そして入学式へ・・・③
要がまちかど図書室で借りてきた『サッカー入門』。内容は入門書より紹介文に近いだろうか。本屋さんや学校の図書室でも目にしたことがあるかもしれない。サッカーの他にも野球やバスケットボール、テニスやバレーボールに卓球、バドミントン等。名前を訊いたことのあるスポーツ、有名所の競技が並ぶ。そのスポーツの歴史やルール解説に簡単な練習方法、サッカーであれば基本的なボールの蹴り方、トラップの仕方、リフティングのコツや各ポジションの役割など、未経験者や初心者、低学年に配慮した内容となっている。臭い言い方をすれば、初めてサッカーボールに触れる子供達への贈り物。そこには日本サッカーの現状、現在位置も記されていた。日本にプロサッカーリーグはなく、世界的に見てもその実力は下位。サッカー後進国。世界はおろかアジアの中でもベスト8が精一杯。日本サッカーは弱い。日本人はサッカーが下手。日本にサッカー文化はない。散々な書かれようだった。
時刻は7時30分を回りました―アナウンサーが告げる―今朝もやっぱり帰ってこない。自分達で起きて、自分達で準備して、自分達で出かけていくのは立派なのだが、まぁ帰ってこない。
「それじゃあ、公園に寄ってそのまま行くから。」
「はい、すみませんがお願いします。いってらっしゃい。」
言い付けを守らない子供達にいささか不機嫌か、お母さん。
「まぁ、ほら・・・春休みだし、大目に見てあげていいんじゃないかな。」
「そうですね。2人共ちゃんとお手伝いもしてくれていますし。ただ、朝から元気すぎてちょっと心配ですね。」
「子供なんて、そんなもんさ。いってきま~す。」
2人にとって嬉しい誤算がひとつ。大が付く程に甘えん坊だった進が、例の1週間の入院を経験してからどこか一皮◯けた。お兄ちゃんについていくだけではなく、お兄ちゃんと一緒に歩けるようになった、気がする。泣き虫のいじけん坊で、何かあればすぐに助けを求める次男坊が、忍耐を覚えた。
数年後、そんなもんでは済まなくなるのだが・・・・・・




