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雨矢
皆の前では
なに知らぬふりをしていた
心の中は ナイフで身体を抉られたように
痛い
誰にも言ってなかったので
この気持ち 貫き通さなければ!
と 変な意地を張る
その日の講義は頭に入らなかった
帰り道 まっすぐに家に帰りたくなかった
気持ちを圧し殺す度に
張り裂けそうになる
一人で泣けるとこ
どこだろう?
もう夕方 辺りは暗い
この大通り…
あの交差点…が…
足が無意識に私を導いていた
状況は判らないけれど
ここら辺 なんだ…
駄目だ 眼が次第に霞んでゆく
そのような中 小さな雨粒か私の身体に刺さってくる
歩く人はいない
通りすぎりるヘッドライトを浴びながら
強くなった雨粒に圧されながら
立ちすくみいつまでも泣いていた