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人類ガバガバ保護記   作者: にっしー
中国編
196/207

命知らず/Dare Devil

https://www.youtube.com/watch?v=Vz2Hn99BO3o

【P5S】Daredevil (歌詞・日本語訳字幕あり)【MAD】【ペルソナ5 スクランブル ザ ファントム ストライカーズ】

MD215年 11/26 08:00


 朝。

 世界が静けさから賑わいを取り戻す時間帯である。

 だが、中国国内は異様な静けさを保っていた。


「……待ちくたびれたなぁ」


「まだあれからたったの四日しか経っていませんよグラーバ」


「しかしのう、三日も筋トレをサボっているとワシの美しい肉体美が崩れてしまう」


「あなたの筋トレは周囲の迷惑になるので、ここでは我慢してくださいね」


 彼らが居る万里の長城周辺にはマンジェニの攻撃から逃れた魔族達が集まっていたが、彼らは皆一様に声を潜めていた。

 原因は今会話している男、長老級魔族クレケンズとグラーバのせいである。

 二人は穏やかに会話をしているつもりであるが、内に秘めている霊力の圧倒的な差が一般的な魔族から崇敬と恐れを集めていた。


「お前がそう言うならもう暫く待つが……ワシが辛抱強く無いのは分かっておるんだろうな?」


「分かってますよグラーバ、彼らが準備を開始したのは知っています……其の内宇宙から降りて攻めてくるでしょう」


 クレケンズはそう言うと、モノクルの位置を右手で直した。

 彼の視線の先にはうっすらと見える黄金色の山……黄龍が映っていた。


「私も楽しみですよ、一体どういう攻め方をしてくるのかがね」


「うむ、ワシも……ん?」


 まず、最初に彼らのざわめきに気づいたのはグラーバだった。

 長城の下で野営をしている人民達が一斉に空を見上げていた。

 魔族達の中には飛び上がり、空にあるそれを指差す者も居る。


「何だ……? 上か?」


「はっはっはっはっは! 成程成程!」


 空を見て、クレケンズは笑い始めた。


「ど、どうしたクレケンズ?」


「いやいや……少々想定外だったので思わず笑ってしまいました」


「どういうことだ?」


「彼らが攻めてきましたよ──文字通りの宇宙から!」


 そう言うクレケンズと共に顔を上げたグラーバは、視線の先で興味深いものを見つけた。

 赤熱したまま宇宙から飛来する隕石を。

 それを見ている二人は、同時に口角を上げた。


────────────────────────────────────────


「いいいいいいいいいいいいいいいやっほおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」


 男は叫んでいた。

 巨大な隕石を地球へ向けて落としながら。


「まぁカムサの起動準備をした段階で地球の被害はどうでも良いけどさぁ──」


 隕石を押すマンジェニの中で、山坂と永村の顔が映っていた。


「だからって本当に地球に隕石落とすかなぁ君等……」


「ワハハハ、もう関係ねえ! 売られた喧嘩は利子付けて買ってやるのが正義ってもんよ、なぁ田崎!」


「あぁ、皆殺しタイムだ!」


「別にいいけどさぁ……とりあえず先陣は任せたよ、着弾確認後こっちも出撃する」


「あいよぉ!」


 そう言って通信を切ろうとする永村に、田崎は声を掛けた。


「あ、ちょっと待った」


「何?」


「楽しくやろうぜ」


「もちろん、信じてるよ二人とも」


 そう言って、永村は通信を切った。

 少しだけ気恥ずかしそうな永村の顔に、田崎と山坂は少しだけ顔を見合わせると笑いあった。


「じゃあな山坂、後は任せたぞ」


「おう、精々俺の為に五百年分時間を稼いでくれや」


「任されたぁ!」


 田崎の叫びに、自らよりも更に巨大な隕石を押すマンジェニが応える。

 宇宙空間をまるで地面を蹴る様に触手の足で蹴る。

 その足は空気のない空間を力強く蹴り上げ、隕石は更に落下速度を上げた。


「地球を粉々にしてやらぁーー!」


────────────────────────────────────────


 徐々に迫る隕石を前に、中国国内は混乱していた。

 子供の手を引き逃げようとする魔族や、弓を持ち長城へと登っていく者。

 何れにせよ彼らの行動は全くの無意味であった。

 およその直径が五キロを大きく超えるそれが落下すれば、中国どころか地球そのものが舞い上がった土砂で晴れることのない氷河期を迎えるだろう。

 そんな状況下で笑うものが二人居た。


「あれはまだ熱圏の辺りでしょうが……その段階で我々に影を落とすとはかなりの大きさですね」


「ガッハハハハ! 敵も派手にやるのう!」


「ですねぇ、こんな頭の可笑しい方法を考えるのは十中八九彼でしょうね……相変わらず楽しませてくれます」


「おうともさ、ならこちらも頭のおかしい方法で返礼してやらなければなぁ!」


「お任せしましょう」


 グラーバはそう叫ぶと屈み、両足に力を込めて飛んだ。

 最初は目の前の荒野へ飛んでいくが、その最中に彼はとある魔法を自らに掛けた。

 その魔法の結果はすぐに現れた。

 巨大化……グラーバのそのミノタウロスの肉体はすぐに10メートルを超え……どんどん巨大になっていく。

 そしてその笑い声もまた大きさを増した。


「グゥワッハハハハハ! でぇは、いくぞぉーー!」


 無人の荒野でグラーバは豪快に笑うと、地面を蹴り舞い上がった。

 グラーバはグングンと上昇していき、大気圏を超え……直ぐに隕石へと接近した。


「ワシの肉体美は、世界イチィィィィィィィィーーーーー!」


 空気との摩擦熱で赤化した拳を隕石へ叩きつけると、グラーバはそのまま隕石を殴り続け破壊し始める。

 その連撃に、巨大な隕石に徐々に亀裂が入り始めた。


「ガハハ、石ころ程度何するもの────」


 隕石全体に大きな亀裂が入り、あと少しでそれが壊れるといったタイミングで隕石は自ら瓦解した。

 否、隕石の向こう側から勝手に割れたのだ。


「お初にお目にかかる、そしてこれがお前の最後だ!」


 そして彼は食われた。

 隕石の後方から現れた骸骨の顎がグラーバの頭部を貪った。

 

「グラーバ……!」


 ゆっくりと、ミノタウロスの巨体が隕石と共に無軌道に落下を始めた。

 力なく頭部があった場所から鮮血を迸らせながら。

 だが同時に隕石もグラーバの攻撃によって小さな破片へと砕け散りながら落下していく。


「くたばりやがれーーーーっ!」


 その光景にクレケンズはやれやれと頭を横に振った。


「やれやれ……千年前よりは頭を使ったようですが、それでも我々を甘く見すぎですね」


 クレケンズはそう言うと、右手の指先に青の霊力を少しだけ集中させ呪文を唱えた。


「嘘はかならず我が身に戻る、受け止め方に注意しなさい山坂君……」


 遠くに見える隕石の破片を指で全てなぞると、その指を頭上で円を描くように二、三度回転させた。

 すると破片はその指の動きに従う様に動き始める。


「ブーメラン/Boomerang」


 そうして、その回転させていた指をうっすらと見える月へ向けて指し示すと破片達は時が巻き戻るかのように高速で月へ向かって飛んでいくのだった。

 あわや月に再び合体した隕石が衝突すると言った瞬間、隕石は月をすり抜けていった。


「…………おやおや?」


 クレケンズが首を傾げると同時、落下音が三つ鳴った。

 上空から頭部を失ったグラーバと隕石とは一緒に月へ吹き飛ばなかったマンジェニ。

 そして……。


「全く、私が居なかったら普通にエクィローに隕石直撃してたじゃないか田崎君」


「悪い悪い、お前が何とかしてくれると思ってたんでな」


「信頼には答えるけど信用しすぎは禁物だよぉ?」


 頭部に天使の輪を浮かべる、現実の王マンジェニが其処に君臨していた。

 マンジェニの周囲は空間が捻じれており、その中から日本とアメリカ大陸の兵士達が現れていた。


「それじゃあ永村ぁ……」


「あぁ、ゴミ掃除と行こうか」



地球を壊すつもりで戦うので初投稿です

P5S・・面白かったよ・・!

いいよね、AIが心を手に入れる瞬間!僕も大好きだ!


自然の怒り、グラーバ/GGGGRRRR


伝説のクリーチャー:ミノタウロス

速攻 トランプル 到達

G:自然の怒り、グラーバはターン終了時まで+3/+3修正を受ける

GG:自然の怒り、グラーバを再生する

R:自然の怒り、グラーバは対象のプレイヤーかクリーチャーかプレインズウォーカーに3点のダメージを与える

RR;基本でない土地一つを対象とし、それを破壊する


10/10


「自然、サイコーーー! 文明、サイテーーーー!!」

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