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爆炎の世紀  作者: 愛媛のふーさん
10/25

『蒼天流』奥義5

桜は女性にしては、身長が有る。平均的な高校生男子より少し身長の有る蓮が、チョコっと目線を上げる必要性が有った。

「食前の()()()()で、お腹減らすとしますか」

桜姉(さくらねぇ)の軽くは、一般人にはしごきと同義!日本語は正確に!其れに、食前?」

「あら!蓮君は一般人じゃ無くて、家の一族だから間違ってないわよ。お腹減らした方が、晩御飯美味しいわよ」

蓮と桜のやり取りを、あすみは『はぁ』といった感じで呆気に取られて聴いていた。

 3人で母屋とは別になっている道場へと向かい、更衣室へ蓮と桜は消えた。5分後、二人は剣道着に防具無しで現れた。

「防具は?」

あずみの問いかけに

(うち)の三段以上になると防具は使わない。寸止めも最低限よ」

涼しい顔して桜が応える。『ま、こんなもんさ』と言わんばかりに蓮も頷く。しかも二人が掴んだのは樫の木(かしのき)の木刀だった。

「型をするの?」

「準備運動代わりにね。打ち込みも乱取りもするるけど」

又、蓮は事も無げに言う。あずみも蓮が真剣でナイツの訓練を積んでいるのは知ってるから、特別に蓮が危険だと思ってる訳では無い。しかし、道場で木刀で打ち合うのには驚いたのだ。有段者が木刀を持てば、真剣とさほど変わりない。此の道場の高位者は凄まじい稽古をしている事に成る。蓮が強敵への対策に本家での免許皆伝を望んだのに納得がいくあずみだった。

 神棚に二礼二拍手一礼してお互い礼をし、二人は型を始めた。物凄く高速で打ち合うことが無いので、衣擦れの音しかしない。要所要所で止めが入るので型だと解るが、演舞のようだと、あずみは思った。十五分して型は終わった。五分間木刀を打ち合わせる打ち込みして、乱取りになった。2分間動きが無く闘気のみ満ちる。桜が青眼の構えから納刀の型へ変化する。蓮も同じく納刀の型へ。お互い抜刀術でけりを付ける心積もりであろう。蓮から動いた。高速の抜刀。しかし、迎え撃つのは神速の抜刀。蓮の一閃は受け止められ3撃程打たれた。

桜花五閃(おうかごせん)

梅花八ヶ突(ばいかはっかとつ)

蓮の一閃におもわれたのは神速の五閃だったが、桜は更に神速の八突だった訳である。蒼天流抜刀術の秘技の応酬であるが、桜の秘技が上の技で有ろう。あずみには蓮が打たれた、其れしか解らなかった。

「「ありがとうございました!!」」

二人の終了の挨拶が響く。

「本当に()()だったね。桜姉仕事で疲れてた?」

「別に。確かに運動量的にはそれ程じゃ無くても、秘技の抜刀術の応酬しといて軽い訳無いでしょうよ。疲労で着替えるの辛いわよ。蓮君平気なの?」

「はい」

「あんた、日頃どんな稽古してるの?まるで秘技伝授や奥技伝授を日々してるみたいじゃない。まさかね、そんな訳ないか!」

「その、まさかじゃよ」

鉄斎が、蓮と桜の会話に割って入った。

「えっ?」

「詳しくは知らぬ方が良い。只、修羅の道を進んでおるとだけ心得ておけ」

「ふーん」

桜は解った様な解らなかった様な顔をしていたが

「とにかくお腹減らしたから御飯にしましょ。お祖父ちゃんも呼びに来てくれたんでしょう?蓮君、あずみちゃんも行こ行こ♡」

桜は、現代っ子らしく切り替えが早かった。 

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