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爆炎の世紀  作者: 愛媛のふーさん
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秘伝奥技伝授前4

 齋藤鉄郎、亡くなった祖父「鉄心」、叔父「鉄矢」、大伯父「鉄斎」、『鉄』の字が入っているのは当然偶然な訳ない。曾祖父「雲斎」が一族の男子と(えにし)の男子に、鉄隕石が御神体の一部なので付けたのだ。鉄郎は曾祖父の高弟の孫で、叔母「菊乃」の乳兄妹で有る。そして、最後の名付け子でもある。乳兄弟とは、母親の代わりに乳を与える乳母の子と、乳を分け与えられる主人の子との、子と同じ乳で育った擬似兄弟的間柄を指す。雲斎は鉄郎を婿養子候補と考えていた節が有り、存命中は熱心に教え導き、亡くなる最は鉄斎に高弟の列に加え高みへと育てる様遺言した程で有り、剣術は期待を裏切らない成長をしたが、菊乃の親友と大恋愛して結婚して婿養子に入らずにきた。因みに鉄郎と妻と菊乃は、同じ歳の幼なじみ。ドラマに満ちた青春を過ごして、現在55歳。木島一平よりも若い分強い部類の寄りのバランスの良い剣士である。上手さと強さ拮抗して居るのは、蒼天流火の呼吸『爆裂』(発勁爆裂発生呼吸法)を極めて居るからである。火の呼吸には『普遍化』(常態的に発勁を発生させ基礎能力の底上げと身体強化の持続維持)も有り両者の兼合いが各々の工夫に成る。雲斎は爆裂特化型で在るので鉄郎も習い、瞬間出力は20代並。しかし、あくまでも瞬間です。

 なので抜刀術特化で勝負を付けるスタイル。雲斎は異名「抜刀斎」の通りが雲斎よりも良い。鉄郎は「二代目抜刀斎」と、他流派から呼ばれるが、蒼天流内では呼ばれる事は無い。宗家相伝の抜刀術が有るからである。「抜刀術を極めし雲斎」が「抜刀斎」に縮まったらしい。しかし、現在師範に次いで抜刀術の実力者No·2である。此処に、抜刀術対決再び!

 蓮と鉄郎は二間(にけん)の距離で、納刀の型で静かに闘気をぶつけ合う。お互いに幾を、闘気で探る。異様な高まりに、何時の間にか二人以外は手を止めていた。あずみも目で捉えられる事は無いと、解った上で注目せずに要られ無い。動いた。蓮の左拳が鉄郎の鳩尾(みぞおち)(空手の水月)に吸い込まれている。二人共に木刀を振り飛ばすばかりに、右腕は大きく後ろへ跳ね上げられていた。木刀は今にも砕け散る寸前で、すっぽ抜けるか粉々どちらか、いや、両方あと半合触れればどちらも起こってただろう。齋藤鉄郎が崩れ落ちると木刀も崩れ散った。蓮の木刀はかろうじて形を成していた。刀では無く拳の打撃での勝負の決着はありか?無しか?有りである。剣道では無く剣術、刀以外の打撃蹴り投げ、強いては関節技も含まれているのだ。有りだとして、何故此の様な決着に?

 宗家相伝の抜刀術を除けば蒼天流抜刀術の最高の技は「梅花八閃(ばいかはっせん)」当然偶然では無く必然で梅花八閃一択と成る。当然技の習熟度は齋藤鉄郎に有る。蓮は「桜花五閃(おうかごせん)」と「梅花八ヶ突(ばいかはっかとつ)」神速の五斬撃と更に神速の八刺突から、超神速の八斬撃を頭の中で会得しただけ、ぶっつけ本番だった。しかし、蓮の呼吸法はナイツ式強身呼吸法と蒼天流火の呼吸のミックスのオリジナル。謂わば「蒼天流雷の呼吸」と呼ぶべき『爆裂』『普遍化』『反応と思考加速』の3つをこなす、超呼吸法へとゾーンの突入で深化と進化を遂げていた。しかも蓮は、全てに於いて専門特化クラスの強化と持続性を発揮する呼吸法に成っていた。開発卽究極。天賦の才とナイツでの1年の修行訓練、両輪の嚙み合わせの成長が一気に花開いた結果なのだろう。此れで蓮の梅花八閃は齋藤のを駕いだ。しかし、圧倒して無い。抜刀術は同じ技の打ち込みでは圧倒する必要が有る。

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