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プロローグ5 後半

スマホ入力の為、更新が遅くてごめんなさい。

7月10日少し修正、加筆が入ります。

シュッと音が鳴った途端、もの凄いスピードで奴がニルヴァーシュに接近していた。



『お前が1番厄介そうだ』



彼女はハイエルフとしての種族の敏捷性や、予め掛けておいた身体強化魔法を駆使して距離をとろうとするも、其れよりも速い攻撃で奴がニルヴァーシュを吹き飛ばした。


吐血を吐きながら洞窟の壁に叩きつけられる。追撃を加えようと奴が更に接近するがユウトが盾を構え横から入り込んだ。


「巫山戯んなって言ってんだろ!!」


防御したユウトのライフゲージが1割弱削られる。奴とユウトの力は拮抗…ややユウトが優勢だ。

反撃を加え、攻防が始まる。


その間にニルヴァーシュに駆け寄り、ハイポーションを飲ませる。


ユウトの援護に向かうもこれだけ速い相手には弓では同士討ちになる可能性が高い。


流星刀レプリカに持ち替え、斬り込む。

回復したニルヴァーシュに支援と魔法を頼み、突撃していく。






暫く戦ってみると奴の多重障壁の厄介さが浮き彫りとなった。

攻撃や魔法が当たっても障壁に弾かれるのだ。無論、障壁も無敵ではなく、一定ダメージを当て波状攻撃を繰り返すと砕け散る。


その間に攻撃を加えるも、再度障壁を張り巡らせる前に与えられるダメージは少ない。それでも繰り返し奴の左腕を斬り落とすことに成功した。

斬り落とした腕はその場で霧散し消滅した。


此方も回復アイテムの在庫が乏しく、皆の疲労も限界に近かった。

フレンドチャットを開く。


(ユウト、このままじゃジリ貧だな)


(まぁ…な)


(勝ちを拾うためには大技…短期で決めるしかない)


(リスク高いな…ま、そういうの好きだけどね)



ユウトと作戦会議しながら状況を整理して行く。


時折奴の身体が焔に包まれ、焔蛇のようなモノが飛び出して攻撃してくる。


避けても当たるまで攻撃をやめない焔蛇は普通に切っても炎熱ダメージが入るだけだった。アレは本当に軽く火傷するくらい熱かったな…。


初期の戦士系職で覚える戦技【ソニックスラッシュ】を発動させて焔蛇を斬り裂く。

斬る空間を断絶し、そこに炎熱を誘い込んでダメージ軽減をする。


(魔法が覚えられなくなる…リスクなんて関係ない)



決意が決まると、ユウトに時間稼ぎを頼み、ニルヴァーシュに小声で耳打ちする。


「暫くユウトに回復魔法をお願いします」


「あいわかった。何か策があるんじゃろ?」


笑って承諾してくれた。



【巨人魔法 巨人の腕 の習得を開始します】


【……習得容量とステータスが足りません。魔法習得領域を変換します。現在覚えている魔法を除いて今後魔法を覚えることが出来ません】


そのナレーションの後、頭のなかに引き裂かれるような痛みが走る。


何者かが脳を這いずり回っているかのような…次いで身体にも血管や神経、筋肉にありえないほどの痛み、金属の管を通される痛みに対に膝をおってしまう。

ゲーム内ってこんなに痛みを感じるのか?

意識を保つだけで精一杯だ…



(ソウマ、大丈夫か?!)



心配そうなユウトの声に意識が鮮明になった。ニルヴァーシュも真剣な表情でこちらを伺っている。


(ああ…大丈夫だ。待たせた)


【巨人の腕 を習得しました。巨人の力の継承を確認。スキル思念操作を習得。魔法習得領域が余っていたため、ステータスに変換してあります】


身体が嘘のように軽い。

さあ、反撃の開始だ。


ユウトは盾の固有スキルフロストバリアを展開する。その後、盾をしまう。



『…何のつもりだ』


奴が訝しんでいる。


「さて、何でしょうか…ね」


取り出したのは一振りの黒き大剣。


障壁に当たるものの関係なく、全力攻撃をする。

振り下ろし、引き、そしてまた斬る…と【怪力】を併用し大剣の重量を上手く使いこなして攻撃していく。

途中反撃を受けるも頑丈な大剣の腹を使い、受け流したり逸らしたりと器用に防御を行う。


ニルヴァーシュに殲滅魔法をお願いし、私は奴の死角にまわる。

【巨人の腕】を発動。HPとSPがごっそり吸い取られていく。



宙に顕現した【巨人の腕】を思念操作を使い、思いっきり奴を殴った。


派手な音を立てて多重障壁が一撃で割れる。


『貴様!その身体能力…腕…魔導書を使用したのか』


奴の驚いた顔が見えた。

その隙にユウトが黒鉄の大剣・改を構え、武技【ディープインパクト】を発動させた。


力を収縮させ繰り出された一撃は奴を吹き飛ばし、大剣ごと洞窟の壁にめり込ませた。


「…我慢していた分、お返しだ」


ユウトをよく見ると、この短い間に攻撃を集中させられた蒼鋼のナイトアーマー、フルヘルム、グリーヴなどはボコボコに凹むなどしてボロボロだ。

ユウト自身のライフゲージもレッドゾーンに突入していた。


頑張ってくれた満身創痍のユウトに心から感謝して、間髪を与えず奴の右腕を斬り落とす。そのまま精霊石に武技【流星刀・イルマ】を突き刺した。


漆黒の精霊石が半分に割れた!

後はニルヴァーシュに頼んだ殲滅魔法でトドメを指す予定だ。


そう勝利を確信し、油断したところで…後悔をした。


割れた精霊石の半分が瞬時に漆黒の短剣となり、ニルヴァーシュに襲いかかったのだ。

長期詠唱でトランス状態だった彼女は避け切れず、短剣は身体を貫通した。更に突き刺さった短剣から石化の呪いが進行し、傷口から徐々に石化が始まる。


「こっちは任せて…ソウマは奴を…」


ユウトが途切れた声で伝える。

ニルヴァーシュを抱き起こすも彼女は目をつむったまま起きない。


激情のまま、下半身を斬り落とす。

【巨人の腕】を発動したところで奴の身体から焔が迸り、自分の身体を焼く。焦げた匂いと炎熱ダメージが苛むも気にならない。


このまま【巨人の腕】で残った漆黒の精霊石を握り潰す!

同時に流星刀レプリカで首を断った。


『…不完全体の分体とはいえ、我の干渉を破り倒すとは……』


奴の身体が徐々に崩壊していく。


2度も【巨人の腕】を使った事で体は限界を通り越していた。

装備ボーナスの星の加護のおかげで徐々に回復しているが、余り変わらない状態だ。


『…我を楽しませた褒美をやろう…』


そう言うと、漆黒の面だけを残して消滅した。


「…やっと終わった…のか?」

呟き、座り込んでしまった。


ニルヴァーシュは無事なのか!とユウトの方へ顔を向けた。


「…ニルヴァーシュの傷は大丈夫だ。だけど、意識が戻らない」


側には抜かれた短剣が転がっている。


漆黒の短剣

???の一部が地上に降臨した際に産まれた短剣。攻撃の際に敵にバットステータスをランダムで付与。これ以上の情報は現在閲覧出来ません。


深淵の仮面

???の一部が地上に降臨した際に産まれた仮面。これ以上の情報は現在閲覧出来ません。



…何だこれは?



漆黒の短剣や闇色の仮面にも簡単な説明文は出るものの、詳しい能力はこれ以上わからなかった。専門家の解析師に見せなければわからないのだろう。


解析を諦め、アイテムボックスにしまいこんだ。


「ま、皆無事で何よりだよ」


「…だな。街に帰ったら何か奢らせてくれ」


ユウトがニルヴァーシュを背負う。

彼女1人をここに置いて行けない。


洞窟から出る際に眩い極光が私達を襲い、ソウマとユウトは意識を刈り飛ばされた。

これにてプロローグは終わります。

長いプロローグを呼んて頂き、ありがとうございました。


7月11日混沌の仮面→深淵の仮面に変更しました。

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