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Momo  作者: ももちよろづ
9/22

恋する街

「美味い!チョコケーキ、美味いよ、モモ!」


「えへ~♡愛を込めて、作ったもんっ♡」


「こ~いつぅ♡」


「きゃっ♡」


スマイル団、ダイニング。


今日も、バカップルは、イチャコラしている。


他の団員達は、若干、距離を置いている。




「ねぇ、クーヤ♡」


「何だい?モモ」


「次の日曜、空いてる?モモ、クーヤとお出掛けしたいな♡」


「わっはー、甘えん坊さんめ。よし、連れてってやるか」


「わぁーい!」


他の団員達は、完璧に、二人を放置した。




~ 日曜日 ~



「えへー♡今日は、クーヤとお出掛けだー♡


 うんと、お洒落しなきゃ!どのお洋服、着て行こうかな?」



「お待たせ♡」


「お、今日もその服、似合ってるな。可愛いジャマイカ」


「えへー♡ねぇ、今日は、何処へ連れてってくれるの?」


「そうだなぁ……」




―― キョート・カモ川 ――



「うわ~、気持ち良い水辺」


「ふふ、気に入ったか?」


「うん、とっても」


「ムフフ」


キョートの中心を、Y字に流れるカモ川は、村内でも有数のデートスポットだ。


俺達の他にも、辺りは、カップルだらけ。


「うわ、カップル、多っ!しかも、皆、濃厚に抱き合ってる!」


「ああ、これは、キョート名物、カモ川ラッコだ」


「ラッコ?」


「抱き合ってる姿が、ラッコみたいだろ?」


「成る程~。ねぇ、モモも、クーヤと、ラッコしたいな♡」


「///……少しだけだぞ?」


「わぁーい♡」


※ラッコ中です。このポーズは、時間が掛かります。


一端接続を切って、時間が経ってから、再度、アクセスして下さい。




―― ナラ公園 ――



「わぁ~!鹿が、いっぱい居る~!」


「キューン」


「はは、ナラでは、鹿は、神様の使いだからな」


「そうなんだ~」


モモは、すっかりはしゃいで、鹿と戯れている。


連れて来て、良かったな。


「あ、鹿煎餅、売ってる」


「買うか?」


「うん!」


モモが、売店の鹿煎餅を、手にした途端……。


「キューン!」


「キューン!」


「キャー!///」


鹿の大群が、モモに押し寄せた。


「モモ!」


「キューン!」


「うわー」


「キューン!」


鹿は、モモの持っている鹿煎餅どころか、体中にくっ付いている。


中には、スカートの中に、頭を突っ込んでる鹿も居るジャマイカ!


羨まけしから……いや、何と、不埒な!


「もがー」


「こら!鹿!しっ、しっ」


「キューン!」


「キューン!」


俺が追い払うと、鹿は、モモの手から煎餅を奪い取り、ワカクサ山の方へ逃げて行った。


「大丈夫か?」


「うん、凄いねー」


(……スカート!)


「ん?クーヤ、何だか、目線が危ないわよ?」


「……はっ!///い、いや、何でも無い!ゲフッゲフン……


 そうそう、団への土産に、ビニール鹿でも、買うかな~」


「?」




―― ヒコネ城 ――



「わぁ、立派な、お城」


「もう直ぐ、モモの好きそうなのが、出て来るぞー」


「?


 わー、可愛い!」


モモは、すっかり、ひこにゃんを気に入ったらしく、にゃんにゃん遊んでいる。


連れて来て、良かったな。


「ひこにゃん、お城に帰っちゃった」


「そうか。いっぱい、遊べたか?」


「うん!」


良かった、良かった。


それにしても――。


「? なぁに?」


「モモって、ひこにゃんに、似てるよな」


「えぇー!こんなに、モチモチしてないよぉー!///」




「さて……たっぷり遊んだな。そろそろ、アジトへ帰ろうか」


「うん!」


「……あれっ?」


「? どしたの、クーヤ?」


「……アジトの鍵が、無い」


「えぇーっ!あれが無いと、アジトに、入れないよ!


 何処かで、落としたのかな?」


「そうかも知れない。今日のルートを、探そう」


「うん」


えーと、今日通ったのは、確か……




―― キョート・カモ川 ――



「えーと……ここで、ラッコしたよね?」


「ああ」


「じゃあ、もう一度……♡」


「しょーが無いなぁ♡……って、違うだろ!」


「えへー♡」


「てか、鍵、鍵、と……」


「あっ!川の中で、何か、光ってるよ!」


「!」




―― ナラ公園 ――



「えーと……ここで、鹿に襲われたよね」


「ああ」


「キューン」


「キューン」


「ん……?鹿が、何か光る物を咥えてる……?」


「あっ!」


「キューン!」


「こら、鹿!大人しくしろ!」


「キューン!」




―― ヒコネ城 ――



「えーと……ここで、ひこにゃんと、遊んだよね?」


「ああ」


「ん……?ひこにゃんの、お尻の下に、光る物が」


「ひこにゃん、そこを退くんだ!」




帰り道。


「クーヤ、今日は、有り難う」


「はは、又、行こうな」


「ね~ぇ?」


「ん?」


ちゅっ♡


「……///」


「だって、コモモちゃんが、羨ましかったんだもん」


(馬鹿だなぁ。そんなの、言えば、いつだって……)


「ねぇ、今夜の夕食、何が食べたい?」


「そうだなぁ~」


ニコニコ、ニコニコと、幸せそうな笑い声が、いつ迄も、いつ迄も、聞こえていた。

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