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短編他

推しが出来たから、課金がしたい

作者: 如月ふたば
掲載日:2023/03/24

 推しが出来た、だから課金がしたい。

 でも使えるお金って彼氏にもらっている生活費と、お小遣いしかない。

 実質、私の場合はお小遣いだけと言う事になる。

 

 仕方ないな、バイト探すか。

 ってか、採用してくれるところ、あるんだろうか。

 だって大学卒業してから、ちゃんと働いたことないもん。

 高校の時から、大学卒業するまで色んなバイトしたよ。

 分かったことは、仕事に向いてないって事。

 なんなら生きることに向いてないと言っても、良いかもしれない。


 生まれてから30年近く立つけど、私ってずっと運が良かったみたい。

 だって、ずっと彼氏に依存してお小遣いもらったり、生活費渡されて家事手伝いだけしたりとか。

 きちんと働かなくて良かったもん。

 

 今まで彼氏に依存出来たからと言って、違う男性にパパ活?しようとは思わん。

 彼氏に対する罪悪感と言う以前の問題。

 まず、私に反応してくれる男性が稀なんだ。

 それに自分自身がお金になるなんて思う程、バカじゃないもし。

 

 若さにお金を払ってくれる様な、大人の人と出会う機会だってない。

 誰かを買うことによって、自分の価値を買ってる大人なら居るだろう。

 たださー、他人で自分の価値を買うような人間って、そんなに金払い良いんかな。

 そう思うと、普通に働くのが一番いいよね。

 

 さて、そこで改めて問題です。

 私は働けますでしょうか。

  

 出来れば、サクッと大量のお金が欲しい。一発逆転的な。

 そうなりますと、やはり闇バイトですか。

 勿論お断りでございます。

 推しの課金の為に、人生棒に振りたくない。

 せめて推しの為が良い。

 「課金」だけのためなら、私だって人生大切にしたい。


 早速アルバイトを探すために、スマホをいじる。

 人と関わりたくないと思うと、事務仕事が多い。

 ※私リサーチ。

 事務仕事となると、どうしても一定の時間と日数と言うことになりがちだ。

 時間はあるし、今だけならやる気もあるけど。

 

 最近は、世間と関わっていると言い難い暮らしだ。

 いけるかなー?

 お、一カ月だけの入力業務とのお仕事発見。

 これまだ募集してるみたいだし、これでいっか。とりあえず。

 世界に揉まれるための、お試し期間。


 課金は仕方がない、ちょっとずつ溜めていた貯金からしよう。

 いや、一カ月待とっか。

 

 私が推しに課金しなくても、同担が大量にいるのだ。

 同担にセレブと呼ばれる、お金持ちキャラもチラホラがいる。

 そいつなら、勝手に貢いでくれる。

 

 私が貢がなくても、推しの地位は安泰だ。

 推しの中での私のATM度が下がるだけ。


 あれ、課金の為にわざわざ仕事する必要無くね?と、いう考えもよぎる。

 この際は勢いに乗り、応募しよう。

 だってもう、白紙の履歴書買ってきちゃったし。

 

 課金したところで、その時の自己満足しか買えない。

 分かっている。だから、経済に貢献したいと言い換えることにした。

 単なる課金なんだけど。

 何も残らないの知ってるから。ちょっとカッコつけただけです。


 履歴書って何て面倒くさいんだろう。

 どうせ見ないくせに。

 ちゃんと読みもしないくせに。

 

 私はこいつ、履歴書が大嫌いだ。

 就職をしなきゃと、大学生時代に周りが必死になっていたらからだ。

 

 私は、はなから就職なんて諦めてた。

 既に仕事が出来ない事、知ってたもん。

 だから、就職活動をしなかった。したくなかったし。

 当時の恋人は酷く嫉妬深く、就職を選ばないことを安堵していたし。


 就職ってお金と世間体の為。

「良い会社」に入れば、更に見栄えも良い。

 それだけに思えていた。

 私の両親は、仕事の為に夫婦であることを放棄していた。

 それはそれで構わない。

 2人の考えだからだ。

 

 私は仕事の為に、自分を大切にしてくれる人を放棄したくなかった。

 それだけだ。

 勿論相容れることは無かったし、お互いが家族が大切じゃないから仕事をしていたのかもしれない。

 今更そんなこと私には、どうでも良い。

 現在の私は課金……じゃない、経済に貢献したいだけなのだ。


 一カ月だけのお仕事への、面接へと漕ぎ着けた。

 面接して分かったこと、多分落ちた。

 

 やっぱ甘かった、人生って厳しいわ。

 社会人すごいわ。

 

 志望動機聞かれて、あたふたして私は訳わかんないこと言いだした。

 ささっと私が傷付かないような一言、咄嗟にくれたもん。

 社会に揉まれると、大人になるんですね。

 

 私も仕事が出来ないからじゃなくて、もう少し世間に目を向けた方が良いのかも。

 お金の為だけじゃなくて、視野ももしかしたら広がるかもしれないし。

 

 簡単にいい方向に流れていくとは思ってない。

 動き出したらハッピーエンドそんな事ある訳がない。

 ただ、動き出さなければハッピーだろうがバッドだろうが新しいルートは見つからない。

 単純明快だ。


 推しのお陰でちょっとやる気出てきたし、人生に立ち向かおう。

 

 改めての立ち向かい方を検討しようとしたら、採用の連絡があった。

 幾らねこの手でも借りたいからと言って、私なんかで大丈夫か。

 そんなに人手が欲しい所なんて不安だという気にもなる。

 

 まずは、一カ月だもん。頑張ってみましょうか!

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― 新着の感想 ―
 面白いです。 なんとも少しやさぐれた(疲れた)女性が、まああまり共感は出来ない理由から仕事を始めようとするのがいいですね。  この女性のキャラがいいです。なんとも冷静に自己分析して論理的に考えている…
[一言] 希望が見えるような、袋小路に居るような。 なんとも言いがたい読後感でした。
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