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エルダーゲート・オンライン  作者: タロー


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48/88

その後 レガリアのステータス

ようやく更新出来ました。いつも読んで頂いている皆様ありがとうございます!

リアルで忙しく、今日更新出来なかったら暫く更新が難しかったので更新させて頂きました。

また誤字脱字が目につきましたら教えて頂きたくおもいます。


少しでも楽しめる作品になれるよう、努力していきたいと思いますので、またよろしくお願いいたします。

深い深い息をゆっくりと吐き出した。戦闘が終わったと思った途端、大鉈を持つ手が非常に重たく感じた。

考えたら、長時間戦っていた。

返り血で血だらけのソウマは横たわった竜鳥の状態を確認する。

潰れた顔は脳漿をブチまけ、以前の原型はない。


更に念のため動かない竜鳥の胸を切り裂くと、不自然に盛り上がった部分が見える。

その周りを夥しい量の赤黒い血管様の細かい管が覆っている。

それらを取り除くと宝石ような輝きを持った四角錐状のモノが見えていた。


これがフィアラルが血竜剣を元に作成した血竜核である。


余りに禍々しいオーラを放ち、手を触れるのも躊躇する。

しかし、サンダルフォンの分体と戦った経験を活かすとこの核らしきモノを放っては置けない。


まず大鉈でその部分だけ肉ごと切り離す。

こびりついている邪魔なモノをどかして取り出すと、グチャとした感触が伝わり気持ち悪い。

我慢しながら、金属のような生体臓器を思わせるな生々しい血竜核に狙いを定め、直接斬りつけた。


堅いモノによる当たった反発音が聞こえ、大鉈を拒絶する。

非常に硬い…何度も斬りつけていると、大鉈が少し欠けてきた。

大鉈で駄目なら、現在の手持ちの武器では砕く手段が無い。

仕方がないので、そのままソウマのアイテムボックスへとしまった。


流石に疲労感と痛みがソウマにどっと押し寄せ、前のめりに倒れこむ。

苦労はしたが、何とか犠牲を出さずに倒すことが出来た。

改めて巨人魔法を得た恩恵のステータスの異常さと有難さに感謝する。


しかし、今回の戦いで自身の守りたいモノを守れる強さというモノが必要だと感じた。

このままではいつか…自身も含めて死んでしまう予感がした。それは嫌だ。




と、そんな事を考えながら、ポーションを自分に振りかけている間にレガリア本体が復帰し、ソウマと手分けして竜鳥を細かく解体していく。


硬質な筋肉を斬り裂き、巨大な骨や内臓とを分離させていく。

竜鳥の血液も注視すると説明文が見える。

この素材は魔法に溶けやすく、加工処理をすることで様々な分野に使えると記されてあった。

何かに使えるかも知れないため、ポーションの空き瓶にストックしていく。


大鉈を振るいながら、心臓部と思われる所には金属質のような光沢のある臓器が見えた。

切り裂くとドロリとした赤黒い血液と共にの握り拳大ほどの大きさのモノが流れてきた。


閻魔えんま


臓器に高濃度の魔力が貯まり、体内で蓄積されたモノ。純度の高い凝縮された魔法金属のような性質を持つ(闇属性)


と説明文を読むと書いてある。

これもアイテムボックスへと収納しつつ、竜鳥の部位一つ一つを説明文を見ながら解体し、大まかに分解できた。



赤闇ダークレッドの巨大な両翼と黒鉄アダマンタイトのような硬度を誇る竜鳥の両脚を素材としてソウマが収拾していく。



また、魔力変換回路を含む器官や魔法発生臓器などと変わった素材もあった為、生体加工すると魔法アイテムの材料にもなるそうだし、高価格で売れる素材だろう。

特に深緑色に輝くたてがみや軽くて硬い黒鱗、黒色の羽毛等からは良い武具が作れそうだ。

レガリアにアイテムボックスへと収納してもらう。


いらない内臓と膨大な筋肉は宝箱形態の(ミミック)レガリアの経験値とさせてもらった。

噛めば噛むほど味わい深く、喰いでのある量と魔力を含む高品質な肉に大喜びで平らげていく。



バリバリと小骨ごと筋肉を齧っているとスキル【風耐性(小)】と【闇耐性(小)】の両方のスキルがレガリアにラーニングされた。


高い確率でスキルが手に入ると思ってはいたが、無事スキルゲットに安心した。これで魔法に対する備えがまた増えた。





ちなみにサンダルフォンの時と違い、肉体は消滅せずに残っていた。あの時とこの時の違いは一体何なのだろうか?



ついでにリガインが着ていた壊れた金属板鎧と、竜革の鞘も回収しておく。

金属板鎧についてはレオンからお兄さんの形見の品だと聞いていたので、後で返す予定である。


コウランは治療魔法と回復魔法の使い過ぎで蓄積させておいた魔力も底をついていた。

魔力回復ポーションを飲み過ぎたのか、差し出したポーションを見ただけで気持ち悪いと、拒否された。

今は自然回復に身を任せ、休んでいる。


大盾を持っていたダンテの左手は原型が留めていることが不思議なくらい重傷だった。

白熱した手甲と溶け合いそうになっていたため、慎重に手甲と接合した部分とを切り放す。

手の皮膚と手甲がくっついていた。熱して消毒した短剣を使い、慎重に剥がしていく。

薄皮一枚から抉る部分まで…想像しただけでも痛そうだが、ダンテは歯を食いしばり、決して声を上げようとしなかった。

おびただしい血と骨が見えるほど損傷しているため、神経や筋肉の損耗が激しく痛々しい。


その後、完全に治療するためにハイポーションを使うことを伝えると、高価なモノを使うことにダンテは遠慮していたようだが…横からハイポーションを奪い取ったコウランが勢い良く左手にかけた。

しかも予備においてあったハイポーションと合わせて2本もだ。


患部に染み渡るハイポーション。絶叫が迷宮洞窟内に響いたが、左手は神経の損傷すら回復させ完治させた。


「私を心配させた罰よ…悔い改めなさいダンテ」


おっかない…周りをもドン引きさせるようなゾッとする口調と風格に、誰も文句は言えなかった。


気を取り直してダンテには借りていた片手槍と、アイテムボックスから新しい鬼手甲を渡した。

大穴の開いた大盾は赤熱鋼でないと修復出来ないため暫くはレガリア預かりとなりそうだ。


レガリアも修羅鬼の記憶を紐解き、材料を集めれば赤熱鋼を作り、修復可能だと言ってくれた。

ダンテとコウランは充分に休憩を取った後、この迷宮で赤熱石を集めることになる予定だ。





レオン達に回収した破損した金属板鎧ラメラアーマーを返す。大事そうに胸に抱いたレオンは涙ぐんていた。

イルナも感極まり、お互い抱き合って泣いていた。

彼等も暫く休養したあとは、郷へと帰り報告するようだ。







色々と感傷に浸っているとナレーションが響いた。


【レガリア(修羅鬼形態)の職業レベルが限界値を超えました。

大太刀使ブレードマスターいがランクアップします。

修羅鬼 蒼炎 BOSS討伐 固有称号獲得 …限定条件クリアを確認、固有専門職 へと昇華されます。

これに伴い、肉体とスキルのバージョンアップ、追加を書換します】



固有専門職…普通の職業ではなく、隠し条件をクリアしたり、称号がないと就く事が出来ない上位のレア職のことだ。

他にないスキルを習得出来たり、強力なステータス補正などが挙げられる。


いつの間に称号なんて手に入ったのだろう?

修羅鬼形態であるレガリアの新たな進化に驚いているとナレーションがもう1度鳴る。



【巨人魔法が成長規定値を超えました。

2段階目【巨人の両腕】が解放されます。

巨人の腕→巨人の両腕の獲得には条件が存在します。

達成次第、自動書換オートリライトを実施します】



巨人の腕に関して変化が見られた。


今まで一つしか顕現できなかったが、獲得条件を満たすことで巨人の腕から巨人の両腕へと変更することが出来るようだ。

これが出来れば大幅な戦力アップとなる。


何々、獲得条件は…上位巨人を含む巨人の討伐。定められた希少部位の奉納。


脳内に表示されたリストを見ていくと詳しく見ていくと、元の世界でも聞いたことあるような…どの相手でも良いんだろうが、名前からして超強そうな相手である。


しかも何処にいるんだろう?迷宮やフィールドにいるのだろうか?

考え込んでいるとアナウンスが聞こえてくる。


自動書換オートリライト終了致しました。

以下、これに伴い称号******が異界大天使サンダルフォンの加護に移行。

…以下、加護の特性により新しく追加されました。

巨人魔法の巨人鎧ギガントアーマー巨人脚タイタンフットは現在のレベルでは解放出来ません。


思念操作スキル(巨人の腕限定)が解除され、思念操作へとスキルアップされました】






これはまた…どうやら巨人魔法にはまだ先が有るようだ。

今まで以上に強くなるために、一度正式に古文書や魔法文献を探し、巨人魔法や魔法に関する知識を集め、理解を深めることも有りだと思った。


【思念操作】は巨人族限定とあったがそれが解除という事は…。


今まで巨人魔法の発動の際に使用してきたが、本能的に思念操作とは何か?が脳内に入ってくる。


凄く簡単に言えば、脳内でイメージを構築し、念じるだけで実際に事象に表すことが出来るスキルのようだ。

但し、念力やマインドコントロールなどの系統と違い、この思念操作は物質に働きかけ干渉するスキルであるようだ。


この世界には魔力や魔法と呼ばれる不思議な現象が存在する。

只の魔力鉄や魔物の素材とは違い、オリハルコンや大精霊銀ハイミスリルなどと言った特別な魔法金属や高魔力の生体素材が存在している。

噂でしか聞いたことはないが、意思を持った武具も存在すると言われている。

其れ等は非常に精神感応の高い物質でも有名だ。


上記に挙げた素材で作られた武具などに働きかけ、スムーズな遠隔操作や隠された能力の解放が可能になるという。

それとこのスキルが有るだけで、該当する武具に対してボーナス値が加算されることにもなる。

と、追記してある。


【思念操作】自体のスキルは、誰しもが持てるわけではないが、実は勇者や高位魔法使いなど…他にもあるが非常に希少で選ばれた高位職業持ちにはついてくるスキルである。

此方に来る前に、ゲーム時代にネットで検証されていた。


その階梯まで行く事の出来る人種に対して、只の装備品で満足に自身の実力が発揮されるはずがないからだ。




少なくとも自分は該当する素材を使った武具は持ち合わせていない。

これは実際に使い熟すには、かなりの練習必要だ。

しかし…ロマン武器を是非とも手に入れねばと決意した。


だって、自身の意思で飛ぶ剣なんて…男なら誰でも1度は憧れる筈だ!



同じ称号欄の【継承者】は未だに不明だが。

有難い贈物ギフトに、サンダルフォンに感謝した。



異界大天使サンダルフォンの加護


段階を踏むことによってサンダルフォンの権能する巨人魔法が追加される。また漆黒聖天の発動時にボーナス値上昇。異界の知識補助。






同じく、書換リライトが終わった修羅鬼形態レガリアを見た。

いくら肉体オリジナルを得ているかといっても彼女は擬態スキルの一つのはずだ。

これはもしかしたら推測ではあるが、宝箱ミミック希少種であるレガリアの特性なのと、もしかしたら修羅鬼が生きていた頃の潜在能力が解放されていく状態なのかも知れない。



疑問は尽きないが進化した姿の修羅鬼のレガリアは、割と筋肉質で180cmあった身長だった頃よりは縮み、ソウマと同じくらいで170cmほどになっていた。

全体的に細身になった姿には気品を感じられる。

それは弱くなった…のでは無く、筋肉が凝縮されて、滑らかで無駄のない機能美とも言えるほどスタイリッシュに変化していた。


これで以前の倍近い腕力や筋肉を備えているから、驚きである。


朱色の長い髪はそのままに、短い3本の角が4本へと増えていた。

角は鬼の存在の昇格の証であると言う。現在この迷宮洞窟での上位炎鬼ハイフレイムオーガは2本。

そう考えると、より上位になったレガリアは何処まで進化するのだろうか。


更に接近戦用に【見切り】スキルが追加され、この形態のレガリアはソウマが剣術のみで相手をしても苦戦は必至と思われる。

このまま成長して擬態スキルのレベルも上がれば底上げされた実力に、いつかは誰も勝てなくなるだろうと想像出来る。

末恐ろしくも頼もしい。



壊れたり使い物にならなくなった鬼の大鉈と、無事な大鉈を2本残してレガリアに譲渡した。

壊れたり破損した大鉈は、工房で1度装置に掛けて新しく魔力鉄の素材に変える予定だ。

また無事な大鉈と、使わない鬼のレア武具は全て売却し、メンバーと分配する予定である。


鬼の大鉈×6(破損4本)


炎槍×1

炎杖×1


炎鬼鎧(甲冑を含む)×2

炎鬼兜×1

炎鬼手甲×4

炎鬼脚甲×2


炎鬼防具はこの総数より、ダンテ用に新品と交換した為、各マイナス1ずつとなる。




これだけのレア武具が1度に流通する事は滅多にないため、手数料や利益を考えてもアデルの町も潤う筈だ。


そして今回は誰も犠牲もなく撃退出来たが、今後このような事が起きないようにしっかりと締めねばなるまい。

貴族の絡みや思惑は専門外だ。とりあえず、アシュレイと相談することに決めた。






ダンテは1度装備を外して、魔力を少し回復させたコウランに後遺症がないか、念の為確認していて貰っていた。

そのため、コウランの変化にいち早く気づいた。


コウランの髪の色がいつの間にか綺麗な黒髪から黄金色へと変わっていたのだ。


「!?お嬢様、元の髪の色に戻りましたね」


嬉しそうにダンテが話しかける。


「ホント?ねぇダンテ、もしかしたら…」


興奮しているコウランに、穏やかに頷くダンテも嬉しさを隠しきれない様子だ。


「ええ、その可能性は高いです。是非ステータスをご覧になって下さい」


恐る恐るといった表情で使い捨て用のステータス専用アイテムの巻物スクロールを使って、自身のステータスを確認するコウラン。


「…ダンテ、ダンテ!!やったわよ。まさかこんなに早く修練の加護を…」


喜びの余り言葉を詰まらせている。

抱き合う2人は本当に嬉しそうだ。


現在のダンテとコウランの2人で第2次職から次の段階にクラスアップするには、自身達が相手を出来る魔物などや迷宮で戦っても経験値が乏しく、集めること自体が非常に難しい。

効率よく経験値を集める為には力量の似た仲間の存在と、強敵にも勝っていける強さが必要だ。



大抵の者は生涯の内に第1次職のままで終わるか、仮に第2次職へと上がれてもそれ以上レベルが上がらず、進めない者が大半である。

これは才能がある者しか次の段階へと突破出来ない試練とも言われている。



その為、第3次職へと上り詰めれる者は非常に稀であり、其れこそ彼等程の若さでクラスアップを果たす者は世界に一握りも存在しない。

いずれ2人なら達成出来たかも知れないが、非常に時間がかかっていただろう。



ひとしきりの興奮が収まった所でコウランから説明を受けた。

竜鳥を倒したことにより現在の戦司祭のレベルがMAXとなり、そのため修練の加護が消えている事を告げられた。

後は転職神殿にて第3次職を選択すれば、王獣の加護へと変化し、完全に試練が終了となるそうだ。


抱き合った事実に照れながらもダンテも頷いていた。

そして、ダンテも今回の戦いの経験値でかなりレベルアップしており、確認したら大盾士ビックシールダーのレベルが80代を超えたみたいだ。

強敵を倒した満足感と急激な成長に喜ぶ。この先の才能がない者は職業レベルも止まり、これ以上成長が見込めない。まだまだ先が楽しみな2人である。


今後の予定として、コウランの上位職業に転職と迷宮洞窟の赤熱石の確保をしながらダンテも上位職業を目指す形となった。

大盾の補修と其れ等の出来事を済み次第、今度はコウランの父親と母親に連絡をとり一度国元へと戻るそうだ。









細かな段取りを決めたあと、予定より早いがアデルの町に帰ることに決定した。


ソウマは町へと帰還する準備中に、ふと違和感を感じる。

何故だかは判らないが、即座に全身に悪寒が走った。

あっと思う間も無く、赤黒い光に全身を包まれ、ソウマの存在がその場からかき消えた。



「えっ…御主人様?だって…嘘」


レガリアも一緒に準備を手伝っていた。その眼前で光と共に消えたソウマ。

ダンテやコウランまでが目を丸くして絶句していた。


取り敢えず、支度を整えてパーティ全員と共に虱潰しに階層を順々に調べるも、ソウマの姿は遂に見つからなかった。

迷宮洞窟入り口にて戻った一行は、話し合いの結果、疲労困憊なメンバーもいるため一度アデルの町へと戻ることで決定する。

1人でも探索する…と訴えそうなレガリアを心配していたコウランだったが、町へ戻る事自体には反対せずに寧ろこの状況下で自らその提案に賛成した事に、冷静な判断を感じることが出来て安堵を覚えていた。


目の前から消えたソウマに対して当初こそ焦っていたレガリアだったが、探索途中で遅まきながら【精魂接続アストラルリンク】スキルがあることを思い出していた。


すぐに念話にて呼びかけるも、此方からの呼び掛けには一切応答は無い。

だがスキル自体は消えていない。


(つまり、何らかのトラブルに巻き込まれたか…念話が届かない領域にいらっしゃるか…だわ)


そう検討付け、御主人様は無事だと確信したレガリア。


(どうかご無事で…レガリアはご連絡をお待ちしております)


心の中でそう願い、アデルの町へと帰還した。








迷宮洞窟の最下層では先程までとは違い、誰も存在していなかった。

そこでは、未だ竜鳥との激しい戦いの跡と散らばった肉片が転がっていた。


戦いの跡も、いずれ時間が経てば迷宮自身の回復力を用いて直るはずだし、肉片も暫く経てば迷宮へと吸収される筈だった。


最初にダンテが斬り飛ばした長腕の肉片が洞窟の隅に転がっていた。

やがてプルプルと動きだし、残った肉片と血を集める為に動きだし、吸収し始めた。


少しずつ大きくなっできた肉片は、人間の子供ほどの大きさ肉片成長すると一旦吸収を止めてその場に留まった。

まるで生きているかのように伸び縮みを繰り返す。

肉片の外側から徐々に乾燥していき、内側から切れ目が入った。


その中からは裸の子供…5、6才程の年齢の男の子が姿を現した。


短く揃えられた緑色の頭髪。顔立ちは子供ながらに可愛らしく、ハッキリとした風貌で将来はハンサムになるだろうと思われる。

彼は周りを慎重に見渡し、最後に自分の手や身体をマジマジと見つめていた。


やがて誰もいないことを確認すると、大きな声で嗤い出す。


「ハッハッハ、あの化物の中で意識を保つ事は苦しかったぞ。しかし、おかげで私は自由だ」


このおよそ子供らしからぬ年齢にそぐわない口調の笑い声を聞けば、彼が只の子供ではない事に気付くだろう。


「全てを喪ってしまったが、以前よりも遥かに強靭で若い肉体。考えようによっては良かったかも…知れん」


溢れる力を馴染ませるように身体を動かし始めた。


ひとしきり動いたあと、荒くなった息を整える。


「まだ馴染まんが、神の眷属たる肉体の性能はやはり素晴らしい。後はこの迷宮洞窟の魔物を狩りながら身体を慣らしていけばいいか」


そう呟くと、驚くべくことに身体にプラーナを操り、溜め始めた。


ふとそこで、名はどうしようか?と考え始める。

以前の名は悪名が轟いているため、新しく考える必要があった。


そう、リガインと言う名の男と決別する為にも…。



意識を残しながら再生を果たす。

それは血竜剣に込められた千体の生贄の呪印がリガインの意識を半強制的に繋ぎ止めた。

また着込んでいた鎧の特性もリガインの意識を保つ為に一役買っていた。

神格を持つ相手に対して、まさに偶然の重なった奇跡的な確率である。


昔、諭そうと説得するゼファーを振り切り、呪いにも似た狂気に身を支配された。

切りたくて斬りたくて…その誘惑は幼き竜の呪いだったのかもしれない。

狂気に満たされた人生がそこから始まったのだから。



「おかしな気配を感じて暫く探っていたら…いや〜アンタしぶといね」


気配もなく現れた存在に驚愕しつつも、微塵も出さないリガイン。

振り向くと、そこには死の炎剣を召喚して佇む男の姿があった。









レベルアップしたレガリアを情報をアップさせて頂きます。



現在のレガリア擬態(1/3)のステータス



名前【百夜ももよ


種族 修羅鬼(特殊ユニーク個体ユニット


職業

剣鬼姫


サブ職業

鍛治士LV50(後天的取得)


スキル

太刀装備補正(A)→(AA)

弓装備補正(C)new

軽鎧・戦闘衣装備補正(C→B)


我流闘気術→闘鬼術(A)へと統合


鍛冶(B)



常時スキル

鬼印 状態異常耐性(大) 炎熱耐性(極) 炎熱属性(極) 擬似心臓

見切りnew


特殊レアスキル

蒼炎New

上位血族(鬼系統)new→称号獲得によるスキル授与


称号

姫武者new


鬼族特有の怪力も持ち合わせている。非常に強力で上位の鬼形態となった。



姫武者

武勇に優れた太刀使いが得られる称号。格上の相手に何度も勝利する事が条件の一つとなる。

因みに姫将軍の名の称号もあり、此方は指揮に特化した者が授かれる称号である。



修羅鬼

武を貪欲に欲し、あまねく敵と戦い抜いてきた鬼だけが経験値を得て稀に進化出来る固有上位種。


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