破滅ゲーム
目次
1章・破滅ゲーム実行
2章・1つ目のゲーム
3章・2つ目のゲーム
4章・3つ目のゲーム
5章・4つ目のゲーム
6章・ボーナスステージ
7章・終わりの始まり
8章・小池照太
9章・人類破滅計画
10章・侵入
最終章・戦い
「円堂大介」
穏やかな性格。 23歳
「松本赤莉」
そろばん5段。気が強い 23歳
「田中啓戸」
柔道3段。短気な性格。 23歳
「ガイコツ」
謎の人物。ゲームを実行した人物だと考られる
1章・破滅ゲーム実行
「ガイコツ様、出来ました、準備が…」
「よろしい…これより、日本全50店舗でのレストランで、破滅ゲームを実行に移す」
「2010年1月1日午前11時30分」
田中の家で、松本が円堂に言った。
「今日、新しく開店する、「ツメハ」っていうレストランで昼食食べにいかない?中でも、今注目されているアースクリエイターっていう会社が経営してるんだって」
いきなり松本がそう言うと、円堂が言った。
「いいね、なぁ、空野たちも誘わない?」
「OK,じゃぁ、掛けてみるね」
松本はそう言うと、トイレの方へと走っていた。
あれからしばらくして、松本が帰ってきた。
「どうだった?」
田中は聞いた、しかし、残念そうに松本は言った。
「かけても留守電だった、3回ぐらいかけても…」
「…わかった、俺達で行こう。じゃぁ今日の1時ね、じゃ」
田中はそういうと、帰って行った。
「わたしも…お邪魔しました」
そう言って、みんなと別れた。
そして今、「ツメハ」に来た訳だ。
今は午後1時12分。
自動ドアを開け、テーブルの椅子へと座った。
松本と田中を待っている。
変な所だ。昼間なのに窓を閉めて電気をつけているし、さっき注文したハンバーグが、まだ来ない。もう40分ぐらいは経っているはず…。
あれから1時間、ハンバーグも松本たちも来ない、その時だ。電気が消え、真っ暗となった。
「どうした?」
「なんだ?」
「何が起こったんだ?」
中は大混乱となった。
「レストランで停電なんてあるのか?」
円堂は不思議そうにそう言った。
画面から骸骨のマスクをかぶった人物がこう言った。
「ようこそツメハへ」
不気味な声が流れた
「私がこのレストランを管理するガイコツです」
続けた。
「今からゲームを始めます。ゲームは5つ行います。1つ目のゲームは「死の椅子取りゲーム」、2つ目は「リアル鬼ごっこ」、3つ目は「死のかくれんぼ」、4つ目のゲームは「闇のアスレチック」、そして最後のゲームは・・・それは4つのゲームをクリアした方のみお答えします。なお、質問は一切受け付けません」
円堂はただ呆然と立っていた。
「ふざけんじゃねぇ!!」
「聞いてねぇよ!!」
「冗談言うんじゃねぇ!電気…早くつけろや!!」
周りからのざわざわ声がやまなかった。
「何の騒ぎ?」
松本が自動ドアを開け、入ってきた。
「何事だ?」
その後ろから田中も入ってきた。
「松本、田中!」
「ごめんね…遅れちゃって…」
「別にいいよ、それより大変だ」
「5つのゲームをしますって、1つ目は死の椅子取りゲーム・・だっけ?で、2つ目は何とか鬼ごっこ…で」
「やはりこのレストラン、何かおかしい、早くここから出よう!」
円堂に言われ、田中はドアの近くへ行った。
「無理にここからでない方がいいと思う」
松本はそういうと、田中を引っ張った。
「ちっ、わかったよ…」
2人の黒服が、ドアに鍵を閉めた。
「てんめぇ、なにをする!!」
一人の不良が、黒服2人反抗しに行った。
「さっさとドアを……」
不良は天井からの電気ショックをくらい、死んでしまった。
「ひどい!!」
松本は叫んだ。
「ケータイ…使えないのかなぁ?」
松本はそういうと、ケータイで「110」と打った。
しかし掛からない。
「やっぱダメ…」
松本はそう言うと、悔しそうにケータイを閉じ、ポケットにしまった。
しばらくすると、画面から骸骨のマスクをかぶった人物がこう言った。
「もちろん5つのゲームをクリアした方のみ脱出できます」
電気がついた、椅子が50台ぐらいある。
「1つ目のゲームは、椅子取りゲームをします。もちろん、椅子から外れた方は、死んでもらいます」
中は静まり返った。
「その前に、お子様はお預かりします」
黒服は、子供たち10人を預かった。
「では、1つ目のゲームを始めます」
2章・1つ目のゲーム
「先ほど言った通り、死の椅子取りゲームをしてください。ただし、一人分の椅子はありません。椅子に座ることができなかった方は、死んでもらいます。なお、ルールを破ったり、反抗したりする方も同じです。みなさん、位置へと付いてください」
皆は言われるがままに行動した。
では、音楽を流します。
ついに音楽が流れた、不気味な音楽だ。
椅子の周りを回っていく。
1―――5――8
円堂は真っ先に椅子へと飛び乗った。
「セッ・・・セーフ・・・」
円堂は焦りながら言った。
松本や田中は!?
・・・・・大丈夫だ。
「危なかったねぇ」
松本は2人に言った。
「あっ・・ああ」
田中だ。
「きゃぁ、やめてぇ、放してよぉ~」
20代の女は、黒服2人に連れて行かれた。
「では、音楽を流します」
2曲目の音楽が流された。
椅子の周りを回っていく。
1―――――6――――8―――10―――16
「いまだ!!」
円堂は心の中でそう叫ぶと、真っ先に椅子へと飛び乗った。
「ふぅ…助かった…」
服はもう汗でベッショリと濡れている。
松本たちは?…大丈夫だ。
「てんめぇ…やめろぉ…いつか…いつか……」
男の声は消えた。
「みんな、がんばろう」
松本は真剣に言った
「いいか、絶対に気をぬくんじゃないぞ」
田中も真剣な表情をしている。
「わかってる、て言うか、ここで気をぬく人が間違ってる」
円堂はそう言うと、位置へとついた。
「では、最後の音楽を流します」
いよいよ最後の音楽が流れた。
1―――――5―――――――――11―――――15
なかなか最後は止まらない。
―――――――――23―――――――――27
そして音楽が止まった。
「うぉぉぉぉぉ」
円堂は心の中でそう叫び椅子へと飛び乗った。
「あ・・・・危ねぇ…」
円堂は息切れをしていた。
松本や田中は?
「そ…そんな・・・・」
松本は座れず立っていた。
「嘘だろぉ!!」
田中は叫び声をあげた。
円堂は腰を下ろし、愕然とした。
松本はすぐに黒服2人に連れてかれてしまった。
「や…やめて、放して、いやぁぁぁぁ」
3章・2つ目のゲーム
「こんな場所…来るのが間違っていたんだ…」
円堂は絶望的な表情でそう言った。
「ちっきしょうぉぉぉ!!!」
田中は再び叫び声をあげた。
「これで1つ目のゲーム、死の椅子取りゲームを終了します。」
円堂にとって皮肉を言われるのと同じだった。
「こんな…こんな場所になんか…来なければ!!!」
大切な友人を亡くした、円堂は泣いた。幼稚園のころからの幼馴染で、よく一緒にゲームをしたり、鬼ごっこをしたり、かくれんぼをしたり。色々な思い出を思い出すたびに、涙が床へと零れ落ちる。
そして、ふたたびあの画面を見る。
「皆さん、おなかもすいているところでしょう、ディナーをお召し上がりください」
テーブルに、豪華なごちそうが並べられた。
ちゃんと50人分ある。50人分…
「大介、食おうぜ」
田中はそう言うと、ものすごい勢いでメインメニュー(ステーキ)もろとも皿まで食いつくした。
「あぁ、うまかった~」
田中は満足そうにそう言った。
「田中…相変わらずだな」
円堂はそう目を丸くしながら言った。
「ほら早く食え」
「ったく、お前が出したんじゃないんだから…」
円堂はそう言おうと、ナイフとスプーンを持ち、ステーキにかぶりついた。
しばらく経つと、円堂は田中に聞いた。
「どう思う?…」
「何が?」
「松本が連れて行かれたことだよ…」
悲しそうにそう言った。
「どうって、…俺だって悲しいよ…」
「…そうか…」
暗い雰囲気に包まれてしまった。
「あ…あれ」
田中はびっくりしたように言う。
「どうした?」
「あ・あれ…簾じゃない?」
円堂は一人の男を指でさした。
「あ…ホントだ…覚えている…あいつ」
簾とは、斎藤簾のことである。
簾は昔、高校生の時にいた人物だ。しかし、5年前に突然と姿を消したのだ。
「な…なんであいつが…ここにいるんだ…」
田中はそう不思議そうに言った。
「いっ…行ってみようぜ…」
田中はそう言うと、廉に近づいた。
「お…おい…れ…簾…」
「これから面白くなるよ…破滅ゲームは…」
簾はそう言うと、トイレの方へと去って行った。
「ちっ、なんなんだあいつ!」
そう言うと田中は円堂の方へと駆け寄った。
「ど…どうだった?」
「それが、これから面白くなるよ…ってなんか訳わかんないこと言ってた」
「そうか」
「オイ…まさか円堂?」
円堂は後ろを振り返った。
「月見!!それに空野まで…」
「偶然だなぁ」
空野は言った。
さっき誘おうとしていのが、この人物。月見は、昔の幼馴染で、よく昔遊んだことがある。
頭が良くて、いつも成績トップの実力だ。
空野も幼馴染で、一番気が合う、親友だ。
「突然だけど、ここに廉がいるって…知ってる?」
空野はそう深刻な表情で言った。
「ああ…知ってる、さっき会った…」
「え…マジ?…それで、なんて言ってた?」
月見はそう田中に聞いた。
「それが…これから面白くなる…とか…なんとか…」
「あいつ、昔から不思議なやつだよね」
「そういう奴だって、廉は…」
月見が言った後に円堂は言うと、ガイコツが喋った。
「皆さん、ディナーは、お召し上がりいただけたでしょうか。それでは2つ目のゲームへ、移りたいと思います。」
すると、突然向こう側にある床にくぼみができた。
「あそこから下へとお進みください。下は地下へとつながっています」
皆はそのくぼみに向かった。
下は、らせん階段となっていた。
「これを下れ…ってか?」
円堂が言った。
「…そうみたいだね…」
月見はそう言うと、一番先に階段を下った。
こうして皆地下へと来た。
東京ドーム並みの広さだ。
ガイコツから説明があった。
「皆さん、先ほど申し上げた通り、リアル鬼ごっこをします
ルールは、黒服5人が鬼で、皆さんは30分間逃げてください。向こうに崖が見えます、その崖の向こう側に行けば、鬼に狙われません。よろしいですか?、では、リアル鬼ごっこ、スタート」
ついに始まった。
崖の向こう側からのドアからいっせいに黒服5人が向かってきた。
「お…おい、嘘だろ…」
なんと、幅が10mぐらいある崖を、手に刃物か何か持っている鬼は飛び越えてきたのだ。
「あいつら…人間じゃないのか…」
空野はびっくりしたように言う。
「そんなこと言ってる場合じゃないぞ、早く逃げろ!!」
円堂はそう言うと、鬼からできる限り離れた位置へと走った。
「今回は、固まって行動してはだめだ…、別々に行動しよう」
田中はそう言うと、地下の端の方へと走って行った。
すると、鬼1人が、ものすごい速さで、向かってきた。
「や…やベぇ!!」
円堂はそう叫ぶと、奥へと逃げて行った。――――逃げ切れた。
「あ…危ねぇ……なんで10秒ぐらい経ったら、行っちゃったんだ?」
するとまた、ほかの鬼が向かってきた
「うぉぉぉぉぉぉ!!」
円堂は、逃げ続けた。――――――逃げ切れた。
ここで円堂は、ある事に気がついた。
「この中なら、使えるかな…」
円堂は、ポケットからケータイを開き、田中へと掛けてみた。
―――――――――――掛った。
「田中、1つ分かったことがある。」
「なんだ?」
「鬼に狙われる時間は、10秒だ。」
「どういうことだ?」
「…つまり、一度狙われて、10秒間逃げきれば、しばらくは追ってこない」
「田中…?田中?」
突然と通話が切れた。
円堂は辺りを見渡した。
―――――――――――田中が逃げているところが見えた。
「頑張れ……田中!!」
円堂は心の中でそう叫ぶと、田中の方じっと見ていた。
―――――――――――――助かった。
すると田中は、円堂の方へと走ってきた。
「あっぶねぇ…10秒間逃げれば、大丈夫だっけ?、わかった…月見たちにも言っておくわ」
そう言うと、月見の方へと走って行った。
「きゃぁ・・・・・・やめて…」
その女は、鬼に捕まって、殺されてしまった。
「や……やめろぉ」
その男も崩れ落ちた。
画面には、今この中にいる人数と、残り時間が表示されている。
人数は27人、残り時間は24分18秒だ。
「今のところ、追ってこないようだな」
その時、円堂ははっとしたような顔をすると、ポケットからケータイを取り出し、田中にかけた。――――掛った。
「田中、…崖に行ってみないか?」
「なに?」
「向こうに見えるだろ。あそこの向こう側に行けば、鬼に狙われないだろ?もう何人かは向かっている、俺たちも言ってみよう」
「……でも、どうやって向こう側に行けばいいんだ?」
「……わからない、でも、向こうに行けば、ヒントはあるはずだ」
「わかった」
ケータイを閉じ、ポケットに入れ、崖の向こう側へと走って行った。
あれからしばらく時間が経ち、崖の近くへとたどり着いた。
田中もいた。
崖の前にある、看板を見て、円堂は言った。
「なになに?、崖の下に5人が落ちれば、橋が下りてくるだろう…だって?」
「そうすれば、向こう岸までたどり着けるのか」
田中はそう言うと、月見たちのところへと走って行った。
「なんでケータイで通話しないの?」
「おめぇも同じだろ…電話番号知らねぇんだよ」
しばらくして月見と空野が来た。
「そんなことできないよ」
「だよなぁ、でも、いつまでも危険な状態では…困るし」
月見と空野はいうと、頭を抱えた。
後ろからものすごい速さで、鬼と男が崖の下へと落ちて行った。
「た…た…たすけ………」
男の声が消えた。
すると看板の表示が変わった、残り3人。
「そ…そんな…」
円堂は言うと崖の下を見た。
そして円堂は言った。
「ていうことは、鬼も加わるんだな」
「じゃぁ、鬼は俺が引き付けるは」
「田中、それは危険だ、やめろ!」
円堂の言ったことも無視して、さっさと鬼の方へと走って行った。
「鬼さん鬼さん手の鳴る方へ♪」
鬼は反応したかのように、田中を追っていく。
田中は走りながら言う。
「ほらもっと速く速く♪」
そして崖の近くに行って、田中ごと鬼は落ちて行った。
「たす……助けて!!……ごめん…こんな場所で………」
「田中ぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
円堂は叫び喚いた。
看板の表示も変わった。残り1人。
「田中………もう嫌だ……こんな、こんなゲーム…」
円堂は泣きじゃくった。希望が見えない。光がさしてこない。
「なんだよあいつ…自分から引きつけておいて、そのまま死ぬなんて」
「円堂…まだわからないぞ……崖の下は見えないんだから、どこかでまだ生きてるかも…」
慰めかのように月見は言う。
「うるさい!!…松本まで死んで…そして、あの…あの田中まで…」
「落ち着け!!…世の中現実を受け入れなきゃ言えないこともあるんだぞ!!…」
「受け入れられるか!!…こんな…こんな…」
空野は、黙ったままだった。
突然と、廉が見えた。―――崖の方へそのまま落ちて行った。
「な……何やってんだあいつ!」
円堂は馬鹿にしたように言った。
「ほんと、馬鹿だよね。自分から落ちるだなんて、何考えてんだか…」
すると橋が下りてきた。
「行くぞ…円堂…空野?」
空野は放心状態となっていた。
「おい、空野、しっかりしろ!!」
円堂に言われても、何も答えない―――だがしばらくして答えた。
「もう…だめ…私も…いつかは…」
「空野!!しっかりしろ、ほら、橋が下りてきたよ、今は向こう岸に行かなきゃならない、立って!」
円堂に言われ、なんとか立つことができた
「ほら…もう少し…はぁ…はぁ…つ…着いた!」
「円堂…後は待つだけだ…時間を…」
月見はそう言うと、その場で横になり、しばらくして眠りに着いた。
「おいおい、なんでこんな場所で寝るんだか」
画面を見た、人数が21人、残り時間が11分46秒。
「これが全部夢だったらなぁ」
円堂はそう言ってしばらくすると、眠りに着いた。
4章・3つ目のゲーム
「おい、起きろ円堂!!」
「……んぁ?」
「円堂…行くよ!」
「あぁ」
月見に起こされ、円堂は立ち上がった。
すると前の壁が上がり、道ができた。
「これを進めってことか?」
男はそうい言いまたほかの男も言った。
「行こう」
「俺たちも行こうぜ」
月見はそう言うと、円堂と空野を引っ張って行った。
「それでは次のゲーム、死のかくれんぼを行いたいと思います、見つけた場合、その人を手で触れて下さい。すぐに反応して、電気ショックで死んでもらいます。隠れる時間は1分で、見つける時間は30分です。もちろん、見つかった方は、隠れた後、1mでも動いたら、レーザーが反応して電気ショックの罰を与えます。今回、見つける側もつけます。画面に表示されている人物が、見つける側です。見つける側は、3人見つけないと、死んでもらいます。よろしいですか?」
画面にはこう表示された。
{見つける}↓
「孝樹啓而」
「坂本清也」
「円堂大介」 END
「お…俺!?」
円堂は戸惑いの声をあげ、その後、月見は言った。
「いいか、俺たちを見つけても、絶対に手で触れるなよ!」
「わかってるって」
「では、はじめます、1分間隠れて下さい。スタート」
ついに始まってしまった。
色々と隠れる場所がある。
キッチン、テレビ、ソファ、ベッド、暖炉、廊下、風呂場、その他多数ある。
普通の一軒家の部屋みたいだ。
「私…大丈夫だから、月見、別れよう」
「わかった」
空野と月見は、別々に隠れた。
画面にはこう表示されていた。残り12秒。
――10――――6――――3――――1―0
「スタート」
その頃、Eとよばれる人物は、TMで、2010年1月1日に来て、アジトへ向かった。
「小池、大丈夫か?」
「あぁE」
「本当にいいのか?…ハメツロボに乗り込むなんて…」
「こうしなくちゃ…未来へ進めないんだ…」
「…わかった」
「運が悪い…俺が見つける側なんて…」
円堂はそう言いながらも、部屋の中を捜した。
画面には、隠れる、17人。見つける、3人。
「どこだ!…正直…俺も見つけたくないが…でも、生き延びるためには…」
キッチンを捜した。
キッチンには、引き出しがずらりと並んである。
「1つ1つ引き出しを開けて行こう」
1つ目を開けた。―――空だった。
2つ目を開けた。―――空だった。
3つ目を開けた―――誰かいる!!
「ご…ごめん…」
円堂はその男を手で触れた。
「うわぁぁぁぁ!!」
その男は電気ショックで死んでしまった。
「…あと2人。次には人を殺さなくてはならないんて…」
円堂はリビングへと行った。
リビングには、ソファ、テーブル、引き出し、テレビ、パソコン、色々あった。
「ソファの裏にはいないかな?」
そう言うと、円堂はソファをずらした。――誰もいない。
「…いないか」
ソファを元の位置に戻した。
「まさかテーブルの下にとか…」
円堂はそう言いながら、テーブルの下を見た。
―――予想通りいなかった。
画面には、残り時間26分31秒。見つける人数3人。隠れている人数14人。
「空野たちは、隠れきれているだろうか…」
今度は引き出しをに目を付けた。
「1つ目…」
円堂はゆっくりとその引き出しを開けてみた。
――――――――――――いない。
「どこだ?」
画面には、残り時間12分38秒。見つける人数、2人、隠れてる人数、13人。
刻一刻を争っている。
今度は風呂場に入って行った。
「誰か…いないのか?」
円堂は不安の空気に包まれていた。
月見は…空野は…。
風呂の蓋を開けた。――――誰かいる!
「お…お願いだ、や…めてくれ…」
円堂は静かにその男の肩を触ると、静かに崩れ落ちた。
「くっ、人という命を…殺さなければいけないなんて…」
そのまま走って風呂場を出て行った。
次に庭へ出た。庭といっても、庭ではない。
「いないのか……だ…誰か」
木の後ろを順番に探していった。
残り時間、6分26秒、見つける人数1人。
隠れている人数9人。
「お…俺一人?…見つけるのは…」
少し焦った。――大丈夫だろうか、月見たちは。
「誰か…誰か…」
向きになって探し続けた。
庭を荒らし、木が倒れてしまった。
「うぁ!!」
誰かが叫んだ!!
「!バチバチ!」
円堂が触る前に死んでしまった。
「な…なんで?……そうか、1mでも動いたら…電気ショック?…っていうことは、見つけてないことに…」
残り時間2分12秒、見つける人数1人、隠れている人数、7人。
「うぁぁぁぁぁぁ」
叫びながら進んで行った。
次にリビングルームに入った。
「ベッドの裏に、いないのかぁ!?」
そうすると、ベッドをずらしてみた。―いない。
さっきから、ベッドの中が動いている。
「うぅぅぅぅぅぅぅ」
声まで聞こえた。
「見つけた…」
円堂はその女を手で触ると、ゆっくりとリビングの方へと掛けて行った。
「ここで、死のかくれんぼを終了します。死んでもらった方は、画面に表示してあります」
円堂はゴクッと唾を飲むと、画面の左上を見た。
死↓
「三佐健二」
「佐々木越明」
「参道腱斬」
「天童岬」
「月見来時」
END
「え………」
嘘だろうと目をこすり、もう一度見ても月見来時と、書いていた。
「う…嘘だろ…おい…う…」
円堂の身体は崩れ落ちた。
空野が戻ってきた。
「空野…月見も……月見来時も、逝ってしまった」
「え…嘘でしょ?」
「本当だよ……」
「そ…そんなぁ…」
2人は泣いた。友達の中で一番勇気があり、やさしかった。大切なゲーム機を、壊してしまったのを許してくれたし、野球をしていて、球が飛んでいき、他所の家の窓ガラスを割ってしまったのを、責任持って謝ってくれたのも月見だ。
「やるしかない、生き延びよう…そしてこのゲームの支配者を…絶対に、許さない」
5章・4つ目のゲーム
「次のゲーム、闇のアスレチックを行いたいと思います。先へお進み下さい」
何やら色々なアトラクションがある。
「皆さんはこのアスレチックを乗り越えて、ゴールにたどりついてください。たどりつくことができたならば、ボーナスステージ、最後のゲームの挑戦権を獲得できます」
そのアトラクションは4つに分裂し、4人分の道ができた。
「制限時間は30分、スタート」
始まった。
最初のコースはベルトコンベア(輪状にした幅広のベルトを台車の上で回転させ、その上に運搬物を載せて移動させる装置)みたいなコースで、後ろに回ってくるベルトコンベアの上で前に進むというコースだ。
「これなら楽勝!!」
と、余裕だったのだが、次の瞬間スピードが増したのだ。
「うぉぉぉぉ!」
円堂が走り続けても、ベルトコンベアの速さに追いつけない。
「最初のコース、ベルトコンベアコースで、横から近づいているのは、壁です、徐々に近づいてきますので、壁にスクラップされないように、気を付けてください」
「やべぇぇ!!」
全力で疾走するがいまだに10mしか進まない。あと50mぐらいあるのだが。
「あぁぁぁぁ!!」
全力で走るが、まだ20mしか進まない。
壁がどんどん近づいてくる。
「やばい…間に合うか?」
やっと半分ぐらい進んだ。しかしそれと同時に壁も半分ぐらい近づいている。
「あと半分!…空野は大丈夫だろうか…」
少し心配になったが、すぐにゲームに集中した。
「あと、もう少し…」
そう言うと、前よりも早く走った。それと同時に壁も押し寄せてくる。
「…あと、10m!!」
あれから5分ぐらいだろうか、やっと10mまで近づいた。
必死で走り続け、なんとかこのコースを終えた。
ガタン!!
壁が閉まりベルトコンベアが潰れた。
「あと3秒ぐらいあそこにいたら、…潰されていた…」
するとドアが開き、次のコースへ進めるようになった。
「よし、行くぞ…」
ドアの奥へと進んだ。
「こ…これは」
ドアの向こうは雲梯(上にある長い梯子)が、 100mぐらい続いている。
もちろん下は崖になっている。
「進めってか?」
円堂は雲梯をつかむと、奥へと進んで行った。
「同じく、壁が押し寄せてきますので、注意してください」
「まだか…」
円堂は苦しそうに雲梯を進んでいく。
「これは持久戦になりそうだな…」
あれから5分。半分は進んだ。
「くっ…うっ」
その頃、空野はというと…
「これならいける!…」
雲梯を楽々とクリアしてしまったのだ。
空野は意外と、運動神経抜群で、体育の授業ではいつもトップだ。
「次のコースは?…」
余裕の表情で進んで行った。
その頃、日本の大統領は、脅されていた。
それも、ケータイで…
差出人:A
日時:2010年1月1日15時30分
件名:無題
本文:早くしろや!!この日本の大統領!!いいか、俺の言うことを聞けばいい話だ。そうだよ…俺に協力すればいいんだよ。
END
「ひぃぃぃぃぃ」
大統領は意外と気が小さいのだ。
「ど…どうしました?大統領…」
「い…いや…なんでもない…早く…早く資料を持って来い!!」
「も………もうす…こし………」
円堂はあと10mという距離を進んでいた…
今、4ゲームをクリアしようとしている。
「あ・・・あと5m!!」
だが腕の筋肉が悲鳴をあげている。
「つ…着いた…」
円堂は2コースをクリアできたのだ。
「最後のコース、落とし穴は、運のゲームです。
1本道を進んでください。みなさん4人のうち、1人だけは、穴に落ちることになります。もちろん、時間切れでも死んでもらいます。」
円堂は画面を見た。―――残り時間3分。
「…長い距離じゃないのに、なんでこんなに緊張するんだろう…」
10m程度しかないのに、足が進まない。
「どどどどうしよう」
残り時間2分。
「い…行くぞ…」
進み始めた。―――がつかの間、落とし穴があった。
「うわ~!!」
何とか岸を手でつかみ、上ることができた。
「……あ…あぶねぇ…」
6章・ボーナスステージ
「空野…」
円堂は空野の方へ走って行った。
「円堂、無事だったんだね!」
「ほかのみんなは?」
「逝ってしまったの…」
「2人だけ?…」
しばらくと沈黙が続いたが、円堂が言った。
「いよいよボーナスステージだ」
「…うん」
「今までいろんなことがあった」
「そうだね…」
3人の友を亡くしたことは、円堂の命と等しかった。
しばらくして、ガイコツが言った。
「おめでとうございます。いよいよボーナスステージです」
そう言うがうれしくない。
残り2人。
2人といっても、円堂と空野だけ。
「空野…大丈夫か?」
「いや…わたし、もう…だめ」
「もう少しだ…もう少しですべてが終わる」
円堂は言うが、空野は震えている。
「ボーナスステージの説明をします。その前に…オープン!!」
ウィーン!!
床にひびが入り割れ、崖ができた。
「この崖に人を落として下さい。自分から落ちるのも良いです。1人残ったものは、今何が起きているのかを説明します。30分間経っても、一人だけ残らなかったら、皆さん死んでもらいます…どうぞ」
「そんな…」
空野は涙を流してる。
「くそ、何処まで卑怯なんだ…」
円堂は叫ぶと、空野は泣きながら言った。
「ねえ、私たち最後でしょ…思い出話でもしようよ」
「いや…まだ方法が」
「もう無理よ…ねえ、この前、う~んいつだったかなぁ、莢孤に告ったしょ。でも、ふられてたの、わたし見たんだよね」
「おい、なんでそんなの見てんだよ!!」
莢孤というのは、俺がずっと好きだったやつで、交際を頼んでみたけど、ふられてしまったやつである。
「それにさ、やっぱおもしろかったのは、あんたの好きなやきそばパンが新商品発売と聞いて、
私の話も聞かないで自転車で行っちゃったよね…売り切れだったのに」
「そりゃ誰だってほしいものがあったらそこへ一直線で行くだろ」
「そっか……あのころに戻りたい」
「そうだな」
起きてしまったこの悲劇、過去には戻れない。
「じゃぁ、私が行くね!」
「何言ってんだ…やめろ!!」
「そうじゃないと…やっぱり私が行く」
「おい…なんだよこれ…なんでこんなことでみんなが犠牲に…」
「これも運命よ、運命も、ときには受け入れるしかないって言ったのは誰?」
「俺だ…」
「それにさ、…楽しかった、ちょっとでも、本当にちょっとでも話すことができて」
「…」
「じゃあね!」
空野はその後何も告げずに落ちていった。
「空野ぉぉぉぉ!!!……」
「…………空野」
全てをなくした、そう、友という全てを。
「おめでとうございます」
「ふざけんじゃねえ!!…何がおめでとうございますだ!!」
聞いてないかのようにガイコツは言う。
「では、なぜこうなってしまったのかを説明します。今、未来で戦争が起こっています」
「はぁ!?意味わかんねえし」
「2010年1月1日のとき、2010年3月3日に火山大噴火により、地球全体が火山灰に覆われるということが分かる」
「何!?」
「さらにその日、小惑星ラーザンが衝突。しかし、これらを全て予言したのが大統領だ。2010年3月1日、全人類が火星へと移る」
「え?」
「しかし、2010年4月17日、火星での生活に意見が2つとなり、ブラック軍とホワイト軍にわかれる」
「じゃぁ、もしかして」
「未来で戦争が始まる」
「そんなことでか?」
「その戦争の戦場が…10年前の地球」
「おい、何で…何で過去を巻き込むんだよ」
「大統領の言葉は絶対、世界の救世主なのだから」
「ふざけんな!!…俺には何か知らねえが、何で過去で戦争なんか!!」
「それは大統領が決めたことだから」
7章・終わりの始まり
はじめて答えた。あのガイコツが俺の質問を。
「それに、このことには国民も認めている」
「でなんだ?戦争のルールは」
「ブラック軍の目的は10年前の地球をつぶすこと。ホワイト軍はそれを阻止する。勝利すればその軍の言うとおりに未来は動く。10年前の人が協力するのもあり。もちろん、どちらの軍にも。それだけだ」
「お前はホワイト軍か?それともブラック軍か?」
「もちろんブラック軍ですよ」
「じゃぁ、おめえがブラック軍のリーダーか?」
「なぜそうなるのですか?私は全然したっぱですよ」
「くそ、もう…もう」
そこで意識が途切れた。
「ここは?」
円堂は周りを見た。ここはツメハの外だ。
「あれ…俺はどうしたんだ?」
周りをこわごわしく見た。
「そうか…ツメハから出たのか」
立ち上がり、住宅街に走った。
「みょうに人が少ないなぁ?」
歩道を歩いても、誰もいない。
その時だ、銃声が聞こえた!!
「止まれ!!止まれ!!」
警備員かなんかが誰かを追っている。
「なんだなんだ?」
追いかけてみることにした。
「ちっ、見つかってしまった!!」
誰かが言うと、井戸に隠れていった。
円堂は隠れながらも井戸の方へと掛けていった。
「あまりかかわらない方がいいかもしれない…」
行くのをやめて、後ろを振り返った。その時だ!!
パアン!!!!
ふたたび銃声が聞こえた。
「に…逃げよう…」
円堂はできる限り遠くの方へと走って行った。
屋根の上で追い込まれているのを見えた。
「もう逃がさない、貴様はこれでおしまいだ。
…残念だったなぁ!!」
その瞬間、彼は消えたのだ!!
「タイムマシンはこの戦いでは禁止になっているはず…くそ、違反だ!!彼は違反を犯したぞ!!」
警備員かなんかも消えていった。
「な……なんだ?」
円堂は10秒以上立ち尽くした。
「おい、そこ、撃つぞ!!」
パアン!!
円堂はその弾を華麗によけ、逃げて行った。
「くそ……こんな訳わかんない出来事で、おれは死ぬのか?……意味わかんねぇ…」
もう5分ぐらいは経っているだろうか…
辺りを見渡した、誰もいない。
「あ………あぶねえ……」
突然と家族が心配になってきた。
「俺の家はここからだいたい5分…いけるか?」
もう一度当たりを見渡した。
「よし…行こう!!」
ガイコツはうれしそうにこう言った。
「血だ、血が集まった」
「そうですね、準備しますか?」
「いや、まだだ」
ガイコツはその場を去って行った。
「た…ただいま…」
家の中へ入った。――誰もいない。
「お~い」
「お~い」
「お~い…ん?」
テーブルに紙が置いてあった。
「なになに、あなたの家族は連れて行きました。助けてほしいならブラック軍に入れ?」
下には住所が書かれていた。
{神柱市黒区帝国1条1丁目1-1}
「どうしよう…行くか?行かないか…?」
その時、銃声が聞こえた。
「どうしよう、外は危険だ…このままじゃ」
テーブルの下に何か見つけた。
「何だ?…………こ…これ」
驚きのあまり声が出ない。
「銃だ!!」
8章・小池照太
「ガイコツ様、小池照太を確保しました」
「裏切り者、確保されて当然だ」
「はい。これからどうしますか?」
「うむ…」
「…ここから出せ!!」
小池照太は捕まってしまった。
「あなたは裏切ったのです…ブラック軍を!」
「ちっ…」
「まぁ…死んで詫びなさい」
ブラック軍の手下は去って行った。
「ここから逃げ出す方法は…」
その頃、円堂はブラック軍のアジトへ着いた。
「着いたぞ、ここにいるんだな…」
しばらく進むとドアがあり、開けてみた。
「助けてくれ~」
向こうから声が聞こえる。
「助けて…誰か!」
1人の男性が牢屋に閉じ込められている。
「今助けてやる!!」
なんとなく助けたい意識が強かった。
「暗証番号?」
「15946217だ」
「わかった」
ピポパポ…………
ガシャン!!
扉が開いた。
「本当にありがとう、俺の名前は小池照太」
「俺は、円堂大介」
「そうなんだ、よろしく!!」
「君ってまさか、未来戦争の戦争者?」
「うん…そうだよ」
「ブラック軍?それとも、ホワイト軍?」
「ブラック軍だ」
「ならなぜ仲間なのに捕まっているんだ?」
悲しそうに小池は言った。
「もともと俺はホワイト軍の仲間で、スパイでここに来てたんだ」
「スパイ?」
「うん、色々とブラック軍の情報を手に入れるためにね」
「じゃぁ、聞きたいことが…聞きたいことがたくさんあるんだ」
「話は後で、それに、君のことは知っている」
「え?」
「外に出ないと、また捕まってしまう!!」
「見つけたぞ!!」
警備員に見つかってしまった。
3人ほどいる。
「やつを捕まえろ!!」
襲いかかってきた。
「電撃銃!!」
小池はポケットから出すと、警備員に撃った。
「うわ!!…」
警備員全員が倒れた。
「ふう、良かった」
小池は真剣な顔つきで言った。
「安心している場合じゃない、早く行くぞ!!」
9章・人類破滅計画
「もう大丈夫だ」
1kmぐらい走った。
「銃、持ってるんだけど…」
銃をバッグから取り出した。
「いいんだよ、未来戦争では認められている」
「聞きたいことがあるんだ」
「わかった、なんだ?」
「戦争のこと、もっと詳しく知りたいんだ」
「ガイコツから聞かされてるだろ、2020年から10年前での戦争、BW戦争だ。その戦争は、初めは先に10年後の地球をつぶした方が勝利!だったんだけど、ホワイト軍がそれを拒否して、ブラック軍が地球をつぶすのを阻止する…ということになったんだ」
小池は続けた。
「ブラック軍のリーダー、A。ホワイト軍はE。
この二人に決まったんだ」
「A?E?」
「正式な名前は明かされていないんだけど」
「そっか」
「ホワイト軍に入って協力してもらえない?」
「いいよ」
何の気の迷いもなく答えた。
「ありがとう、早速アジトへ向かおう」
円堂は不思議そうに言った。
「ねえ、どうしてこんなに友達関係みたいなんだ?俺達」
「確かに!!」
「大統領!アーカイ様が来ました」
「そうか」
アーカイが顔を出した。
「やぁ大統領」
「おお、アーカイ君じゃないか」
「用意してくれたんだよなぁ、時限爆弾」
「もちろんだよA」
ポケットから時限爆弾を出した。
「はい、大統領、金」
「どうもどうも」
大統領はそう言うと、逃げるかのように去って行った。
「ホント馬鹿な男ね。こんな罠に引っ掛かるなんて」
Aは鼻で笑うと、外の方へ向かった。
電話を取り出し、ガイコツへ掛けた。
「ガイコツ、準備はできたわ、爆弾タイム、スタート!!
「了解しました、A」
「2つのプログラムで構成されているんだ」
アジトへ向かっている。
円堂は小池から色々と戦争の内容を聞かされていた。
「ブラック軍の1つ目は破滅レストランだった、レストランにわなを仕掛け、人間約2500人の血を集めるために仕掛けたものだ」
「何のために?」
円堂はすぐに聞いた。
「ハメツロボを動かすためだよ」
「ハメツロボ?」
「全長約200m重さ約1トン。そして、15秒置きに、細菌兵器を半径1kmまで放射する」
「そ…そんな…」
「着いたよ」
「ここが…」
広い…円堂はそう思うと、奥の方へ進んで行った。
「おおE」
小池に言われ、Eは驚くように言った。
「小池、…………大丈夫だったか?」
「あぁ、一度見つかって捕まったが」
「それで?」
Eはすぐに聞いた。
「円堂…ってやつに助けてもらった」
「円堂!?」
Eは思わず叫んでしまった。
「どうも…円堂大介です」
円堂がはいってきた。
「何で急に叫びだすんだ?」
「いや、何でもない」
Eは冷静になると、小池に聞いた。
「情報は手に入れたか?」
「うん、色々とね」
小池はベットルームへ向かった。
「でも今日は寝る」
すぐに小池は眠ってしまった。
Eは円堂に聞いた。
「まぁ疲れたからなぁ…しかももう12時だし…………円堂!」
「はい!!」
兵隊のように円堂は答える。
「僕は君のことを知っている」
「………どういうことですか?」
「つまり、俺は君だ」
「は?」
円堂は叫ぶと、Eに詳しく聞かせてと言った。
「俺が10年前、あるやつと出会った、その名は、E」
「E?10年前?」
「そう、きみは…10年前の俺だ」
「てことは…え?」
「そう、今ここで円堂大介2人が、ブラック軍を倒そうとしている!!」
「ごめん、あのさぁ、戦争をしているっていっても、未来を見ればいいんじゃないですか?タイムマシンで…」
円堂は心の中で完璧だなと思いながら言った。
…しかし
「馬鹿か?そんなことができるなら、とっくにやっているよ」
「そうですか…」
当たり前のことを聞いて、円堂は恥ずかしがった。
「タイムマシンを使うには、ものすごいエネルギーが必要なんだ」
「そうですか…」
「今日はもう寝よう」
「そうですね」
円堂とEは眠りに着いた。
10章・侵入
「おい、起きろ円堂!!」
小池に起こされて、円堂は立ち上がった。
「まだ眠たい」
時計を見た。6時だ。
「今日はブラック軍のアジトへ潜入しよう。ほら、お前の家族もさらわれているんだろ?」
「わかった、顔洗ってくるよ。洗面所どこ?」
「こっちだよ」
小池は円堂に洗面所を案内した。とその時、Eが通ってきた。
「おお円堂、やる気あるじゃないか」
「はい、家族のためにも、世界のためにも」
「そうだな、ちょっと来い…」
「なんですか?」
小池から少し離れ、小声でEが言った。
「俺はEじゃない」
ザクッ!
ナイフが円堂の腹に刺さった。
「うっぐ!」
Eが逃げていくのが見える。
「大丈夫か?」
小池がすぐに駆けつけてきた。
「俺はいいから…Eを…」
「……………わかった」
小池はEのところへと走って行った。
-――Eどうしちゃったんだ?この世界を守るって、約束したんじゃないのか?
「俺も…」
そこで意識を失った。
「どどどうしよう、アーカイ君に本当に渡してしまった」
「なにをです?」
大統領が焦っているところに、部下が聞いた。
「なんでもない…」
部下は叫んだ
「なんでもないわけないじゃないですか」
「なんでも…ないんだ!」
「はい…」
部下は間もなく去って行った。
円堂は目が覚めた。
「くそ…………あれ?、ナイフが床に落ちている…小池がとってくれたんだ」
友のありがたみを改めて感じ、円堂は涙を流した」
「ここで泣いている場合じゃない、行くぞ!」
そのころ小池はブラック軍アジトの外へ着いた。
「E、お前、裏切ったのか?」
「………」
「答えろ!」
小池に言われても何も答えず、ただ下を向いている。しかし言った。
「…違う…」
「何?Eどういうことだ」
「おれはEじゃない…」
「だからどういうことかって聞いてるんだよ!」
「昨日のうちに本物のEは、私が預かった」
「何?」
「俺は」
「俺は簾だ」
マスクが破け、正体を現した。
「簾?お前はブラック軍の?」
「ホワイト軍の見方をするために、わざわざブラック軍にスパイとして入ってくるとは…」
「大統領は間違っている!なぜ10年前の地球を破滅させることが戦争の勝利だ!これはおかしい、絶対にあってはならない」
「もう遅い、こちらブラック軍は、確実に、そして着々に進んでいる。破滅ゲームが!」
「小池!」
円堂が来た。
「円堂!、生きてか!」
小池は驚き声をあげた。
しかしその声は聞こえていなかった。
「お前は…簾!」
「久しぶりだな、円堂」
「お前、どうしてここに?」
「あれは単なる演出さ!」
「演出?」
「あぁ、崖があったろ、あの下、クッションがあったんだよ」
「クッション?クッションなんかでは助からないだろ」
「未来の資源は捨てたもんじゃないよ」
「っち、道を開けろ」
「『道を開けろ』って素直に『はい』っていう奴がいますかね~」
「俺はお前のことを考えると、不思議にしか思えなかった、5年前に、お前に何があったんだ!」
「……………」
「お前がAか?答えろ!」
「ほらほらそろそろだよ、最後の破滅ゲーム」
ガシャン!
アジトごとぼろぼろに破壊され、ついにその正体を現した。
「あれが………………………ハメツロボ!?」
「円堂、いったんアジトへ帰るぞ」
「……」
襲いかかる恐怖、最後の破滅ゲームが始まってしまった。
しかし、移動速度は速くない。時速20kmか?
「これをつけろ!」
小池はマスクを取り出した。
「…わかった…」
残り5秒で細菌が!4・3・2・1・0!
シュー
細菌が1つの都市を包み込む。
「さらばだなぁ円堂!」
簾は闇へ消えていった。
『ただいま入ったニュースです』
破滅ゲームの速報ニュースが鳴り響く。
「円堂ハメツロボの弱点は、緊急停止ボタンだ」
「スイッチ?」
「俺が調べた情報によると、ハメツロボの操縦席に緊急停止ボタンが内蔵されている。そのボタンを押せば、ハメツロボを止めることができる!しかしあれを押したら…」
小池の話を無視し、ハメツロボめがけて円堂は走って行った。
円堂の耳に届くよう、出来る限り大きい声で叫んだ。
「外側からならはいることができる。その中はアスレチックになっているから、十分気をつけろ!さっき言ったボタンを押したらハメツロボは爆発し、その爆風が半径100kmまでとどいてしまう!そしたらお前は…」
円堂は後ろを振り返った。
「……家族を、みんなを頼む…」
円堂の姿はもう見えない。
「……円堂…カッコイイとこ取りやがって……ホワイト軍!街の皆を避難させろ!」
最終章・戦い
「中は本当にアスレチックだな」
ハメツロボの中に入った。
円堂は上に穴があることに気がついた。
「あそこに行けば、よし!」
長い階段を上り、雲梯を超え、そしてまた階段を上った、しかし
ガタン!
大きな揺れが発生した!
「あぁ~!」
円堂は落ちていった、しかしギリギリぶら下がっていたロープにつかまり上って行った。
「まだだ、まだ諦めない、絶対にみんなを救って見せる!」
上へ上へ一歩一歩をかみしめて進んだ。
「もう少し!」
ガタン!
再び大きな揺れが来たが、今度は大丈夫だ、
「つ…着いた……」
前へ進んだら、誰かがいた。
「よく来たね、円堂君」
「お前は……ガイコツ!」
「フフフハハハまだ騙されていたの?」
「何?」
「私の正体は…」
マスクを取った。
カチッ!
その瞬間、その都市は光に包まれ、…そして消え去った。
小池照太の活躍により、死者は数名で済んだ。
2000年4月7日
中学1年生、円堂たちクラスは、転校生が来るということに、胸を躍らせていた。
「どんな子が来るかなぁ?」
「楽しみだね!」
「ほらみんな、静かに、転校生の松本赤莉さんだよ」
先生が紹介すると、教室の外から入ってきた。
「よろしくお願いします」
「松本さんは、円堂君の隣の席へ」
「よろしくね!円堂君!」
1分前
「お前は……松本!」
「今頃気づいたの?ツメハに誘ったのも、私だよ…」
「どういうことだ、お前に何があった?」
「これで終わりね」
「やめろ!」
カチッ!
2010年4月8日
円堂大介が世界の救世主であることが世界中に知れわたり、日本の東京に円堂大介の銅像が飾られた。