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エルダーゲート・オンライン  作者: タロー


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ソウマ編 緑小鬼の大侵攻5 強襲

ようやく次話からゴブリンとの戦いが始まります。戦闘描写は苦手ですが頑張ります。

深夜に誰もいない練兵場で身体を自分のイメージ通りに動かす訓練をしていた。

動く前の自分よりも僅かでも速く、そして可能な限り可動域を駆使して追い込んでいく。


祠であったアオイ少年の鍛え上げられた体術は洗練されており、鮮烈にソウマの記憶に残っていた。


ハイヒューマン・エリヤへと進化してからは更に驚異的な身体能力と、未だステータスの高さに振り回される感覚が自身の中に残っていた。


折角のそれら能力を有効に使いこなすため、より一層無駄な動きを削ぐ為にもアオイの洗練された体術を思い描きながらどんどん取り入れる。


練兵場所の隅から隅へと動き回る。

緩急自在なアオイの動きを取り入れる下地(からだ)は、貪欲に求めてくるのだ。


今までに無いほど戦闘意欲が高い。そして応えれば応える程しっくりと身体に馴染んでいく。


時間を忘れて熱中していると、僅かな陽の光が天窓から差し込んだ。

現在、既に2日目の朝を迎えていた。


(もうこんな時間か…マリガン達と朝練の時間だな)



激しい運動量に体力はかなり消耗した筈が身体の方はまだ元気で、より強く…と、貪欲な意思に対して奥から熱い活力が更に湧いてくるようだ。


「今日の朝練、俺も参加させて貰おうかな」


そんな独り言を呟く。


「いいわよ。ならまずはアタイからだよ」


聞こえた声に振り返ると、そこにはマリガンとアンゴラがいた。


「ん、声に出ていたのか。おはようマリガン、アンゴラ」


「ったく、驚かせようと思ってコッチは気配を消してきたってのに」


「…おはよう」


不満気に呟くマリガンと静かなアンゴラは両極端で印象的だ。


「ああ、俺にはスキルがあるから何となく解るんだ」


「ふぅーん?認知系のスキルか。ソウマは魔物使いなのにシーフ系統のスキルまで持ってるんだ」


「…アンゴラやマリガンならいいか。正確に言えば俺は稀人(まれびと)なんだよ。本職は…弓使いだ」


稀人だと答えたソウマを、マリガンとアンゴラはじっと凝視している。


緊張する雰囲気が続く。暫くすると、マリガンが口を開いた。


「…どうやら嘘は言っていないようだね」


「嘘はつかない。黙っていて悪かったな」


「いや、稀人(まれびと)の希少性はアタイ達も知っているさ。しかし…稀人ねぇ」


まじまじと顔が接近し過ぎる程に近付き、ソウマをネットリと観察するマリガン。

流石にソウマもその視線に引き気味だ。


「…マリガン、ソウマが嫌がってるからそのくらいにしよう」


アンゴラのその一言でようやく解放されたソウマは、アンゴラに感謝の目線を送った。


「ソウマは私達をアマゾネスと知った上で稀人だと話してくれたのか?」


「うん?それは昨日聞いたんだけど、何か問題があったのか?」


ソウマが困惑する様子を見て、落胆したような表情を見せたマリガンだった。


「どうやら知らないようだね…アタイ達アマゾネスは規律があってねぇ。強い雄の()が欲しいのさ」


「…その()の中でも稀人は強さに関係なく子種を入手すること」


そこまで言われてようやく悟ったソウマは


「それって…まさか」


「つまり、アタシ達と無条件でHしほうだいって訳さ。こんなイイ女二人とだなんて良かったねぇソウマ」


眼をランランと輝かせるマリガンは既に肉食獣の瞳で舌なめずりしそうな雰囲気だ。


(アタイの見る目に狂いは無かった。極上の(オス)の匂いときて、更に稀人なんてツイてる)



一歩、また一歩と近づいてくるマリガンに思わず後ずさるソウマ。そこには戦闘以外には感じたことのない戦場の匂いとプレッシャーがあった。


(いやいやいやいやいやいやいやいや)


据え膳食わぬは男の恥…とソウマの故郷では言われている。

全くの経験が無い訳では無いが、そこには躊躇うべき何かを本能的に感じていた。


直接的な情事(アプローチ)を受けた時、一瞬脳裏に女性の顔が浮かんだ。

混乱していた事もあってそれが誰だかは覚えていないが、その女性の顔が思い浮かんだ瞬間、サーと波が引くように理性が戻ってきたのは確か…だ。


そんなソウマの様子にマリガンが気付く。


「ちっ、こんなイイ女が迫ってるのに誰か別の女の事を考えてたのかい?興が覚めちまった…やめやめ」


そう言って引き下がるマリガン。


内心ホッとしつつも、少し残念な心境に襲われるソウマ。

まだ若い男には有り余る性衝動は、実年齢は見掛け16歳設定のソウマでも中身は30をおっさん故にギリギリ理性で留まれた範疇だった。


その男の葛藤を、引き下がる振りをして確認していたマリガンは、まだ付け入る()を見出だした。


「ソウマ、このモヤモヤは実戦方式で発散させてやるから覚悟しなよ」


ほくそ笑む内心を押し隠したマリガンはソウマへそう言い放ち、槍を手に構える。


「あ、ああ。宜しくなマリガン」


戸惑いながらも、刃を潰した模擬短剣を手に取る。


そしてソウマはエルを召喚して、アンゴラの相手をしてもらう。前回と同じHPは20%以下になれば指輪に自動送還するようにする。


こうしてソウマVSマリガン。

エルVSアンゴラの図式で朝練が始まった。



エルとアンゴラは真っ向から立ち向かうスタイルで、己の限界ギリギリまでせめぎあうように戦う。


一方ソウマとアンゴラは、ソウマが自在に手足のように軽やかに動く槍を必要最低限の動きで処理していた。

最初は様子見のマリガンだったが直ぐにソウマの実力を見抜いた。

正直使役魔物たるエルの方が近接戦においてあれだけの強さを誇るのたから、てっきりソウマの方が弱いと思っていたのだ。

しかし、接近戦において己の槍をここまで避けれる相手はいない。


そしてソウマは無意識だろうけど、戦闘における威圧感は相対した者にしかわからないオーラを放っている。

その威圧の前に身がすくむプレッシャーを感じるが、マリガンとて幾度も戦いをくぐり抜けてきた歴戦の戦士。

持ち前の気力で己の心を奮い立たせていた。


ソウマは一切攻撃してこないが、マリガンの放つ槍の一突き、一突きがかなりの精神力を削って繰り出されているのは間違いない。


(これは…何て足裁きさ。

想像以上だよ。しかし、時折見せるソウマのあの恐ろしい程の冷たい目付き…たまんないねぇ)


ソウマと目が合う度に…そして後半はそう思うだけでもゾクゾクゾクッと背筋を這う感覚がマリガンに戸惑いと…幾ばくかの快楽を与えていた。

多大な精神力の消耗の他に、攻撃する度に心が熱くなり、唇から次第に頬に、指先に、胸の先端へと移り、秘部が…と火照りを感じ始めていた。


今まで自分以上の実力を持つ男など数える程もいなかった。

いつも自分から誘うだけで、好意のある異性から思われて組み敷かれる事を望んでいた心の奥底…少しMッ気なるものを開発されたのかも知れないが。


朝練が終わる頃には、心底ヘトヘトに消耗したマリガンが横たわっていた。

何だが満足そうな表情のマリガンに、何か察したアンゴラはそのまま相方を担ぎ上げ、礼を言って出ていった。



明日はいよいよ3日目の決戦である。朝練は最後になる。

今夜には詰所に最低限の兵力を残して、他は作戦の戦場ポイントまで移動の予定だ。

攻めはしなかったが、ソウマも修練とは違い相手がいて思いっきり動いた事で充実感と解放感を得ていた。



久しぶりに弓を引きたい。



その思いが自然に湧き出てきた。

弓の師匠からは「1日引かずは3日、鍛練が遅れると思え」と、口を酸っぱくして言われたものだ。


少し懐かしく感じながら、朝食を食べた後にドゥルクの元へ寄ろうと思うソウマだった。







本日の朝食も黒パンとスープ。

しかし食糧の補給もあって潤ったお陰でメニューに干し肉が数切れと、オレンジが1つ追加されていた。


贅沢な食事だったがまだ量が足りないソウマは、アイテムボックスからこっそりと食べ物を取り出して量を食べていく。

細胞に染み込むように吸収されていく初めての感覚を楽しみながら、美味しく食事を頂けたと思う。


僅かに弾んだら足取りで第2鍛冶場へと向かうと、カァーン、カァーンと鎚を振るう音が聞こえてきた。そして近付くと途端に音が聞こえなくなった

鍛冶場の中を覗き込むと、そこにはドゥルクの背中が見えた。

手には鎚を持ち、汗ビッショリで顔は鬼気迫るほどの表情だった。若干やつれているようにも見える。


「…ドゥルク」


そう声を掛けても反応はない。


慌てて駆け寄ると、そこには鈍色の輝きを放ち、攻撃的なスタイルの見事な複合弓があった。

しかも、その弓には他の弓にはない特徴があったのだ。


吸い付くような視線と見惚れそうになる自分の心を無理矢理ドゥルクの方へと向ける。

流石に製作者の許可なしに触ることは憚れたから。


横から見たドゥルクは手に鎚を握りしめたままだらんと脱力しており、眼を見開きピクリとも動かない。


「ドゥルク」


ポーションをアイテムボックスから取り出す。先程よりも更に力強い声で呼ぶ。


すると、やっとコッチを向いたドゥルクにポーションを振り掛けた。

ポーションは経口から飲んでも、体に振り掛けても効果をもたらす薬として有名だ。


ポーションが皮膚から吸収されて、ようやくドゥルクがソウマを認識したようだ。

驚きの後に弱々しくも会心の笑みを見せた。


「…どうだソウマ。俺の自信作…だ」


絞り出すように声を出した。


「ああ、素晴らしい弓だ。弓から美しさと何より力強さを感じるよ」


その答えに満足そうに頷いたドゥルク。約束通り精魂込めて打ってくれた代償なのだろう。

一晩以上かけて鎚を振るい、磨きと調整をかけてくれたドゥルクには言葉もない。


「…気付いたと思うが説明させてくれ。

この複合弓ドラゴントゥースは、普通の完成形をしていない」


ドゥルクに言われた通り、この弓には他の弓にない特徴。それは弦が2本ついていたことだ。


「この2本の弦については酷く迷ったが、ソウマの言葉を借りれば感覚(センス)に従い、素材の声と扱うお前のイメージを元に作り上げた一品だ」


そう区切ったあと、


「弦を2本にしてもソウマの筋力なら、易々と扱えるだろうし、反動も常人では耐えられない程の仕様だ。

耐久性は折り紙つきで、この竜素材の強度はそれくらいで参るようなヤワな代物ではない」


弓本来の性能以上に仕上げる為には絶妙なバランス調整が必要だったがな…

と、ドゥルクは続ける。


「魔力矢は1度に2本放てるし、その分魔力も吸われる量は倍だ。使い手は限られるし扱う者は相当な筋力と技量が問われる弓に仕上がったが、ソウマの為だけに鍛えた自信作を使ってくれ」



俺はその言葉にただただ感謝しか無く、お礼の言葉を繰り返した。


「有り難う、ドゥルク。一生この弓を大切にする」



弓を大切にアイテムボックスへと仕舞い、ドゥルクの仕事道具も同じく仕舞っていく。


あの言葉のあとに、再び満足そうに気絶したドゥルクを担ぎ上げ、レイナードの元まで送った。

ぐったりとしたドゥルクを前に慌てていたレイナードとアーシュだったが先程の説明をし、新弓依頼後に気を失ったことを伝えると安心した表情を浮かべていた。

良い仲間をもったな、ドゥルク。


そこまで運ぶ際にハイポーションを然り気無く使うも、今度は起きる気配は無かった。

恐らく、体が眠りを求めているのだ。ドゥルクが起きた頃には回復していることを祈るだけだ。





自室に戻ったソウマは、改めて複合弓ドラゴントゥースを取り出した。

見掛け通りずっしりと重い。体感的にだが少なくとも50㎏以上はありそうだと感じる。


竜の顎を思わせるような尖った攻撃的なフォルムが男心をくすぐる感じだ。

普通の大人では片手で持てないほどの重量があるが、ソウマには全く問題ない重さだった。


手に持つと魔力を吸い込まれる感じと、金属なのに温かみを感じる不思議な手触りに驚く。

鈍色に光る弓が喜びを上げるべくどんどん魔力を吸いとって輝きを増す。







複合魔弓【竜顎弓(ドラゴントゥース)弐式(セカンド)】 特殊レア



鍛冶師ドゥルクの渾身の作品。

素材の性能を存分に引き出して作ったため、従来のドラゴントゥースよりも高い性能を誇る。

弦が2つあるため、扱いには高い弓技術とステータスが問われる。

使い手の魔力を直接吸い込み、純粋な魔力による矢を形成。


任意発動武技【ペネトレイター】










これは…いくら特殊(ユニーク)の冠が付くとはいえレア級の等級にしては破格だ。

やはり特殊(ユニーク)レアは、レアの領域を越えた性能と付与されている武技スキルが違いすぎる。



高い鍛冶技術を持つドゥルクが、限界まで魂を削ってまで込めた作品ゆえに、もしかしたら世界(エルダーゲート)が唯一無二のレア級として【特殊レア】として認定したのかも知れない。

この弓にはそれだけの価値があるのだと…推測してしまう。





そしてもう1つの依頼したあの木材を使った弓の方は、全身全霊を込めた反動はドゥルクを疲労困憊に寝込ませる程だ。

今日の夜に出発時間までに完成させるのは、恐らく無理な筈…間に合わないだろう。

残念だが、せめてドラゴントゥース・セカンドを早く実戦で使いたいものだ。




















そう思っていた時期も(ソウマ)にも有りました。



時間は夕闇近くに部屋を訪ねてきたドゥルクに驚いた。

あの後、一時間くらいで目を覚ましたドゥルクは鍛冶場を貸し切り、仲間が止めるのも振り切り新しい弓の製作に取りかかったらしい。


ハイポーションのお陰なのか体力は回復していたようなのだが、それでも万全ではない。


鬼気迫る表情の中、完成された新しい弓を早速携えてやってきたと言う訳だ。



「ドゥルク、相当な疲労だと思うが大丈夫なのか?」


「体調は大丈夫だ。寧ろ無性に鍛冶をしたい気分でな…」


出来上がった弓はあの古木を使った木製弓で長さはソウマの背丈よりは短い程度。装飾は無く一見してしなった木の棒にも見える。

握り部分には持ちやすいように加工してあり、手の内が握りやすかった。

しかし、おかしな事に弓を引く際に必要な弦が無かった。


未完成なのか?それとも素材が足りなかったのか?


訝しく思っているとドゥルクが説明を始めた。


「この弓には弦がない。しかし此こそが理想だ」


ん、良く解らないぞ?何で引く弦が無いのに理想なんだ?


顔に出ていた疑問に、笑って木弓を手渡してきた。


「この弓の完成形は不思議なことに既に頭に見えていた。

素材の声に傾けながら殆ど直感(インスピレーション)で仕上げた。

ソウマ、使い方はその弓に聞いてみるのが早い。きっとお前にしか使えない仕様になっている筈だ」



不思議だったが手渡された木弓に眼を通す。

手触りは暖かく、包み混んでくれる質感がそこにはあった。

握りしめると上弭(うわはず)から弦輪に向かって緑色状の魔力光が伸びて弦を生成した。

そして、ドラゴントゥース・セカンドには無い軽さがある。








祝福の精霊弓【木精弓(グリーン・ウッドボウ)】 特殊レア



大いなる意思の残滓の願いにより秘めた能力と木精霊のチカラを宿した木材で作られた精霊弓。

主人と認めたソウマにしか真価を発揮出来ない。

魔力を精霊の癒しが宿る矢へと変換させ、矢を形成する。射ぬかれた者の状態異常回復と傷を癒す光を同時に与える*(思念操作スキルで自動追尾矢を形成可能)



発動武技【大いなる実り】(装備時SP保有量増加)












「この弓…まさか回復魔法の効果があるのか?」


「やはり…わかったかソウマ」


ん、ドゥルク?


「今ので確信した。ソウマ、お前も加護を持っているんだな」











戦場へ出発するまで時間はまだあったため、俺はドゥルクを誘い、宛がわれた自室に戻ってきた。


ソウマはベッドに腰掛け、ドゥルクは椅子を勧めた。


「さて、どうして俺が加護を持っているなんて言うんだドゥルク?」




「ソウマ。俺はあのドラゴントゥース・セカンドを完成させて眠りに着いたとき…膨大な経験値と共に鍛冶スキルも大幅にレベルアップを果たしたよ」


一旦区切り、こう続けた。


「だからこそ…なのかも知れない。

これから話す事は現実離れ過ぎて信じてもらえないかも知れないが、俺は夢の中で巨石の神殿にいた。

そこで鍛冶を司る亜神の一柱、キュプロークス様に拝見し加護を頂いた」


珍しく興奮気味にドワーフであるドゥルクの額中央に1つ眼の刺青のようなモノが増えていた。

これが加護の証なのだという。


「この加護は補正値としての能力アップや俺の鍛冶の腕前を底上げすると同時に、キュプロークス様の権能の1つである【下位鑑定眼】を授かる事が出来た」


【下位鑑定眼】は、魔眼スキルの一種で解放して見えたモノでレア級までのどんな情報も閲覧する事が出来る優れたスキル。

プレイヤーであるソウマにとっては余り必要のないスキルだったが、この世界の住人には大きな意味をもたらす。

そして只の【鑑定】スキルと違い、この加護とスキルを持つものは特殊レアスキルを備える装備にすら干渉出来る権利を有する。

それはあのアデルの町の国家資格鍛冶師ジュゼットすら出来ない事だ。




つまりドゥルクはこれまでのソウマの活躍を省みて、ソウマも何らかの加護と特別なスキル等を有しているのではないか?と、考えた。

そうして考えていく内にそれは確信に変わっていったのだと教えてくれた。




世界(エルダーゲート)の数ある神の中でも、人間種に始めて鍛冶を教えたとされる鍛冶神の系譜の一族がある。

現世において肉体を持ち、長い期間生き抜き、活躍を残した事で神に近い性質まで魂の位階を上げた最も神に近しい生物こそが亜神と呼ばれる存在なのである。

その中でもキュプロークスは一際大きな身体に片目の巨人として伝えられており、伝説に残る優秀な武具を開発した偉人とされている。

亜神まで昇り詰めたキュプロークスは、神の末裔として優秀な鍛冶師として己が認めると加護を与えてきた。

神の加護…特に鍛冶神系統のそれを鍛冶師の中では最大の誉とされるようになった。



「有り難うソウマ。神より加護を承れると言うのは…俺の生涯目標としている夢の1つが叶った」


「いや、それはドゥルク自身の力だ。おめでとう…ところでその加護って何だ?確かにドゥルクが睨んだ通り自分にもあるけど、良くわかってないんだ」


ソウマは知らなかったので、呆れたドゥルクがかいつまんで教えてくれた。

神の加護は、認めた者に己の神力を削って授けられるモノで、亜神<神<大神などと言った神様のランクで加護の強さは異なるとの事。



ドゥルクの得た加護は亜神と一番低い神のモノだが、加護自体がそうそう与えられるモノではないので特別優秀な者だと認められた証。


そして加護持ち達の中でも【使徒】と呼ばれる者達は、神より特別強力な加護を授けられた者達を指すとの事。



「俺も伝え聞きだが、現在、眠りについた神々や太古に封印された悪神(アビス)やその使徒達は世界で厳重な管理の元に神々が遣わした守護者が守っていると聞く…まぁ、実際に嘘か本当かはわからないが」



それと加護は上記に上げた神々の他にもそれに近い実力を持つ生物ならば授けることが可能だそうだ。

何千年や何万年生きた竜種(エンシェントドラゴン)や最高位のハイエルフ等…まぁそんな生物は滅多にいないんだが。



「解ったような…気がするような?何のせ加護持ちは滅多にいないってことだよな」


「まあ、そう受け取って貰っても構わない。

優秀な者でも加護を持ってない者もいるから、基準は明確にはわからないが…な。

ただ、俺のように亜神の加護持ちは神の加護持ちよりはいると思うぞ?」


そこまで話した所でドゥルクがふらっと身体を横に揺らした。慌てて身体を支える。

万全な状態ではないのに、弓を仕上げて気力だけで俺の所へ来た影響だ。



「ふう…すまん、ソウマ」


「気にするな…ん?早速弓の効果を試す機会があるようだ」


手に持つ木精弓(グリーン・ウッドボウ)がうっすらと輝いた。

確か思念操作スキルがあれば矢を形成出来るって書いてあったよな。

思い念じて見ると、身体から弓に向かって魔力が迸る感覚がある。


取りあえずはまず、自分自身に向けて矢を放つイメージを固めた。

かなり魔力が木精弓に吸われいく感覚と共に、魔力で形成された弦が瞬時に形成。

同じく緑色の淡く輝く矢となって放出された。


その放たれた矢は寸分の狂いなく俺の心臓へと突き刺さった。


「ソウマ!何を…」


突然の奇行にドゥルクが驚いているが、俺に矢が刺さった痛みなどは全くない。寧ろ、柔らかく包まれる安心感があった。

そのまま光が身体を包む。カタリナの木精霊の癒しの光だ。


発光が止む。ソウマは腕を確認すると、赤紫色と暗赤色に彩られたボロボロの両腕はすっかり元に戻っていた。


(スキルのお陰で弓を引かなくても放てるのは有り難いな…それに回復量も只の回復魔法の比じゃない)


恐らくここまで回復量があるのは、新たに得たスキル【セフィラ】の効果2倍のおかげだと思う。

回復手段が増えた事に素直に喜びがわく。

ただ、吸われる魔力量は尋常ではない。魔力量が多くなったとはいえ乱用は控えるべきものだ。


「ドゥルク、攻撃しか出来ない概念の弓ではなく、弓でもお前の作ったのは回復出来る素晴らしい弓だ」


「ふっ、なら製作者の俺にもその効果を味合わせて貰おうか。くたくたなんだ」


味方に向けて矢を放つなど…忌避感があるが、更に頭の中で目の前にいるドゥルクに向かって放つイメージを固める。またかなりの量の魔力が吸われ、光の弦が形成。


「痛くはないからな」


冗談を言ってお互い笑ったあと、矢を放つイメージを放った。


すると、緑に淡く輝いた矢が弓を離れドゥルクの身体へと突き刺さる。


ぐっ…と呻き声を上げ身を屈めた。おいおい、痛くはないはずだが?良く見たらドゥルクは顔だけ上げて笑っていた。

むぅ、心配させやがって。


その時ちょうど


「おーい、ソウマ入るぞ?親父が呼んで……」


ゾラが見たのは、ソウマが弓を構え、ドゥルクに矢が突き刺さって屈んでいる光景だった。


「ソウマ…何があったか知らんがドゥルクは友達だったんだろ?何も殺さなくても」


「待て、誤解だ」


「いや、俺は何も見てない。見てないぞ」


後退りしていくゾラを見れば、納得してないのは明らかだった。


「いや、だから違うんだって。おいドゥルク、笑ってないでお前からも説明してくれ」


そうして2人で何とかゾラに誤解を解いて、ドゥルクと別れた。

ゾラに連れられてトンプソン将軍の元へと向かう。



案内されるまま部屋に入ると、厳しい顔をしたトンプソン将軍とナルサス副官。

そして、鎧は破れ傷だらけの格好の騎士1人が椅子に寄りかかっている。


「うむ、ゾラよ良く来た。

今グランからの命を受けた兵から報告を受け取った所だ…良く報告に戻った。誰ぞ、休ませる為にも医務室へと運んでやってくれ」


そう言って部屋の前を守る兵を呼び、肩を貸させて何とか歩いていった。

あの様子を見れば、もう戦端は開かれたのかも知れない。


此方に向き直ったトンプソン将軍はしかめ顔を隠せていない。


「さてソウマ殿。お待たせした。

あの騎兵の様子を見ただろう?本来ならば明日戦闘になると踏んでいたのだが、どうやら奴らは夜を目掛けて戦を仕掛けて来たようだ。

偵察隊も出しておったが、殆どは強襲にあって全滅のようだ。

只のゴブリンどもが闇夜に紛れておったとは言え、我々の武装した兵士と騎士に勝つとは…。

騎士の報告では、襲ってきたゴブリンは緑小鬼の他にも、かなりの武装が整えられた個体がいたらしい。

武装したゴブリンで統率力も高いとなると…ゴブリンリーダーなどではなくもっと上位個体がその群れを率いている可能性がある。

500程度の群れならばゴブリン将軍(ジェネラル)級が生まれて率いていてもおかしくない。

その襲撃に対して偵察部隊は半壊。

あの者1人が何とかその場を切り抜けて、現地の連隊長のグランに報告したのち、怪我した身体を休めずにそのまま此処へと報告に参ったのだよ」


「私達はこれより緊急会議を開き、冒険者達に情報の公開と事情を説明する予定です。

出立を早め、直ぐに再編した兵士と騎兵と共に出発する予定です。ソウマ殿…申し上げにくいのですが」




ナルサス副官がソウマに対して言いにくい雰囲気を醸し出している…が、決意を持って話し出す。


(言いにくいって事は厄介事を頼みたいってことだよな)


ソウマの予想は外れ無かった。

ナルサス副官より、誰よりも早く駆ける事の出来るソウマを見込み、グラン率いる歩兵部隊の援軍をお願いされたのだ。


普通の冒険者や傭兵なら、闇夜を駆けて1人で危険度が高くなった戦場へと行けと言われれば否…誰だって生命が優先だと答えた筈。


ソウマにしても未知の敵である上位ゴブリン級。

少なくとも想定していた危険度の緑小鬼(ゴブリン)戦では無くなりそうだ。


(しかし、トンプソン将軍に恩を売るには丁度いいのかも知れない)


「その依頼…承りました。だが、報酬はどうされますか?」


間髪入れずトンプソン将軍が答えた。


「追加報酬として出そう。何か希望はあるかな?」



「ならば…あの祠の秘密の場所へと立ち入る許可を得たいのですが」


「…どこで知った。いや、待ってくれ。ナルサス副官、貴公は外に出ておれ」


ソウマの出した報酬に反応したのは渋い顔をしたトンプソン将軍のみ。

ナルサス副官は不思議そうに将軍とソウマを見ていた。

しかし、将軍の命に従い(納得はしてなさそうだ)部屋の外へと出ていった。

シーンと静まり返った空間にソウマとトンプソン将軍のみが残る。


「あの場にて偶然です。

保養へと出掛けた地で台座の下から出てきたヤクモ殿達と出会い、私はあの場所に行きたい理由が出来ました」


話を聞きながらじっと睨み付けるようにソウマを眺めていたトンプソン将軍は、諦めたようにため息を吐く。


「どうやら、嘘は言ってないようだな。よかろう…あの祠の中へ立ち入る許可と滞在の許可を報酬としよう」


トンプソン将軍の指に嵌めてある無骨な外観だがルーン文字が刻まれている指輪を外した。


「我が家の当主と竜狩りの一族の長だけが持つあの場の扉を開くマジックアイテムだ」


トンプソン将軍から直接手渡される。


「もう前払いとして渡しておこう。

しかし、それはやるわけにはいかない代物。

ソウマ殿の用事とやらが終わったら速やかに返却して欲しい」


「…私を信用して頂いて有り難うございます。この指輪は大切に預ります。

しかし、あの場には何があるのですか?」


こんかにあっさり許可が得られるとは思っていなかったので、戸惑い気味に尋ねる。


「ソウマ殿はあの場にて語り継がれる伝説をご存知か?」


「ええ、ゾラから聞いております。

鉱山が落盤事故のように鉱山が崩れ、そこにいた人達を巻き込んだ…悲しい伝説でしたよね?」


「うむ、かの地には秘密がある。それは非常に…な。

そして、その話はこの緑小鬼(ゴブリン)を討伐した後にソウマ殿の活躍を考慮して話そう。

なんせ一族以外には限られた者しか知らない秘密…故にな」



むむむ、そう来たか。ここまで聞いたらもう後には引けないし…どうしても戦果を上げる必要が出てきた。

ただ気前のよいだけではなく、まんまと将軍の思惑に乗せられた形になったが、自分の欲しい情報と立ち入り許可、そして将軍が望む戦果は一致している。


「俺がこのまま持ち逃げするとは考えなかったんですか?」



「ふん、ソウマ殿はカタリナ様が公認されている者。そんな真似が出来よう筈がないではないか」


鼻で笑ってそう返された。俺を…というかカタリナを信頼しているんだろう。

いや、全くおっしゃっる通りです。


「やる気が増した所で、早速失礼します」


「それは何よりだ。他の誰よりも…第3職業者でもあるソウマ殿にしか頼めぬ。

我が兵隊を救って欲しい。我らも直ぐに救援に向かう」


その言葉は将軍の本心だった。

あのレイナードとの戦いを通して感じたソウマの実力の片鱗は信頼に足るもの…恐らく苦境に立つ自軍の支えになると信ずる。



一礼して去っていくソウマはドアの入口で立ち止まった。


「そうそう…将軍が来る前に敵が全滅していたら、更に追加報酬を頂きますから」


茶化すように…且つバッチリ任されたと言わんばかりのアピールをしてそそくさと出ていった。


ポカーンと一瞬呆気にとられた将軍だったが、「若造が…」と嬉しそうに呟いたことは誰の耳にも触れる事は無かった。



緑小鬼との長い夜が始まった。

夕闇から夜の闇へと変わる時間帯。

とある場所が戦場となろうとしていた。


その場に佇む兵隊。その中でも明らかに強者とわかる一際プレッシャーを醸し出す男がいた。

顔に刻まれた無数の傷の男が、戦場を幾つも駆け抜けた歴戦の戦士だと感じさせる。

かの者の名はグラン。トンプソン将軍の歩兵部隊を任された連隊長だ。


その彼は眼を一層細くし、眉を寄せて渋面を作っていた。見渡す眼前には夜へと入り視界は見にくいが、土煙が見え始めていた。


篝火の届く範囲までくると相手の姿がハッキリと見える。


奇声を上げながらゴブリンが欠けた剣や綻びかけた鎧モドキを着て走ってくる。


「総員、戦闘準備。偵察隊の情報により敵は北北東から攻めてくる…早速現れたか」


「盾部隊前へ」


補給物質から大盾を配備された部隊が整列して前へと壁のように立ちはだかった。


「よし、弓部隊もう少し引き付けて…放てぇ!!」


大喝と共に一斉に天より無数の矢がゴブリンに放たれた。

ゴブリンの顔に刺さり、胴体に刺さり、足に刺さっていく。

倒れたり即死するモノは少ないが侵攻は一瞬止まった。しかし、後続より続くゴブリン達が倒れた仲間を踏み下ろして前へ前へと駆け出てきた。


「ちぃ、やはり数が多い…お前達、雑魚が来るぞ。俺達の後ろには最早森林と石街道があるのみ。

将軍ならば援軍は直ぐに寄越して下さる。

だから本隊が来るまで持ち堪えさせろ!」


オオーー!!


喝を放ち、兵士達の士気を上げる。

戦闘職業であり一定以上の水準を持つ優秀な指揮官系統のスキル【士気高揚】も併用する。

これで部隊の士気を維持し自らも前線に加わるグラン。

激突する両者。すぐに混戦となる。


500以上のゴブリンVS歩兵部隊100に騎兵部隊20騎。そして後衛に衛生兵10名を加えた部隊。

本来ならばそこに将軍の本隊と冒険者が加わる予定だったのだ。


(とは言ったものの、圧倒的に此方の人数の方が不利だ…ゴブリンとは言え部下も何人も失うだろう。しかし、我らは負けられんのだ)


一匹のゴブリンが欠けた剣を手に襲ってきた。

気合いを入れ直し、少しでも負担を減らすためにグランは剣を振るう。


ふんっ!


愛用している鉄製の長剣がゴブリンの右腕を断ち切り、怯んだ所へ止めを刺す。

グラン程の歴戦の戦士となればゴブリン等は雑兵に等しい。


周りを見れば地形を活かし、数の勝るゴブリン相手に引かずに優勢に対処している部下達がいた。

精強と知られるトンプソン将軍の兵士達は、グランの出す指示に従い、忠実に己の責務を全うしている。


(負傷者はいるが、まだ誤差の範囲内…しかしこの戦場の空気は何だ?)


考えながらもまた一匹ゴブリンを袈裟斬りにして切り捨てた。


優勢の筈の自軍が…鍛えられた歴戦の戦士としての勘がグランに違和感が伝える。


危機感を募らせたまま、一時間が経過した。

その違和感は当たり、ある程度の数のゴブリンを殺したあと、同胞(ゴブリン)の死屍累々の屍を越えてソイツは奥より現れた。


長剣にレザープレートで全身武装したゴブリンだ。

体表は赤い。それは戦闘を愛する火の恵みを宿しているからとされている。

その身体は筋肉に覆われ、体格もゴブリンより一回り大きい。

ゴブリンの上位種の1つ、レッドゴブリンに間違いない。レッドゴブリンが戦場に加わった。


「あのゴブリンが、偵察隊の報告にあった武装ゴブリンに間違いないだろう」


グランとてレッドゴブリンとの戦闘は何度も経験している。確かにゴブリンよりは強いが、ただ其だけの存在だ。


しかし、現れたレッドゴブリンは今まで見たどのレッドゴブリンよりも体格も良く、武装も整ったものだ。しかも、手にしている長剣はうっすらと輝いている。


いま、歩兵の1人がレッドゴブリンへと斬りかかる。

異様に膨れ上がった手が振り上げられると、切り結ぶ間もなく歩兵が切り伏せられた。軍が支給した鎧すら一撃で砕かれたのだ。

恐るべき戦闘能力と装備を持つ個体。只のレッドゴブリンではない。


こちらの損耗と消耗も馬鹿にならない。



仲間の仇を討とうと殺到する歩兵に制止をかけ、弓兵に矢を射たせ、弾幕を張って部隊を一時後退させた。


そして、スイッチのように盾部隊を展開させ、前線部隊の入れ替えさせる。

撤退戦、掃討戦を想定して相当訓練を重ねた部隊は見事に前線との入れ替わりを果たせた。


「下がった兵は各自ポーションを使え。怪我の酷いものは各リーダーが衛生兵へと連絡し治療に当たれ」


時間稼ぎが出来ればそれでいい。此方は待つだけで勝機が上がるのだ。無駄な兵の損耗は控えるべき事態だった。


現在厄介なのはあのイレギュラーなレッドゴブリンのみ。

そう認識していたのだが、悪い予感はまだ終わらない。


歩兵数人を割いて何とかレッドゴブリンを押さえていた所に、ゴブリン共の後方から風の矢を纏う魔法が次々と放たれた。

それにらよって倒れた歩兵を足気にし、戦闘に加わり始めたレッドゴブリン。


(魔法を使えるゴブリンもいたのか…これはかなりマズイぞ)


「弓兵、魔法を撃ってきたと思われる北西に向かって矢を射続けろ。最悪、矢が無くなっても構わん」


そう命令したのちグランは指揮官としての自分を捨て、副官に指示を任せて自身はレッドゴブリンへと立ちはだかった。

このままにしておいては前線は崩壊する。


そうしてグランとレッドゴブリンが死闘を繰り広げた。

何度も危うい場面はあったが戦闘経験ではグランの方が一枚も二枚も上手だった。途切れそうな意識を繋ぎ込めて、戦技を用いてやっとレッドゴブリンの異常に発達している片腕を切り落として武器を失わせた所で、レッドゴブリンの命に止めを刺せた。


(はぁはぁはぁ、いくからか風の矢による魔法も来なくなった。恐らくは矢の一斉発射によって魔法使いのゴブリンは射ぬかれて途中で死んだのだろう)


その間に部下の歩兵が周りのゴブリンを斬り倒して合計100の屍が散らばっていた。

異常なレッドゴブリンと魔法使いのゴブリンを倒した所で一旦ゴブリン達は引いていった。


此方の矢が無くなったのは痛いが…今頃、あの偵察隊の騎士が報告を行ってから援軍が来るまであと20時間弱はかかると正確に推測していた。


戦闘不能の負傷者を除いても、兵数はまだ100は残っている。


何とか援軍が来るまでは持たせられるかも知れない…と、安堵が胸を支配した。しかし、安心するのはまだ早かったと思い知らされた。


残った兵の再編をしつつ、見張りに立たせていた兵から急報が入った。


ゴブリンに動きあり。再侵攻中にてしかも推定数300。内50はレッドゴブリンの可能性あり…と。


イレギュラーとは言え、歴戦の戦士たるグランが死ぬ気でようやく倒したレッドゴブリンがあと50匹はいる…救援も間に合わないと、残りの兵全員が絶望を感じていた。





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