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第一章 新たなる星の上で−5−

移転暦十七年六月


 日本海軍(海上自衛隊から名称変更)の組織改定が終わったのはこの前年4月に入ってからであった。同時に陸軍および空軍(それぞれに名称変更されていた)の組織改定は海軍ほどではなくすでに終了していた。階級呼称も少尉、少佐、少将などに変更された。階級呼称に関しては旧自衛隊員のほうが戸惑いは大きいようであった。

 十万人を超える軍人がいきなり自衛隊隊員を捕まえて少尉だの大尉だの大佐だの言いはじめたのである。自分は三等海尉だの一等海尉だの一等海佐だのと言っても、次にはまた同じ繰り返しであった。将兵に対する教育により、説明されてはいても、彼らにとってはそちらのほうが呼びやすかったのであろうし、とっさの場合には自分たちの用いていた呼称が出てしまったのだと思われた。結局なし崩しに呼称変更が国会を通過、十六年四月一日をもって施行されたのである。

 聯合艦隊所属艦艇は改装が完了し、習熟訓練を終えた艦から順次秋津島に派遣されていた。今回の戦艦部隊の派遣により、秋津島への派遣はある程度整うこととなる。この時点で旧海上自衛隊所属艦はすべて本国へ帰還となる。その編成は以下の通り。

第三戦隊戦艦『金剛』『比叡』『榛名』『霧島』

第二戦隊戦艦『日向』『伊勢』

第四戦隊重巡『愛宕』『鳥海』

第四水雷戦隊軽巡『由良』(154あまぎり)駆逐艦『朝雲』『峯雲』『夏雲』『朝潮』『荒潮』

第六水雷戦隊軽巡『大井』(156せとぎり)『風雲』『夕雲』『巻雲』『霰』『霞』

第一航空戦隊空母『赤城』『加賀』

第三航空戦隊空母『瑞鳳』『鳳翔』

第十水雷戦隊軽巡『長良』(152やまぎり)駆逐艦『陽炎』『不知火』『野分』『早潮』『親潮』『黒潮』

第十航空戦隊水上機母艦『千代田』『日進』

第八戦隊重巡『利根』『筑摩』

第五戦隊重巡『妙高』『羽黒』

第五水雷戦隊軽巡『北上』(155はまぎり)『夕風』(122はつゆき)

『三日月』(123しらゆき)

第二十駆逐隊駆逐艦『吹雪』『白雪』『初雪』『叢雲』『磯波』『浦波』

第二十四駆逐隊駆逐艦『敷波』『綾波』『朝霧』『夕霧』『白雲』『天霧』

第二十六駆逐隊駆逐艦『海風』『山風』『江風』『涼風』『時雨』『有明』

工作艦『明石』

掃海艇十他、

潜水艦部隊 第六艦隊軽巡『香取』潜水艦十五、母艦二

給油艦十五

 駆逐艦「陽炎」型十八隻、「朝潮」型七隻、「夕雲」型三隻は、五十四口径百二十七mm単装速射砲一基、アスロック対潜ロケットランチャー二基、四連装ハープーンSSM発射機二基、短魚雷三連装発射管二基、高性能二十mmCIWS二基の装備に改装されていた。もちろん、ソナー関係も「あさぎり」型護衛艦に準じており、砲が減った分居住性は向上している。「吹雪」型十二隻、「白露」型十隻、「初春」型二隻は、五十四口径百二十七mm単装速射砲一基、四連装ハープーンSSM発射機一基、短SAM発射機二基、短短魚雷三連装発射管一基、高性能二十mmCIWS二基の装備に改装されていた。ソナーには手を加えていないため、対潜能力は皆無に等しい。砲が減った分居住性は向上している。いずれもレーダーはもとより、通信機器も更新されていた。

 軽巡洋艦はすべて自衛隊配備艦であった「あさぎり」型護衛艦に入れ替えられているが、艦名はそのままとされた(ただし対潜ヘリコプターは搭載していない)。

 重巡洋艦は五十四口径百二十七mm単装速射砲二基、VLSミサイル発射管一式、SSM装置(四連装艦対艦ミサイル発射装置)二基、短魚雷三連装発射管二基、高性能二十mmCIWS二基、対潜ヘリ一機搭載に改装されていた。当然ながらレーダーはもとより、通信機器も更新されている。

 戦艦はレーダー装備、通信機器の入れ替えのみ行われている(『大和』『長門』『陸奥』は射撃管制装置の更新も予定、戦艦『扶桑』『山城』は日本海軍に委譲され、現在空母へ改装中)

 空母はレーダー装備、通信機器の入れ替えのみ行われている。油圧式とはいえ、カタパルトが装着されていたが、未だ使用できない。その理由は搭載する航空機側に問題があった。よく言われているように、当時の日本の航空機は機体強度が低く、試験使用で分解してしまったのである。機体の改造は配備先である秋津島の秋津島重工の工場で行われることとなり、それが終わるまでは使えない、という状況であった。

 その他の艦はレーダーと通信機器の更新のみ行われている(潜水艦も含むが、順次「はるしお」型に入れ替えの予定)

 改装費用はかなりかかってはいたが、政府としてはこれでよしとしていた。海軍側としては現代護衛艦(DE「あぶくま」型など)との総入れ替えを唱える者もいたが、「あぶくま」型は既に除籍され、一艦とも現存しなかった。それに戦前の駆逐艦には現代護衛艦にない性能があった。最大速力である。どの艦も三十五kt以上の高速性をもっていたからである。これは水雷戦以外においても有用とされていた。

 『扶桑』『山城』の空母改装については当初反対意見もあったが、いずれは聯合艦隊所属として戻すことにより、決行されたのである。戦艦としては古く、速度も遅く、何よりも艦橋の異様さゆえ、改装工事が難しかったのである。また、日本海軍(旧海上自衛隊)待望の空母が目の前に現れたことで、自分たちでも空母建造のためのノウハウを得る目的もあったともいわれていた。(後年、情報公開においてこれは事実であると確認されている)

 VLS装置の重巡洋艦への装備は後部水偵格納庫を用いての改装であり、工期はそう必要としなかったといわれる。どの艦にもいえることであるが、レーダーの追加と通信機器の改装など電装関係の装備に時間を要したといえる。このため、配属先である秋津島に移ってからも細々とした改造は続けられ、完成したのは翌十八年になってからであったといわれる。

 むろん、装備したレーダーは最新のものではないが、それでも哨戒能力は向上し、攻撃能力においては格段の向上を見ることができた。ただし、問題はあった。昭和の軍人たちにとって、電子装備は理解の及ばないものであり、習熟に長期間を要したことである。もう一つ、水偵パイロットのヘリコプターへの機種転換、これにも長期間というよりも、長時間の飛行訓練が必要であったといわれている。


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