君と手をかざす
観客の少女が言った。
「それからそのゴスロリの子とは会っていないです」
話しを聴いていたネコヤナギがうなづく。
「ドコウ先輩?」
ドコウがステッキを少女に向けて振った。
キラキラと手のひらが光る。
甘い香りがした。
「これで良し。この公園を中心にした超常現象侵食事件はとりあえず解決です。謎のゴスロリについては継続調査。他の事務所にも問い合わせます」
ネコヤナギが、おつかれさまでした、と返事した。
「侵食がおさまって、功夫少女は弱くなっちゃうんですか?」
演舞が終わった黒パーカー先生が言う。
「一度身に付けて、二週間鍛練したから。魔石の効果が抜けても、格段に上達したことにかわりない。飛躍的進歩だ」
功夫少女が黒パーカー先生に続いて近付いて来て、少女の手を取った。
「私の演武を美しいって言ってくれてありがとう。こういうのはね、見て楽しむのも良いけど、やっぱ自分でやってみるのが一番だよ。おいで、套路、教えてあげる!」
少女の手を引いた。
「やったら、貴女の気持ち、少し、分かるかな」
少女は、ちょっと顔を赤くして、功夫少女の後をついて行く。
「黒パーカー先生」
「なんだい?」
「功夫少女のおじいちゃんだったんですか?」
「そうだよ。死ぬ直前に契約して、死んだことになってる。この姿は魔法少女化の応用だって聞いた。目が覚めたらこの姿だったから私も良く分からない。それに魔法少女の先生になるならこの体の方が都合が良いだろう。魔法は使えないけどね」
「功夫少女に、正体は教えてあげられないのですか?」
「ふふっ。どうせ信じないよ。なんせこんな女の子の姿だ。厄介事が増えるだけさ」
『荒唐無稽な暗闇』解決です!




