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人類ガバガバ保護記   作者: にっしー
札幌制圧編
9/207

世界の生体頒布を確認したら


「なるほど?つまり千年前、俺たちが寝た翌日に人類と魔族の連中による最終戦争が勃発」


「で、人間側は持てる核ミサイル全てを射出したところ魔族の連中に制御を奪われた」


「72発の核ミサイルの内6発は制御を奪うことに失敗してその内五発がロシアに、残りの一発がマレーシア半島に直撃」


「核ミサイルのせいでロシアの半分は焦土、おまけに龍脈を刺激されたせいで国境付近に巨大な山脈が隆起して陸の孤島と」


「んで残りの66発は成層圏で無事爆発、高高度核爆発のせいで地球上の全電子製品、兵器が使用不能になって文明が衰退した…と」


「その際海上で戦っていたアメリカ第六艦隊は各個撃破されて今じゃカナダからグリーンランド、グリーンランドから欧州への橋代わりか」


 管理者三名はモニターで地球の変わりようを目撃した後、ペスに管理者が眠りに就いてから何が起きたのかについて説明を受けていた。

 地球儀の前に座り、各々お茶を飲みつつ。


「はい、以上が最終戦争による被害と経過です」


「「「………はー」」」


 ズズズと三人は同時にお茶を啜り、同時に湯飲みを置いた。


「それじゃあその最終戦争から今日に至るまで何があったのか私達に説明してくれる?ペス」


 最初に口を開いたのは永村だった。


「了解しました」


 ペスはそれに答え、管理者達が座る正面のモニターへ映像を映し出した。


「最終戦争によって魔族が勝利を収めた後、各国に連絡を取る手段を喪失した人類と魔族は小さな小競り合い等を起こしつつも徐々に融和し、国によって差はあるものの概ねお互いに友好的な住人として暮らすようになっています」


 ペスは淡々と説明を続け、一旦言葉を区切った。


「また最終戦争から五百年した頃から新たな生き物も誕生し始めました」


「新たな生命?もしかしてイカが進化して地上を歩き始めたとか?」


 ペスの新たな生き物という単語にいち早く反応したのは山坂だった、即座に茶々を入れる。


「いえ、そのような生物はまだ確認されていません。 私が確認した新種の生命は多数居ますが脅威的なものを説明します、一つ目にドラゴン」


「「「ドラゴン!?」」」


 三人は同時に驚いた。


「はい、因みに名称はその見た目や行動から私が名づけました、あくまで一時的な名前ですので後日貴方がたできちんとした名称を付けてください」


 管理者達の驚きを他所に、ペスはまたしても淡々と説明を開始した。


「話が逸れました、これは最終戦争時に龍脈へ墜落した戦闘機が500年の期間を経て命を得たものと考えられます、生き物ではありますが…血管はケーブル、血は重油、飛行するときはジェットエンジンを吹かす…パイロットを必要としない生きた戦闘機とお考えください」


 画面には鱗は鋼鉄、口からではなく翼からミサイルを射出する生きた戦闘機が映し出されていた。


「主にロシアに生息し、火山などを棲家としているようです」


「「「「はえー……」」」


「次にリヴァイアサン、これもドラゴンと同じく機械に生命が宿ったものです。 こちらは空母や戦艦、駆逐艦等が元となっています」


 画面が切り替わり、背中に甲板を付けたものや高射砲、連装砲のような物が付いた巨大な海蛇が映し出される。


「リヴァイアサンの多くは太平洋に生息しています、また10年に一度ハワイに大型リヴァイアサンが近づいているのを確認しています」


「ハワイ?何の為に?」


 山坂が疑問の声を上げた。


「ハワイの現地住民と何らかの関わりがあるのではないかと想定は出来ますが詳細は不明です」


「…質問が無ければ次の説明へ行きますが」


 ペスが管理者達へ問いかけ、管理者達は手を水平にモニターへ向けどーぞ説明をしてくださいといったポーズを取る。


「次にワーム、こちらもドラゴン、リヴァイアサンと同じく機械に生命が宿ったものです、ワームは戦車等の陸上兵器が元になっています」


 さらに画面が切り替わり、全長500メートルほどの巨大な蛇のような生物が地面に穴を開けながら進む様子が映し出される。


「ワームは主にアフリカ大陸に生息、アフリカの住民はほぼワームだけと言っても過言ではない状況となっています」


「…以上が最終戦争以後発見された脅威的な生命体となります」


「なるほどねぇ…まさか寝てる間に御伽噺で聞いたような化け物が生まれてるとは」


 湯飲みに追加のお茶を注ぎながら、田崎は感心した様な顔をする。


「んじゃあペス、新種の生命については分かったけど魔族や人類に関してはどうなの?中国とかアメリカとかそういう国はどうなってるわけ?」


 お茶を啜り、和菓子を頬張りながら永村がペスへ問いかけた。


「最終戦争後、中国全土、並びに欧州を魔族が占拠、現在は広大な領土を4体の魔族が統治している模様です」


「ん?欧州と中国だけ?確かアフリカ大陸も地続きだったよね?」


 バリバリと煎餅を砕きながら、山坂が問いかける。


「はい、アフリカ大陸と中国大陸は地続きですが最終戦争後ワームがいち早く繁殖し制圧を諦めた模様です」


「はー…なるほどねぇ、ワームってそんな強いのか…」


「続いてアメリカ大陸ですが人類と魔族が融和し北米、中米、南米の州ををそれぞれ3名の統領が統括している模様です、ロシアに関してですが核ミサイル着弾後龍脈が刺激され山脈が隆起、火山活動も確認されており千年前のロシアとは様変わりしています」


 モニターにはアメリカ大陸、続いてユーラシア大陸が拡大された。


「現地住民はドラゴンを神と崇め、荒廃した生活を送っている模様です」


「さながら世紀末生活か…楽しそうだな」


 田崎が都合4杯目のお茶を注ぎながら言った。


「「えぇ…ないわー」」


「残りはオーストラリア大陸、グリーンランド、日本、ハワイですがオーストラリア大陸は現在霊力によって進化した野生動物が治めているようです。 グリーンランドに関しては極寒の地と化し生存している生命体は確認できません」


 続いてモニターにはオーストラリア大陸が拡大される。


「日本は魔族と融和し穏やかに生活をしている模様です、特に決まった治世形態は無く北海道や本州等に一つずつ巨大な街があるようです。 ハワイに関してですが、人間と魔族のハーフが治める国の模様、特に半人半魚の魔族が多く──」


「何! 人魚!? まじで!? めっちゃシコれる!! 画像見せて画像!!」


 ペスの説明の途中に山坂が異常に食いつき、画像を要求する。


「了解しました、画像をモニターに映します」


 画面が切り替わるとハワイが映し出され、徐々に拡大されていく。

 集落のような部分が映し出されると下半身が魚、上半身が美女のまさしく人魚と言った存在が映し出される。


「お、オォ………生きてて良かった……今日はこれでめっちゃシコれる…」


 山坂は感涙し。


「「えぇ……(困惑)」」


 残りの二人はドン引きしていた。

暇つぶしで書いているので投稿ペースは不定期です

次:侵略場所を決めたら投稿します

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