第10話 家族
ギルドで今日の分の欠片を渡して稼ぎを貰う。
他の冒険者から「よ! 流石ウルフハンター!」なんて声がかかる。
そんな冒険者を、軽くあしらいギルドを出て道具屋に向かいタオルを2枚買い右腰に付けているアイテムボックスに収納する。
「その箱……? 何でも入るの……?」
「あぁ! 魔法の箱なんだ大きい物でもこの中に入るんだ」
「へぇ……すごいね……」
道具屋までの道は、いつもお世話になっている牛串のおっちゃんに教えてもらった。
宿屋に向かう前に少し国の中を散策してみたがどうやら雰囲気は中世ヨーロッパといった所だろうか。馬車や大きな建物が沢山建っていた。
それから宿屋へと向かった。
ミーシャさんに事情を説明して5銅貨上乗せでルルの今晩のご飯と明日の朝食代を払う。
「変な事をすると壁薄いから聞こえちゃうよー」とミーシャさんが言う。
「って! しませんよ!」
部屋代は一部屋なのでご飯代だけで済む形になった。
「ルルは、体も小さいし一緒のベッドでも大丈夫?」
「ベッドで寝ていいの? いつも床で寝てた……」
俺でさえ床で寝てないのに……
「俺も寝るから広くはないけど仲良くしようね」
「わかった……ありがとう……」
ちゃんとありがとうって言えるのはいい子だ!
「まだ紹介してなかったねこの黒い竜は、クロって言うんだ」
「ピュー」
「クロ……かわいい……」
「触ってもいい……?」
「いいよ大人しいから噛んだりしないよ」
ルルはクロの頭や翼手を触ったり握ったりしている。
ルルの顔がどこか優しくなっている。
クロお前は少女にもモテるんだな……いいなぁ……
ルルに俺らがしている事ここの宿にお世話になっている事など必要そうな事をあらかた話した所でそろそろご飯の時間だ!
「ルルそろそろご飯の時間だから下に行こう」
「わたしも食べていいの……?」
「当たり前だよ! 今日から仲間だよ! いや、家族だ!」
「クロもルルも仲間であり家族だ! 一緒にご飯を食べて寝て稼ぐ!」
「ね! だから行こう行こう!」
今日は干し肉と麦ご飯にスープという料理だった。
牛串に比べると少し固いが麦のご飯に合うスープは野菜具沢山で身体に良さそうな優しい味だった!
最近はミーシャさんが気を使ってくれて代金は変わらず俺のご飯とクロのご飯用に分けてくれている。
クロのお皿には麦ご飯の上に干し肉が乗っていて別のスープ皿にスープが入っている。
とても器用にクロはしっかりスープも残さず食べていた。
ルルは、ちゃんとしたものはしばらくぶりだったのだろうぺろりと完食してしまった。
俺も食べミーシャさんに「ご馳走様でした!」と伝えた。
クロも「ピューピュー」と鳴く。
ルルも俺らの真似をして少し小さな声で
「ごちそうさまでした……おいしかったです……」と言っていた。
偉い後はもう少し声が大きかったらバッチリだ。
2階に戻ると明日もウルフの討伐をする事を告げルルには水晶の欠片を拾ってもらうことに決めた。
俺とクロでウルフを倒し欠片をルルが回収。勿論ルルは戦闘が出来ないから俺らが守る。
これなら効率も下がらず寧ろ上がるんじゃないだろうか?
寝る前に「ウォーター」という魔法で出した水を濡らしたタオルをルルに渡す。
「これで顔とか身体拭いたら綺麗になるしスッキリするよ」
勿論俺は、後ろを向きルルの身体を見ないように同じ要領で身体を拭いていく後はクロの身体も拭く。
「終わったかい?」
「終わった……」
向き直りタオルを「ウォーター」で濡らし部屋の隅に置いてあったバケツにタオルを絞り汚い水を入れる。
「先に寝てていいよバケツの水捨ててくるね」
「わたしが捨てる……」
「いいよ! 疲れたでしょ横になってなよ」
俺はバケツを持って宿の裏に水を捨てるそして部屋に戻ってくる。
するとすーすーと可愛いらしい寝息が聞こえてくる。
因みにクロも寝ているルルに抱きしめられながら。俺も寝ようっと2人を起こさないようにベットに入り寝た。
明日も頑張ろう……。
宿屋で珍しく肉が出ました!
ルルのために気を使ってくれたのでしょうか!




