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第二章 秩序を求めて−4−

移転暦一八年八月


 前年七月にこの地に現れた今村均中将率いる第16軍将兵四万人が、南秋津市の統合防衛軍基地にやってきたのは八月一三日のことであった。現代陸軍に合わせて装備編成された四個師団の機械化部隊である。彼らにとって本国日本の現状はかなりショックだったようで、同世代の人間のいる防衛軍基地に戻り、落ち着いてきたようである。


 今村均陸軍中将は秋津島統合防衛軍副司令官に就任、陸軍長官を兼任する。16軍司令官には土橋勇逸陸軍中将が着き、四個師団(後に秋津島在住の住民からなる一個師団を加え五個師団)を統括する。統合防衛軍司令部参謀に陸軍から土田巌少佐が着任、海軍と同じく数人の尉官が派遣されてきた。


 ここで秋津島統合防衛軍戦力を見てみよう。


海軍

戦艦部隊:レーダー射撃可能

第一戦隊戦艦『大和』『長門』『陸奥』

第二戦隊戦艦『日向』『伊勢』

第三戦隊戦艦『金剛』『比叡』『榛名』『霧島』


重巡洋艦部隊:(VLSを装備し、対空戦闘艦になっている)

第四戦隊重巡『愛宕』『鳥海』

第五戦隊重巡『妙高』『羽黒』

第七戦隊重巡『熊野』『鈴谷』

第八戦隊重巡『利根』『筑摩』

第九戦隊重巡『三隈』『最上』


空母部隊;油圧カタパルト装備、艦載機もカタパルト使用可能

第一航空戦隊空母『赤城』『加賀』

第二航空戦隊空母『飛龍』『蒼龍』

第三航空戦隊空母『瑞鳳』『鳳翔』


水上機部隊;油圧カタパルト装着

第一〇航空戦隊水上機母艦『千代田』『千歳』『日進』


水雷戦部隊:対艦ミサイル装備、対潜装備更新

第二水雷戦隊軽巡『神通』(153ゆうぎり)駆逐艦『嵐』『雪風』『天津風』『時津風』『秋雲』『磯風』

第三水雷戦隊軽巡『川内』(151あさぎり)駆逐艦『舞風』『浦風』『初風』『浜風』『谷風』『萩風』

第四水雷戦隊軽巡『由良』(154あまぎり)駆逐艦『朝雲』『峯雲』『夏雲』『朝潮』『荒潮』

第六水雷戦隊軽巡『大井』(156せとぎり)『風雲』『夕雲』『巻雲』『霰』『霞』

第一〇水雷戦隊軽巡『長良』(152やまぎり)駆逐艦『陽炎』『不知火』『野分』『早潮』『親潮』『黒潮』

第一二水雷戦隊軽巡『北上』(155はまぎり)『夕風』(122はつゆき)『三日月』(123しらゆき)


駆逐艦部隊:対空ミサイル装備、対潜装備更新はなし、

第二○駆逐隊駆逐艦『吹雪』『白雪』『初雪』『叢雲』『磯波』『浦波』

第二四駆逐隊駆逐艦『敷波』『綾波』『朝霧』『夕霧』『白雲』『天霧』

第二六駆逐隊駆逐艦『海風』『山風』『江風』『涼風』『時雨』『有明』

第二八駆逐隊駆逐艦『白露』『村雨』『五月雨』『春雨』『夕立』『夕暮』


潜水艦部隊:「はるしお」型七隻(SS583〜589)装備、残りは順次おやしお型に移行予定

第六艦隊軽巡『香取』潜水艦一五、母艦二


補助艦:

工作艦『明石』

掃海艇一〇他、

給油艦一六


基地航空隊:

FG−4戦闘機二四機

P3D対潜哨戒機六機

E2D早期警戒機六機

艦載機三一〇機


海軍陸戦隊(海兵師団長一木清直大佐)

四個大隊二〇〇〇人(元陸軍一木支隊)


陸軍

第48師団16軍司令部直属(司令部、3個連隊、1個戦車大隊、1個特科連隊その他)

第49師団16軍司令部直属(司令部、3個連隊、1個戦車大隊、1個特科連隊その他)

第50師団 師団長岡崎清三郎少将(司令部、3個連隊、1個戦車大隊、1個特科連隊その他)

第51師団 師団長原田義和少将(司令部、3個連隊、1個戦車大隊、1個特科連隊その他)

総兵力四万人

というものであった。


 この部隊の配備が完了するにおよび、旧軍の偉大さを改めて感じる日本軍将兵たちが多かったといわれる。現代日本では過剰装備であるが、これでもあの大戦時の旧軍の一部にしか過ぎないのである。いかに戦備増強に向かっていたか改めて感じさせられるとは大井の弁である。また、反軍派の政治家などは即刻廃止すべきだ、などとのたわまって失笑を買っていた。国民の方がこの地にいる日本にとっていかに軍備が必要かを理解していたといえる。


その彼らにしても、日本の船が攻撃を受け犠牲者が出たのになんら手を打たない政府には怒りの声を上げていた。少なくとも一〇人は犠牲になっていたのである。それに対する政府の反応はあまり良いものとはいえないのであった。


 この戦力はこの地での一〇国に匹敵する海軍戦力と一国に匹敵する陸軍戦力であった。もっとも、海軍力とはいっても蒸気機関は石油(重油)ではなく、石炭あるいは液化状石炭(この星では当たり前に使われている燃料の一つで石油とは組成が異なる)燃焼で、出力は大きくなく、排煙も多いものであり、性能としては日露戦争当時の軍艦よりも多少高性能という程度であった。また、陸軍はほとんどが歩兵で騎兵というのは乗馬部隊である。ために両軍ともこの地の同数の軍より上回っている。


 よく知られている話しであるが、山本五十六海軍大将と今村均陸軍中将は入魂の間柄といってよい。むろん、大井は知っており、ためにこの人事を上層部に上申していたのである。秋津島統合防衛軍には多数の嘱託の民間人がいたが、それは海軍の残した組織をそのまま受け継いでいるためである。主に秋津島へ移民した日本人によって構成されていた。


 軍人や軍艦だけで軍は動くわけではなく、このあたりの充実には今しばらく時間が必要であった。とはいえ、攻めて来る敵に対しては十分に戦える組織であったといえる。


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