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人類ガバガバ保護記   作者: にっしー
ロシア編
177/207

凶鳥

https://www.youtube.com/watch?v=tZmPRMw2t6E

RanceX OST 21 - 不穏な気配

MD215年 11/22 10:33


「凶鳥……!!」


 ゆっくりと、ロシアの上空に黒い鳥が優雅な巨体を浮かべていた。

 芽衣子はターモを胸元に抱いたまま、信じられないものを見るような目で空を見上げながら呟いた。


「ウ……オオキ、イ」


 それは信じられないほどの巨体だった。

 先ほどまで空を爛々と照らしていた太陽を完全に覆い隠し、その真下に夜を作り出していた。

 かろうじてその『夜』の外に居た二人は、それをただ見上げる事しかできなかった。


「な、何故凶鳥がこんな所に……あぁいや、その前に虎牙じゃ! ターモ、虎牙を見たかの?」


「ウ」


 芽衣子は先ほどまで凶鳥が埋まっていた場所へ向けて目線を向けるが、其処には巨大な陥没孔が出来ているだけで他には何も存在しなかった。

 そしてそれを肯定する様に、ターモは指先を凶鳥へと向けた。


「上って……まさか、凶鳥の上に乗っておるのか!?」


「でしょうねぇ」


 と、くぐもった声が聞こえてきた。

 その声は芽衣子達よりも更に下、地面の中から聞こえてきた。


「その声は……」


「ミーですよ、ミー!」


「おぉ、イボンコか! お主も無事だったんじゃな」


 地面の泥の中に半分ほど埋まっているイボンコを掘り出すと、芽衣子はイボンコの脳を包んでいる瓶を三度程叩いた。


「どなたかがミーを放り出した時はジエンドかと思いましたが何とかアライブしてまーす」


「いやぁすまんすまん、これでやっと帰れると思ったらついのう……じゃが」


 申し訳なさそうに顔を横に背けると、芽衣子は再び上空を見た。


「まだ暫くは帰れ無さそうじゃな」


「…………」


 芽衣子の視線を追ったのか、イボンコは凶鳥を見ると黙り込んだ。


「……イボンコ?」


「ΔΓ¶ΘΛΞΒ§──」


「おわ、なんじゃっ!? 落とした衝撃で壊れたかの!?」


 首を傾げる芽衣子に、イボンコは突然高音で何かを発し始めた。

 驚いてイボンコを地面に落下させる芽衣子だが、イボンコは構わず単語を発し続ける。


「ウ、コワ、ス?」


「いや、むしろ儂が壊したかもしれん……ん!?」


 ターモが腕の棘を伸ばしイボンコに向けるのを芽衣子が制止していると、突然上空から一条の光がイボンコへと差した。

 光が差すと、地面に埋まったイボンコが少しずつ浮かび上がり始めた。


「おぉ!? な、なんじゃあ!?」


 光は、凶鳥から出ていた。

 その光に包まれながらイボンコはゆっくりと凶鳥へと向かっていく。


「ウカ、ブ?」


「イボンコを攫うつもりか! えぇい、渡すものかー! とぉう!」


 芽衣子は浮かび上がっていくイボンコを地面に落下させようと、ジャンプして飛びつく。

 がしかし、彼女の体重でもイボンコはびくともせず浮かび上がっていく。


「た、ターモ! お主も地面から引っ張ってくれ!」


 芽衣子は尻尾を伸ばすと、ターモにそれを掴ませる。


「ウ、ヒッパ、ル!」


「ぎゃーー! 痛い痛い! 千切れるーー! やっぱり離すんじゃーー!」


「ウ、ハナ、ス!」


「ぎゃー! やっぱり離しちゃ駄目じゃー!」


 ターモが尻尾を掴んだ瞬間、強烈な握力が芽衣子を襲った。

 掌に生えた無数の棘が尻尾に刺さり、芽衣子は直ぐにターモを振りほどくがその勢いのせいかイボンコは一気に芽衣子ごと上昇していった。


「わーー! わ、儂どうなるんじゃこれー!」


「バイ、バイ?」


 浮かび上がっていく一人と一つに、ターモは右手を軽く振る。

 そうして、そのまま芽衣子とイボンコは凶鳥へと吸い込まれていく。


「ウ? ウ、イテ、ル?」


 二人が吸い込まれた後、凶鳥から再び光がターモへと降り注ぎ……ターモも凶鳥の中へと吸い込まれていった。

 


今回はちょっと短めなので初投稿です


凶鳥への搭乗   1白


ソーサリー


あなたのライブラリーを上から五枚見て、その中にある伝説のクリーチャー一枚を公開して手札に加える。

残りのカードを貴方の望む順番でライブラリーの下に置く。


それに乗る名誉は命よりも重い。

────最後のロボット、レイジ

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