やられる前にやれ
オールウェル学園の旧校舎の一室で4人の男と1人の女が話し合っていた。
「よし明日の卒業パーティー終了間際のダンス開始前にあの女に婚約破棄を突き付けて、アリスへの数々の虐めを公表してアリスへの謝罪をさせるぞ」
「それは素晴らしい考えですマキシム王子」
「あんな女が義姉と呼ぶのが恥ずかしいので正しい判断です」
「アリス令嬢を守る為には正しいです」
「我らの神も支持して下さるでしょう」
「マキシム様アリスは嬉しいです」
その後も盛り上がり日が暮れそうな頃にようやく解散したのでした。
5人が旧校舎を後にすると教室の積み上げられた荷物の影から1人の男が現れた。
「あんな女のどこが良いのか理解出来ない馬鹿な男達だな」
そう言うと男は旧校舎を後にして主人に報告に向かうのだった。
話を聞いた主人は友人達に話し掛けた。
「聞いたとおりで婚約破棄を告げるそうだから多少予定を早めて婚約破棄を告げられる前に婚約破棄を発表しましょう」
そして翌日の卒業パーティーの開始時に生徒会役員が挨拶の後に生徒全員に国からの報告があると話し始めます。
まずは私、アナスタシアが発表します。
「第一王子のマキシムは私との婚約を破棄した後、廃嫡した後北の塔へ幽閉、第二王子のクロード様が立太子して王太子となり私と婚約します」
「何を馬鹿な事を発表して居る。王太子になるのは第一王子の私だろう」
「貴方は側近の誰の子か分からない様な人物を後継者として産みそうなな女を婚約者にしようとしたからです。毎週貴方だけだと言いながら夜伽をしているのは王家の影により判明しています。
衛兵の皆さん、うるさいので縛り上げた上で猿轡を噛まして下さい」
「皆様第二王子の立太子を祝ってお祝いの言葉をどうぞ」
『クロード王太子様バンザーイ、王子妃アナスタシア様バンザーイ』
「次はアイシズ公爵家からの発表です。
ウェールズ侯爵家はエリクと私の婚約を破棄して、エリクを貴族名簿から抹消して断種の上、水銀鉱山で30年の強制労働です。リチャード侯爵家とは次男のミカエルと私が婚約をします」
「続いてスミス伯爵家はアクシアと私の婚約を破棄して、アクシアを貴族名簿から抹消して断種の上、水銀鉱山で50年の強制労働です。サイサス伯爵家とは次男のブライトと私が結婚します」
「続いて神官リチャードオニキスは神官の職務を取り消して神官名簿から抹消して断種の上、水銀鉱山で30年の強制労働です。神官長家とは次男のタスクと私が婚約します」
「そしてマクシズ侯爵家の養子だったマークは実の親が引き取り拒否したので貴族名簿から抹消して断種の上水銀鉱山で30年の強制労働です」
「そしてマクシズ侯爵家は父と母の間に生まれる新しい弟か妹が継ぎます」
「それでは衛兵の皆さんはお城の地下牢に収監して置いて下さい」
「最後にアリス男爵令嬢は実家が爵位を返上して平民になり娘の受取りを拒否したので地下牢に運び、不妊処理をした後に水銀鉱山の娼婦とします」
そして卒業パーティーは始まり最初はぎこちなかったですがダンスパーティーの頃には例年の様に落ち着きました。