍しくなかった。中には土、日の方が忙しいなんて猛者も。お絵描き教室に英会話、水泳、珠算に習字やピアノ、体操クラブ、野球にサッカー、バスケットボールなどなど。当然これらは学校が終わってから。とてつもない体力、底なしの精神力と無限大の元気である。


 一日通して遊び(暴れ)疲れた要と進は、夜の9時にはバタンキューで夢の中。おかげで平穏な一日の締め括りを迎えられる鈴本夫婦。

ようやく訊き取れる音量でテレビを流しながら、軽くお酒とお菓子を嗜む。そして物語の中心はやっぱり要と進。普段は日中面倒をみるお母さんの方から愚痴も含めた話題が提供されるのだが、この日はお父さんから切り出した。

「要をサッカークラブの見学に連れていってもいいかな?」

小学校に上がって早々に新しいことを始めなくてもいいんじゃない。学校に慣れてからでも遅くはないでしょう。要ちゃんには訊いてみたんですか。野球じゃなくていいんですね。即刻反対されるとまではいかなくとも、素直に賛同はしてくれないかもな、と切り出したお父さんへの返答は意外なものだった。

「ぜひぜひお願いします。何なら入学手続きまで済ませちゃって下さい。」

お母さんはにこやかにゴーサインを出した。酔っぱらうほど◯んではない。待ってました、渡りに舟、いつ行きますかの勢いだった。無邪気に暴走する男の子の元気が早くも手に負えなくなってきた。近い内に腕力では勝てなくなるだろう。有り余るエネルギーを発散させる場所が必要。もはや山下公園では小さすぎる。抱えきれない。次の段階が求められる。それが野球でもサッカーでも構わない。そこがお父さんもお母さんも知らない世界であるのも悪くない。

そこに本人の希望が埋まっているのなら。




 スキルアップ=サッカー=クラブ(SSC)。小学校1年生から4年生までを対象とした地元のクラブチームだ。練習場所は何と好都合、正徳幼稚園。けれども卒園生である必要はなく、自分自身で通うことができれば誰でも加入することができた。それと、4年生までの理由は園庭がもたない為。耐えられない。成長期の子供の力強さは想像を絶する。本人が自覚している以上の力が備わっていて、しかもまだ力加減が動にも調整できなくて、それが腕の3倍も力のある足となると、いくら恵まれているといえど園庭が、そして幼稚園が壊れてしまう。スパイクはいて駆け回れば土はボコボコになるし、蹴ったボールがガラスに当たればあっさりと割れる。ドッジボールとは訳が違う。グラウンド整備しようとネット張ろうと、どうしても4年生が限界だった。練習は1、2年生が週1回、3、4年生が2回。本格的なサッカークラブというよりも身体を動かす手段としてサッカーを活用する、という印象をパンフレットから読み取れたような、そうでないような。春休み中も練習をするということで、要を連れて見学に行ってみることにした。

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