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秋山と南野の親は仲良しなのだという。
だからその二人は良く話す。そして、その話した内容は娘である二人にそのままやってくる。
秋山は親同士の会話での話を良くクラスメイトにしていたらしい。
主婦の井戸端会議で話されるような話である。
隣のあの人が、あそこのお子さん実家に戻ってきたみたい。なんていう噂話からお母さん同士の「ウチのムスメがー」なんていって「そんなことないわよー」と言う返し待ちの話もである。
何を思ったのか秋山はその近所の噂話やお母さん同士の「ウチのムスメがー」いうラインナップを当時の中学生のクラスメイトにしていたらしい。
何それ嫌だ。
南野はもちろん止めた。やめてほしいと。
しかし、例の如く「悪口言っているわけじゃない!」と本人は開き直ったらしい。
なんでも本人は本当にあったこと、悪く話している訳ではない。だから悪口じゃない、ということらしい。本当のことでも勝手気ままに話されたくないこともある、ということがどうしても秋山には伝わらなかったらしい。秋山のそう言ったお喋りが止まることはなかった。
南野は秋山が嬉々として話していく姿を見て諦めたという。
もはやライフワークだと思われる頃になってくると南野も疲れてきたし、注意されていた秋山も「なんなの、こいつ」といった感じになった。そうなってきて、もういいかと南野は思ったようでそれから注意はせずに距離を取るようになったという。
南野は秋山のお喋りが嫌だったら離れる方がいいと言った。
自分が正しいと思っているから?なんて私は思ったが南野は違っていた。
「周りが間違っているから修正しなきゃいけないって思ってるのよ、きっと」