前へ目次 次へ 66/68 長い前置き 焦げ付いたこの熱を。 大切に抱えていたものを。 日々を。 誰だって日々を生きて、 日々それぞれの最善を試す。 そんな当然の、 天命に靖んじて 人事を尽くす ありふれた 唯一の あたりまえの 特別な 愛しい日のこと。 綺麗だ、なんて思いながら、 窓ガラス越しの花を見ていた。 綺麗だと思った。 近づきたくて、 綺麗になりたくて。 手をのばす。 出会っては憎み、 愛しては別れ、 手をのばしては届かず、 堪えても涙した。 愛だ。 なにもかも、愛だ。愛だけだ。