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猫玉
化け猫少女は部屋の隅で壁を向いて膝を抱えて丸くなっている。
「奇妙な事が起きて困ってないですか?」
「彼女は困っていたみたい。化け猫になって、逃げることができたんです」
「そろそろもとに戻ってもいいのでは?」
「私は分からないから。彼女のつらさも。今だって私だけに人間に見せてくれて居たと思ってたんです。だから私が言えるのは『私は彼女のそばに居たい』ってだけで」
「ふたりの願いが重なって魔石がかなえたって」
「きっと私は自分勝手で、彼女が苦しんでも、彼女のそばに居たかったんだ」
少女は化け猫少女の横に座った。
「ねぇ。分からなくても、助けにならなくても、貴女と一緒に居たいの。ねぇ。約束。私は貴女のそばにいる。貴女も私のそばにいてほしい」
化け猫少女が少女を抱きしめた。
「そうじゃなきゃ、こんなことしてない」




