そして入学式へ・・・①
【そして入学式へ・・・】
要と進の朝は6時から始まる。パジャマを脱いで準備して、6時半から山下公園で行われるラジオ体操に参加する。春休みなので小学校の主催ではなくて、近所のおじいちゃんおばあちゃんが集まってラジオをかける。そこに混ぜてもらっていた。他にも何人か同い年くらいの子―もしかしたらお孫さん―も一緒。ちなみに同じマンションのお兄ちゃん、お姉ちゃんはいない。理由は2つ。4月からは要と1番年の近いお姉ちゃんも中学生になる。それと他の先輩達はみんな引っ越してしまった。お父さんの仕事の都合と言っていた。外国に行くお兄ちゃんもいる。そして残ったお姉ちゃんも2学期を前に引っ越すといっていた。
軽快なピアノ前奏からラジオ体操第一が始まり、続く第二が終わるまで約15分。清々しい一日の始まりが、いい助走になる。
ちなみにたかがラジオ体操と侮るなかれ、真剣にやるとじっとり汗ばむし、ちゃんと体を解すことができる。
指先まで神経を集中して、軽く反動をつけて、大きく身体を動かすことで成果が現れる。恥ずかしがってダラダラいい加減にやると、見た目も効果もいまいちとなる。
休みの日は昼まで寝ているというのは大人になった、もしくは体が悲鳴を上げている証拠。休日こそ早起きして目一杯、遊ぶ時間を作るのだ。目覚まし時計なんかセットしなくたって勝手に目が覚めてくれる。今日も明日も明後日も・・・・・・4月から幼稚園に通う進と小学校に上がる要だったが、期待と不安と焦りを抱えてあくせく準備するのはお母さんばかり。男の子(お父さんも込みだぞ)はギリギリまで動かない。環境の変化に対して何の恐怖もないのか、予習は、心構えは。小言のひとつも言いたくなるお母さんではあったが、
「え、要ちゃんずっとお家にいるの?やったーーー!何して遊ぼうか!?」
言わずもがな進なのだが、本人なりに我慢していたことを知ると、心の底から喜びの声を上げられると、すぐに離ればなれの時間がやってくるとなると、遊び惚けることを止められなかった。それと。お兄ちゃんと一緒にいると弟君は常にご機嫌で手が掛からない。掃除、洗濯、夕食の準備が滞りなくはかどるし、留守番もお願いできる。そこに甘えてしまってもいた。
ラジオ体操が終わった後はちょっとお喋りしたり、たまにお菓子を貰ったり、そりゃまぁ無条件に可愛がられた。その後おじいちゃんおばあちゃんは公園の隅で太極拳を、要と進は真ん中の広場でサッカーを始めるのだった。




