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この作品には 〔ボーイズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

脆い人

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

ボーイズラブのタグが着いてますが、そう言った描写は皆無です。

台詞だけなんで。


私の恋人は、友愛感情と恋愛感情との区別がまるでついていない人間だった。だから友愛を感じた人間に対しても、恋人と変わらない愛情を示す癖がある。それが例え、異性であれ、同性であっても。

「連絡、返してあげないの?」

「まず最初に、俺は同性愛者じゃない。それをガチな目をして、口吸い出来る、抱く抱かれるの話をされたらどう思うよ。ブッチしたくもなるだろ」

私の恋人と幼馴染。それでも私達の中では極めて真っ当な神経を持つ彼は、彼からの親愛兼恋愛感情を持て余している様だった。

私や彼とズレた価値観とも合わないながらも傍に居続けるのは、優しさか、はたまた好奇心か。

私は今だ唸り続ける携帯を一瞥し、彼の尻ポケットから引き抜いた。ロック番号は知っている。

――やっと出た。お前、なんで返信ないの? 俺が何かした? 不満なんだけど。

「あら、思ったよりも元気そう」

電話から流れ出る不満は、完成された成人の声ではあるけれど、何処か子供っぽかった。それはまるで彼の歪な価値観を示している様だった。

彼は通話音が私の声だと判断すると、返事を待つことなく、音を流し込む。

――なぁ、俺の代わりに伝えてくんない? そろそろ返事返せって。

「じゃあ帰ったらお話しましょうね」

――分かった。待ってるから。

人の携帯で会話をするのを、彼はどんな気持ちで待っていたのだろう。何時も以上に冷めた双眸が私を射抜く。それを受けて、私は笑顔で冷たい金属を押し返す。

「あの子にとって、人間は私達だけなのよ」

偶にいるのだ。心の形が違い過ぎる故に、人を人と認識しない人間が。その分、気に入った相手は何処までも。思いを向ける対象が限られているから、親しい人に拒まれると、いとも容易く壊れてしまう。

「……彼奴は……お前以外に好きな女が出来たら、お前と同じ様に愛するよ。マメに連絡取るし、デートもする。口吸いや抱く抱かれるの関係だって、平気で踏み込める。それでもお前は愛せるの?」

「愛せるよ。愛してしまう。脆い人が好きだもの」

そう言うと、深い溜息を一つ残して、こう言った。

「お前とは長い付き合いだけど、全くもって恋愛感情か芽生えないのはそこにある。価値観が違い過ぎるんだ」

そう言って、彼は私を置いてその場を去った。どうせ帰る場所は同じところなのに。

バレンタインイベで推しにチョコを渡した時に考えた話。

史実見れば見るほど、友愛と恋愛の区別が着いてない人だったんじゃないかと。


そういう人って、気に入った相手しか人間扱いしないんです。

その分、気に入った相手に対しては滅茶苦茶重い。

連絡はマメだし、デートもする。口吸いも、それ以上も。

人間の対象が狭いから、甘えるのも、縋るのも、人間扱いした人じゃなきゃしない。

これに関して、異性同性かは重要な問題じゃないんです。

浮気とかの問題でもない気がします。

ガチで好意を向ける相手に、そんな些細な事気にんすんの?

とか帰ってきそうです。


彼女はその奇妙な価値観を愛しているのだと思います。

普通の人なら、まず考えつかないと思います。

その代弁者が、真っ当な彼だと思います。



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