前へ目次 次へ 49/68 黄花流水杳然として去る 「すごい花増えましたね」 「花が咲くと目立つからね。一斉に咲いて増える。多くの種を残す。花が咲くまでは雑草と思って意識しない。花が咲くから『これほど増えたのか』と思う。咲く前にも草としてそこにあったのに」 「怪しいひと、いましたか?」 「そうだね。何人かピックアップできてる。この中に居るかは分からないけど」 「まあ、怪しさで言えば私達はとても怪しいですからね」 満開の黄色い花がひとひら、またひとひらと風に散り、はるか彼方まで流されていく。