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爆炎の世紀  作者: 愛媛のふーさん
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『蒼天流』奥義

 蓮と千堂は訓練に使っているナイツ本部ビルの地下二階に入った。エージェントの面々はティーブレイクの最中だ。蓮達に気づくと声を掛けてきた。

「大変だったですね」

〈オーシャン〉緑川文博みどりかわふみひろが一番手。続いて無精髭の男が口を開く。

「なんにせよ、無事で何より」

「無事言うかな。十六夜折られた上に胸切り裂かれて」

業炎ごうえん聖清十郎ひじりせいじゅうろうに疑問を呈したのは〈アイスドール〉氷室冴子ひむろさえこだ。〈かまいたち〉宮藤哲人くどうてつとは冴子の疑問に答える。

「〈極炎〉進藤新と闘ってそれ位で済んだんなら無事言って良いさ」

「すまんな。蓮の事読んで、未来の可能性見てれは防ぐことも可能だったかもしれないのに」

そう謝るのは〈棋士〉林秀文はやしひでふみである。その台詞セリフからも判る様に林は未来が読めるのだが、その対象者を視界に収めてなければならない。また漠然とした予知も可能だが万能には程遠く、蓮としても林が蓮と進藤の遭遇を予見するのは無い物ねだりだと、思っている。そんな蓮に対し千堂は

「ほんまやで」

と、林の非をならした。そこにアリスが入って来ると、開口一番に告げる。

「極炎は本気じゃなかったそうよ。間接的な知り合いで、蓮の事傷つけたくなかったみたいね。殺されずに済んだ理由かそれよ」

「そうか。あの復讐の鬼がね」

 林はそう呟くと、蓮を見て何やら考え込む。頭を横に振ると林は、又考え込んだ。

「蓮も常人離れしたスピードと反応速度だが、考えずに技繰り出しても進藤は対応可能。攻撃が通用しないなら、進藤の剣が鈍っても勝てんな」

「考えずに技を出せばサトリを破れるんじゃ?」

「サトリはな。反応速度とスピードがまだ埋らん。見て反応される。勘で処理される可能性すら有る」

林の読みは予知でもある。思わず疑問をぶつけた蓮だったが、未来の現実なんだと悟った。反応速度とスピード、欲言えはパワーも進藤に迫る域迄達し、サトリと視覚を無効にして、勘だけで闘う状況下で勝利の可能性がある。この命題に対する答えに蓮は心当たりがあった。『蒼天流』の奥義を極めて宗家に伝わるアレをも引き継ぎ60代宗家になる事だ。現在の59代宗家は、大伯父の緋村鉄斎である。その鉄斎には息子はおらず娘のみ。そこで蓮の叔父が婿養子に入り産まれたのが、緋村剣。進藤新のライバルだった従兄である。剣は再生不良貧血を患い8年前に亡くなった。緋村家には宗家も分家も、蓮以外は男児は残ってなかった。鉄斎としては蓮が宗家を継ぐのを望んでいる。アレについては本当にそんなものがあるとは子供の頃は考えてなかった、象徴的な言い伝えと捉えていた。しかし、異能者になった今は、本気にしている。それにすがろうと蓮は考えた。

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