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奴隷の帝王~無能な奴隷に転生した最強ヤクザの最底辺からの成り上がり~  作者: 三太華雄
三章 組織作り編

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五大盗賊ギルド

「上等だぁ!黒の狼の恐ろしさを教えてやるぜ!」


 奥から黒き狼の残党達がぞろぞろと集まってくると、威勢よくこちらに向かって襲い掛かってくる。

 しかし頭がいないためか、全くと言っていいほど統率がとれていない。

 連携もクソもなくただ単純に個人個人が勢い任せに襲い掛かってくるだけだ、恐らく主力だったメンツも前回のオークションで殺られたか、マリス達にパクられてここにはいないだろう。

 これじゃあ名のある賊とはいえ、ただのごろつきが集まって暴れてるだけに過ぎない。


「おいお前ら、剣は使うなよ。」

「は、なんで?」

「せっかくいい感じの人間のゴミ共を殺せるのにか?」


 俺の命令に戦闘狂のアルビンと人間嫌いのガイヤが不満そうな反応を見せる。


「折角の新しい我が家を血まみれにされちゃあ困るからな、ちゃんと自分で掃除するってんなら話は別だが?」


 そう問いかけると二人は言葉を詰まらせしぶしぶ剣を収める。

 そしてアルビンは拳で、ガイヤは魔法でそれぞれ応戦し始める。

 相手は勿論武器(エモノ)を持っているがやはり実力が違いすぎて相手にならない。

 更に魔法や弓が得意なランファとパラマ、そしてミリアムの補助魔法で身体強化の援護もあり、俺とアルビンの二人で十分片付けられている。

 残りのメンバーは何人かで固まりながら迎撃、かつ女性陣の守りに徹している。


「この子すごいわね、この年でこんな魔法が使えるなんて」

「ええ、人間ながらエルフの子供にも劣らないわね。」

「えへへ。」


 今までは男しかいなかっただけに新しく入った二人の女性に褒められるとうれしそうはミリアム笑う。

 そしてそんな笑顔を見せるミリアムを見てデレているエッジは棍棒を持った相手に顔面をきれいに殴られていた。

 身体強化の魔法があるとはいえ、もろに攻撃を食らったエッジが怯みを見せるがつるはしの旅団のメンツがすぐにカバーする。

 経験を積んだせいか個人の実力こそないが、こいつらも連携が取れそれなりに戦えるようになってきている。

 そして数が減れば減るほど統率の取れていない向こうは士気が下がり始め、制圧するのに時間はかからなかった。


――


「これで全員か?」


 その場にいた黒き狼の残党達を縛り上げて周囲を確認する。


「一応、他に隠れているやつがいないか見てこい。」


 そう指示を出して何人かに中の捜索に向かわせる。


「……さて、じゃあこっちはお話でもしようか?」


 縛り上げた残党達の目線に合わせるようにしゃがみ込み顔を覗く。

 どいつも物理的に殴られていい顔になってやがる。

 剣や魔法が主軸のこの世界では珍しい光景ではあるが、俺としてはやっぱりこっちのほうがいい。


「てめぇらには色々聞きたいことがあるからな。」

「フン、貴様らなんかに話すことなんて何もねえよ。殺すならさっさと殺せ。」

「ほう、いい度胸だ。」


 本気か強がりかは知らんがそういうなら容赦はしねえ。


「おい、ガイヤ。」

「ん?」

「こいつらの両手と片足を切断して近くの森の木の枝に吊るしとけ、その下には杭を立ててな、重さで木が折れて串刺しになるか血の匂いに誘われた魔物に食われるか、出血死で死ぬか見ものだな、もしそれで一日生き残れたら最後の一本も切り落としてそれで手打ちにしてやろう。」

「は?」


 内容を聞いた残党達が思わず間抜けな声を出す。


「ああ、最高に面白そうな提案だな、ぜひ任せてくれ。」


 そしてガイヤがそれに対しガキのような無邪気な笑みを見せると、強気な態度をとっていた残党達の顔から一瞬にして血の気が引いていく。


「ま、待て、正気か貴様ら⁉」

「俺たちよりよっぽどえげつねえこと考えるじゃねえか⁉」

「当たり前だ、俺たちも()()()側なんだからな、この世界で意地を張ると言うことはそう言う事だぜ?」

「わ、わかった!話すよ、だからそれだけは勘弁してくれ!」


 残党はさっきの威勢のよさは瞬く間になくなり命乞いを始めると、ガイヤはそんな残党に対し不満そうに舌打ちをする。


 こいつもなかなか歪んでいるな。まだ出会って間もないが、人間、特に賊に対する憎悪が強い。

 他のメンツとも争いこそしてないが、関わろうとはしてないからな。

 まあ、ここに連れてこられた経歴を見る限りきっと他にもいろいろあったんだろうな。

 穏健そうな姉のランファも残虐性を秘めたガイヤに対し止めることはしない。

 詮索はするつもりはないが大方予想はつく。

 だが、こいつなら人族限定でいい拷問官になれるかもな。


「頭ぁ、奥の部屋に地下牢があって中に女が何人が捕らえられているのを発見しやした!」


 奥のほうを探索していた奴らが戻ってくるとそう報告してくる、そして奴らは何か期待しているような眼をしている。

 ……まあ察しはつく。

 正直その女たちを助ける義理はないし、好きにすればいいと思うが、それは女性二人があまりいい顔をしないだろう。


「とりあえず身元を調べろ、女たちの家族と交渉できそうなら身柄を引き換えに金もとれそうだしな。」

「は、はい……」


 部下達は残念そうなら表情浮かべながら再び地下の方へと戻っていく。


 仕方ねえ、夜に金でも渡して、街に繰り出させてやるか。

 裏地区にはそういう店や路上で身売りする奴らが腐るほどいるからな。

 俺は再び捕まえた残党達に目を向ける。


「さて、話が少し逸れたな?じゃあ聞かせてもらおうかこの町の五大盗賊ギルドについて……」


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