今すぐご神木様の倒し方を思いついたら
バシィン!バシィン!!という、重厚な根が金属を叩く音が響く。
転倒した戦車は装甲を砕かれ、中央の炉心部分が露出するまでとなっていた。
「うーむ…あれだけ大口を叩いておきながらこの結末とは…」
その戦いを社を守る根の隙間から見ていた私は思った。
やっぱりご神木様はこの村の守り神なんだ…!と頑張れご神木様!と。
そして、根が戦車を覆い四方八方に引っ張り始めました。
そのまま戦車を八つ裂きにするのだろうと思ったとき、突然覆っていた根に火が灯りました。
「ぬぅ!」
という短いご神木様の悲鳴と共に、くぐもった声のようなものが聞こえてきました。
「…損傷率が7割を超えました、機密保持の為霊力炉心をメルトダウン、周囲の人類は退避してください、爆発まであと5秒。 繰り返します──」
その音が響いた時、ご神木様の根が覆っていた戦車を放り投げようとし──
カッ!という音と共に物凄い爆音と爆風、爆炎が私を襲いました。
社は強風で揺れ、炎は社を守る根を焼きました。
私は暴れそうになる馬を宥めながら目を閉じ祈りました、どうかご神木様と私達をお守りください──
その祈りが通じたのか私が再び目を開けた時、社のあちこちは爆風で壊れていましたが建物が潰れるほどではなく──
また社を守っていたご神木様の根も無事でした、その根はスルスルと地面へ戻っていき戦いが終わったことを告げていました。
私は外に出てその戦いの場となった場所を見ました。
ご神木様の前、50mほど先のところに大きな穴が開き先ほどの戦車の残骸と思われるような物が転がり。
周囲の木々は爆風と爆炎で軒並み倒れていました。
「……今のは少々焦った、まさか諸共の自爆を行うとは。 しかしこれでとりあえずの脅威は去った…村の皆という犠牲は大きかったがまずは生き残れたことを祝おう」
外に出た私が聞いたのは、ご神木様の声でした。
良かった…無事だったんですね、ご神木様。
「……これから、皆のお墓を作りにいかなきゃいけませんね」
と私は少し涙を流しながら、ご神木様を見上げたその時──
ザザ ザザザ──
ザザザザザザザ
という音が響き、私は振り返った。
バチバチという音と共に、丁度先ほど戦車が居た場所の真上辺りに白い閃光のようなものが走り始めました。
「空間座標の固定を確認、転送を開始します」
その声のようなものが響くと同時に、空が閃光を放った。
「巨大戦車、出撃」
ドゴオオオオオオオオオオオン!という何か重量物が落ちるような音と同時に、着地の衝撃で私の身は吹き飛ばされました。
痛みに耐えながら起き上がり目を開いた先には──
先ほどとは違う形の、巨大な人型の戦車が立っていました。
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「一機、やらせてもらってよかですかぁ!?」
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暇つぶしで書いてるので更新頻度は以下略です
次:ティミーになったら投稿します