前へ目次 次へ 19/68 闇夜に君の影を踏む きれいだって思った。 ただ一連の動作を彼女は繰返していた。 緩急。目で追う。 足と地面のたてる音。 空気のゆれる感じ。 一度、話し掛けたことがあった。 近くの道場の子だって聞いた。 あまり道場には関わってないよ、って聞いた。 闘うことが好きなわけじゃないよ、って。 私は、深い意味は分からなくて。深く聴く勇気もなくて。 でも、彼女のそれは、ずっと見ていたくて。 彼女が、もっと強くなれば、もっと続けてくれるのかな? なんて、漠然と思った。