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人類ガバガバ保護記   作者: にっしー
札幌制圧編
14/207

斥候を送り出したら

MD215年 4月23日 PM14:55


「おーし、着いたぞ…ここがご待望の市庁舎だ。」


 南大通の商人の客引きを回避しつつ、アデルとアレーラの二人は市庁舎の前へと辿り着いた。

 戦争以前に立てられていたビルと呼ばれる建物をそのまま使っているらしく、その建物はとても高かった。

 アデル曰く19階まであるらしく、市長の部屋はその最上階にあるのだとか。

 出入り口と思われる場所には槍を持った二人の兵士が立っていた。


「で、着いたわけだが…どう、入れそう?」


「は、入ろうと思えばばば……。」


「声が震えてるじゃねーか!槍持った兵士見ただけで怯えるとかどんだけ平和な場所で暮らしてたんだよ!」


「ち、違いますこれはあれですよ…ちょっと知らない人に話しかける勇気を引っ張り出すために体が震えているだけです!」

「い、行きます!」


 アレーラはそう言うと、一人市庁舎の入り口へと走り出す。


「あ、おい馬鹿!」


 アデルは走り出すアレーラを静止しようと右手を伸ばすが、アレーラを捕まえられずそのまま見送ってしまう。


「いやー…凄い行動力だな……って見てる場合か俺!面倒ごとは不味い!あれはどう見ても市庁舎へ特攻決めに行くキチガイにしか見えない!」

「おい、待て!待てアレーラ!」


 アデルもそのままアレーラへ向けて走り出す。


「う、うおおおおわあああ!市長さあああああああん!」


 大声を上げながら、市庁舎へと突撃していくアレーラ。


「暗殺者か!?止まれ!止まらない場合は…!」


 それを見て即座に槍を構える兵士達。


「ストップ!ストーーーップ!!」


 怒涛の勢いでアレーラを追い越し、アレーラと兵士達の間に割ってはいるアデル。



──────────────────────────────


「えー…というわけでして、是非市長にお目通りをと思いまして…へへ。」


 その後二人は兵士達に取り押さえられ、中央区の衛兵詰め所の取調室で取調べを受けていた。


「そ、そうなんです!私の村のご神木様がこの街の市長に会えって…それで!」


「…それで市長に会うために奇声を上げながら市庁舎へ走り寄ったと?常識を知らないにも程がある!」


 ダン!と取調べを受け持っていたリザードマンの男が右腕で机を叩いた。


「い、いやーすいません…こいつ田舎から出てきたばっかりでして…いやほんと俺がよく言って聞かせますんで…」


「大体君も君だ、この街を守る衛兵として責任感に欠けているんじゃないか?こんな無謀なことを看過するなど…。」

「これは君の上司への責任問題にも繋がるのだよ、分かっているのかね?」


「あー…それは…、はい…」


 下手に出て誤魔化そうとしたアデルだが、逆に自分の責任を追及され押し黙ってしまう。

 そしてリザードマンは立ち上がり。


「兎も角、この件は君の上司にも報告させてもらう!少し牢の中で頭を冷やしておけ!」


 と言い残し部屋から退出する。


入り口を固めていた兵士達はアレーラとアデルの腕を掴み上げ、無理やり立たせる。


「え、嘘!?マジすか!?マジで!?」


「ぬふふ、マジマジ大本気じゃ、サジマジバーツじゃ」


 という声と共に取調室の扉が開き、ナーガの女性が入室してくる。

 その背後には先ほど取調べをしていたリザードマンも居る。

 ナーガの女性が入室してくると同時に二人の腕を掴んでいた兵士達は腕から手を離し、敬礼のポーズを取る。


「ほ~う…こりゃまた間抜けそうな顔した男じゃな…で、お主が儂に用事があるとかいう者かえ?」


「誰が間抜けそうな顔だ!って…げぇっ!市長!………様。」


「今取って付けたように様って言わなかったかえ?」


「いえ、滅相もございません市長様。」

「後俺じゃなくて隣の女の方です市長様に用事があるのは。」


 ナーガの女性はアデルの顔を覗き込み、アデルが反論する。

 アデルの市長という単語にアレーラは驚きの表情をし、市長と呼ばれた女性へ声を掛けた。


「あ、あの…!貴方が、そのサツホロの市長さん、ですか?」


 アデルの顔を覗き込んでいた顔を横に向け、アレーラの顔を覗き込む市長。


「うむ、如何にもクラーケンにも、儂がこのサツホロの市長にして白蛇の巫女、芽衣子めいこ様じゃが?」


 芽衣子はそう言うと自らの胸を張り、何時褒め称えられてもいいようなポーズを取る。


「え?く、クラーケン?巫女…?」


「して、お主の問いに答えた故に次は儂が問う番よ、おぬしは何者で何を儂に求めて来た?」


 アレーラの疑問には答えず、次は自らの番だとアレーラへと問う芽衣子。


「あ、えっと…はい!私、アレーラ・クシスと言います!オシマンベの村から来ました、市長さんに何を求めてとかではなくて…。」

「私の村が化け物に襲われて…ご神木様もその化け物に……それで、ご神木様からサツホロの市長にこの事を伝えてくれと言われたので…。」


 芽衣子はアレーラの口からオシマンベの村、ご神木という単語が出た瞬間に真面目な顔になる。


「…ほう、オシマンベの村からか。」

「それに化け物?そしてあの神木が倒されたと?」

「ふーむ、そりゃつまり救援要請ってことかえ?うーむ…執務をサボれると思って来たんじゃがどうやら大分面倒事の話だったらしいの…」


 そう言うとアレーラの顔を覗き込むのを止め、芽衣子は先ほどリザードマンが座っていた椅子へと腰掛ける。

 腰掛けるというよりは巻きつきながら乗ると言った感じだが。


「ま、お主たちも座るが良い、神木が倒されたとあったのなら儂も話を聞かぬわけにはいくまい。」

「あの木には200年ほど前から世話になっておったからの。」

「それと其処の二人以外は退出して良いぞ?邪魔じゃからの、あぁ部屋の外に護衛を二人はつけておくようにな?」


 とアレーラとアデルに着席を促し、リザードマンと残りの兵士へ退出するように言う。


「しかし…その女の素性が本当かどうかもわからないのにそのような…!」


「市長権限じゃ、細かいこと言うとらんとさっさと退出せい。」


「ぬ、ぐ…了解しました。しかし何かあればすぐに…。」


「はいはい分かっておる分かっておる、ちょっと固すぎるぞヴィーア。」


「…性分ですので、では失礼します。」


 という一連の会話が終わるとヴィーアと呼ばれたリザードマン、残りの兵士二人が部屋から退出していった。  


「さ、それでは色々聞かせてもらおうかの?その化け物とやらについて、色々とな?」


 芽衣子はアデルとアレーラに笑顔を向け、自らの疑問を解決するために質問という名の取調べを行うのだった。

暇つぶしで書いているので以下略、此処見てる人は果たしているんですかね?

次:人間サイズの蟻が機械と戦ったら投稿します

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