表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

異世界に召喚されたはずでは

作者: さくらいまひる

アラームに叩き起される午前8時、眠い眼を擦って制服に着替える。紺色の至って普通の高校の制服だがこれを着るのもあと1年かと思うと少し感慨深いものがある。「ご飯できてるよ〜」という母の声に、今行く、と軽く返事をしてドアを開けようとした時、召喚陣のような模様と謎の光に包まれた。アニメでよく見た、これは異世界に召喚されるやつ。絶対そう。漫画やアニメに興味関心そして理解のある少年は適応が早いのである。徐々に朦朧とする意識の中でチート魔法チート性能美少女そして己の活躍する冒険譚を思い浮かべた。


目が覚めた。辺りを確認すると「成功だ!」といった声でざわついている。無理もない、異世界からの来訪者は珍しかろう。この国を自分の手で救うと心に決めた。それにしても女の子の服は漫画ほど派手じゃないんだな、露出なんて全然してない。むしろ女子高生の制服のような…おそらくこの世界での制服なんだろう。

意識がはっきりしてきた、この世界の人間がなにやら分からない言語で話しかけてきている。いや…わかる気がするぞ…これは…英語だ。異世界の共通語も英語なのか!少し心配だが自己紹介くらいならできる。どこから来たのかと聞かれたため、あいむふろむじゃぱん、と日本人英語を披露した。周囲がザワついた。自国の言語を喋れることがそんなにも意外か!意外だよなぁ!そんなふうに意気揚々と立ち上がると国旗が見えた。なんとなく覚えてる。見覚えがある。昨日授業中にパラパラめくった社会の教科書に載っていた。イギリスの国旗だ。

言語が通じた理由、ざわついた理由、国旗、女の子の服…もしかしてここって地球?いやイギリス?

おそるおそる偉い人らしき人に声をかける。


ここって…イギリスですか?

そうだよ


魔法が使えるようになったりとかかわいい女の子と冒険したりとか…

しないよ


世界を救ったりとか…

強いて言うなら温暖化をとめたい


帰ります。

飛行機を手配しよう

何かに召喚されたら思い出してください。後で恥ずかしくならないように

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ