進の入院③
外遊びは要も進も大好きだ。マンションのお兄ちゃん、お姉ちゃんの仲間にも入れてもらったが、小学生は何かと忙しい。朝早くに家を出て昼過ぎ、曜日によっては夕方近くまで学校だ。帰ってきてから習い事へ行くことも。やはりなかなか時間は取れない。何よりクラスの友達と過ごす時間は学生だけに許された貴重な宝物。2人以外が小学校に上がってしまうと、どうしてもおチビちゃん2人で遊ぶことが多くなった。
この頃の2人のお気に入りは砂場でのお団子づくり。ステップ1:砂場を少し掘ったら現われる黒土に水を少量含ませて、おにぎりを握る要領で団子を作る。ステップ2:できた団子に砂場の上っ面の白砂を擦り込んでいく。ステップ3:白砂が消えて団子の色が黒っぽく戻ってきたら、再び白砂を振りかけて磨いていく。
砂場の縁に座ってステップ2から3を延々と繰り返す。飽きずに1時間でも2時間でも。何が2人を動かすのか、どうして単純作業に集中できるのか、それはね、団子が宝石のみたいに輝きだすからだ。
「ただいま~・・・・・・って、また泥団子を持って帰ってきたのか?」
「お帰りなさい。持って帰ってきましたね、また。」
「な~んでわざわざ持って帰って来るかな。どうせ公園でまた同じものを作るんだろう。」
「これを公園に持っていって、また持って帰ってくるみたいですよ。」
「へ~・・・そりゃご苦労様。」
興味のないお父さんからすればこんな反応になるし、下駄箱に泥の置物があるのはやはりちょっと困ってしまう。お父さんに艶と輝きが伝わるには、まだまだ磨きが足りないようだ。




