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人類ガバガバ保護記   作者: にっしー
札幌制圧編
10/207

侵略先を決めたら

西暦 3415年 3月2日


「いやーすまんすまん、千年ぶりの慰め行為に勤しんでしまった、因みに沢山出ました」


「いや聞いてねえから」


「あのさぁ…」


 メインルームへの自動扉を開け、艶々の笑顔を二人に振りまきながら山坂は登場した、二人は呆れるばかりだ。

 あの後山坂は魔族の女性の映像を集め、そのデータを持って一人部屋へと走り去ったのだ。


「ところで俺等に何か言う事ないのお前」


 田崎の言葉には怒気が含まれていた、当然のことだとは思う。


 その言葉に山坂は右手を何かを掴んでいるようなモーションを取りながら右耳の方へ持っていき。


「SORRY,悪いが聞こえないよ、耳にバナ──」


 山坂の台詞を全て聞く前に田崎が山坂の胸倉を左手で掴み、右手を振り上げる。


「嘘嘘冗談ですすいませんでした!もうしません! ……多分」


「今多分って言ったか?」


「いえそのような事は決して…はい」


「と、ところで俺があれから抜けてから結局どうする運びになったんだ?後いい加減離していただけませんか…」


 山坂はこのままでは不味いと思い、話題を切り替えることにした。


「それについては私から話そうかな、ほら田崎、いい加減離してあげなよ」


 永村に言われ田崎は山坂を離す、山坂は助かった…というような表情を浮かべながら永村に感謝のポーズを取っていた。

 その後三人はメインルームの3人用の椅子へ腰掛ける。

 椅子の中央には丸テーブルがあり其処には三人分の湯のみと急須、お茶菓子が載っていた。


「それでこれからの方針についてだけど…まず衛星で地球上の魔族の戦力分析を行ってみた」


 永村は茶菓子に手を出しながら、説明を開始した。


「結果として言うならこの地球上には僕らに敵う戦力の敵は存在しない、ペスが名づけたドラゴンやリヴァイアサン、そいつらの最大サイズは大きく見積もって7や8だったからね」


 永村の言葉を聞き、少し考えた素振りをした後山坂が問い返した。


「都市部に集まってる連中は平均して2や1だったし…」


「悪い、その1とか2ってなんだっけ? どーっかで聞き覚えはあるんだけど思い出せないんだよなぁ…ってわけで説明頼むわ」


「えー…しょーがないなー山坂太君はー」


 ドラ〇もんが子供に教えるように、少し小馬鹿にした態度で永村は説明を始める。


「この1とか2ってのは概算的な力のことだよ、1は小銃を持った人間並み、2は野生の熊並み、3は野生の象並み」


 永村は自らの掌の上に、青いホログラフを産み出す。


「で、4が戦車並み、5が戦闘機並み、6以降は何か特別な理由によって付く数値」


 最初は人間、熊、象、戦車、戦闘機……と多種多様だ。


「因みにこれは攻撃や防御に当てはめる数値だから5/5の敵が居たら戦闘機並みの攻撃力と防御力、もしくはそれに順ずる速さを持ってるってことになるね」


 そのホログラフは掌の上で、人間とクマとに分かれて戦い合う。

 当然、人間は熊に敗れ、食われていく。


「後これはあくまで概算だから数値がどんなに小さくても敵が持ってる能力で、この数値はひっくり返ったりするから信じすぎないようにね」


「あー、そういやありましたねそんなの! 冬眠前のレクチャー軽く流してたからなぁ…白鳥白鳥」


 山坂は永村へ両手をひらひらさせながら言った


「白鳥?」


「スワンスワン、すまんって言いたいんでしょ」


 田崎が自分用の湯飲みに急須からお茶を入れながら言った。


「あぁ、なるほどねー…」


 永村は感心したような素振りをしながら、自分もお茶を湯飲みへ入れ始める。


「とりあえず話の腰折って悪かったな、んでとりあえずドラゴンやらリヴァイアサンがでっかいのが居て都市部には熊並みの戦力しか居ないのが分かって?どうするって?」


「うん、それで私の考えとしては三神を起動させて一気に地上制圧を計ろうと思ってるんだけど…それには田崎が反対みたいで君の考えが聞きたかったんだ」


 永村の三神という言葉に、田崎がお茶を飲んでいた動きを止める。


「俺としてはよー、三神を即起動して地上制圧なんてつまらないと思うんだよなー」


 そして湯呑を机に置き、トントンと指で机をたたき始めた。


「だってよー、あれが全部同時起動したら一ヶ月此処でモニター見てるだけで全部終わるんだぜ? つまんなくね? どうせなら自分の手でゴミ掃除して遊びたいだろ」


そう言うとまた湯飲みからお茶を飲みだす


「うーむ…確かにそれは僕的にもつまんないな…三神は機能戦力見た目全てが美しいけど遊びとしてはつまらん…」


 田崎の説明に納得したのか、山坂も椅子の背もたれに寄り掛かった。


「例えるならいきなり出す切り札みたいな…先手必勝で宣戦布告無しで撃つ核ミサイルみたいな…そして僕もゲームはしたい」


 山坂は腕組しながらうんうんと頷く。


「永村はどうなん?遊びたくは無いの?」


 山坂は永村へ視線を向け、答えを待つ。


「いやー私は別にどっちでも、勝てればいいしなぁ…その過程で楽しいならそれでいいし? あくまで仕事だからさっさと終わらせた方がよくない? って意味での起動した方がいいって提案だし」


「ふむ…つまり結論としては俺たち全員楽しければそれでいいって事か。 だったら話は早い、管理者会議第一のお題、三神の起動はNOの奴は挙手!」


 山坂は右腕を真上に上げる。


「賛成ー」


「消極的さんせ~い」


 田崎、永村も座りながら右手を上げた。


「では次の議題です、地上のゴミ掃除はエクィロー内部にある工廠こうしょうで僕達が一人一機ずつ兵器作ってそれを使うとして」


 山坂と田崎が椅子に座りなおし、山坂が新しい議題を上げた


「何処から手始めに掃除する?後出撃する順番」


「やっぱ攻めるならまずは地盤固めの意味もあるし小さい島国とかじゃね?」


 田崎が丸テーブルを指で叩くと、机の上に昨日見た世界地図が浮かび上がる。

 田崎はその世界地図の島国、ハワイや日本を指で指し示した。


「ハワイは駄目だ!!昨日抜いたから!余韻がまだ残ってるの!!忘れた頃ならいいよ」


 山坂が机を両手で叩き、熱弁を振るう。


「じゃあ日本? まあ潰しやすそうではあるよね、後龍脈豊かだし潰し甲斐もありそう。 北海道とか本州から離れてて援軍呼ばれる心配とか無さそうだしお手ごろそうだね」


 永村が指で日本、その北端の北海道を指し示す。


「北海道か…いいねぇ!」


「同じく俺もいいと思うぞ、食い物美味いしなあそこ」


 田崎と永村がお互いに頷きあう。


「いや私達は食べ歩きに行くわけじゃないでしょ…じゃあ第二回管理者会議の議題、侵略先は日本の北海道、賛成の人は挙手ねー」


 永村はそう言うと自分の右手を座りながら上げ、残りの二人もそれに続いた。


「よし、決まったな!北海道侵攻かー、楽しみだなーおい!」


「まあ僕は自分が作った兵器で遊べればいいんだけど…ってそういや順番決めてなくない?」


「そういえばそうだね、もうめんどくさいからじゃんけんでよくない?勝った順番で決めよう」


 永村がそう言うと二人も頷き。


「さーいしょーはグー!じゃーんけーん!」


 こうして、三名の管理者は魔族虐殺の為の順番を決めあうのだった。

暇つぶしで書いているので投稿ペースは不定期です

次:ご神木様が死んで三日経ったら投稿します

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