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分かりつらいスピーチ
「それと……注意を引くから、そのうちに上手くやってくれたまえ」
「白衣先生?」
「さて……聞こえているかな?」
スピーカーの音量が上がる。
小声で歌う少女に反応は見えない。
「きっと君は嘆いているのだろう?
世界が間違っていると思うかい?
それとも自分が間違っていると思うかい?
きっと意味なんてないんだ。
その時々に、あるべきものがあるだけで。
『ものそのものはみな美しく』
すべて、間違いなんてない。
魔法少女とは、本来バラバラな能力を類型に押し込める分類体系だ。
押し込めた側は『これは魔法少女だ』と、安心する。
押し込められた側は『私は魔法少女だ』と、安心するんだ。
だからーー『君は魔法少女』だ」




