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エルダーゲート・オンライン  作者: タロー


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迷宮洞窟に篭る ダンテのスキルボーナス

ソウマが迷宮洞窟へ篭り、2日が経過した。

洞窟の外では2人の男が立っていた。全身を黒のローブで纏い、身体を隠していた。


「ここに例の男がいるんですね」


「そうだ…死光結晶を守る同士から連絡があった。我等の計画に役立てるかは分からないが噂通りの実力なら、最下層に到達しているだろう」


「俺にとっては初仕事ですしね。では行ってきますよ」


「カザルくん、君は獣将に覚醒して日が浅い…油断しないように…」


「はっはっは、俺が失敗する訳ないじゃないですか!心配のし過ぎっすよ」


軽い感じで黒ローブの男の1人は迷宮洞窟へと降りていった。


その姿を見送りつつ、


「神の御導きのままに…」


そう呟くと、もう1人の男はその場から消えた。







最下層ではソウマ達が上位炎鬼討伐戦を行っていた。


いったい何体目になるだろうか…上位炎鬼が大鉈を構えて突撃してきた。ソウマの放つ矢を急所以外は身体に当たるに任せ、突っ込んでくる。


鬼の大鉈が輝き、風の魔力が集まる。


武技を使う前兆だ。ダンテは大盾を構えて上位炎鬼の持つ武技【旋風撃】を耐えきる。


体に重い衝撃が走る…最初はキツイ攻撃だったが、何度も繰り返していく内に体捌きや攻撃の受け流しが板に付いてきたようだ。

また、複数属性であるアミュレットを装備しているため、風属性を持つこの武技にも耐性を持つため、少し楽になった。


私はソウマのように特別なスキルや高い攻撃力などない。

自分に出来ることは確実に敵の攻撃を受け切り、守ることだけだ。


そうこうしている内に上位炎鬼の両腕が輝きだす。その後の攻撃は特に凄まじい事を身を以て体験している。


この攻撃には赤熱鋼の大盾に刻まれているスキル【忍耐】を発動。


凄まじい勢いで初撃がくる!


ガゴンッ、ゴキ…と大鉈から振るわれる1撃、1撃が途轍もなく重い。

身体が吹き飛ばされようとする体勢を何とか耐える。


耐えている間に体に魔力の光が包み込んだ。蒼く美しい氷の魔力が装備品を覆う。

アレは氷魔法中位の氷護盾。氷の属性防御と物理防御力アップの魔法が掛かっている。


このマックスと呼ばれる男性も頼りなる男である。

多才な属性を操る魔法使いなのだが、同時に接近戦もこなせる万能型の戦闘職だ。


今も此方に援護魔法を掛けた後に、死角となった上位炎鬼の背部に氷槍アイスシャベリンを同時に3つも展開した。

高速の速度で放たれる氷槍は属性攻撃も加わって、高いダメージを与える。


氷槍に僅かに怯み、上位炎鬼の攻撃が止んだ隙を狙ってお嬢様が棘鉄球を思っ切り太腿へと叩きつけた。


棘が僅かに喰い込み、少しダメージが当たる。


マックス殿やソウマの攻撃がどれ程以上なのか、此れで良く分かるだろう。



C級とは言えBOSSとは簡単に狩れるモノでは無い。


冒険者とは、一般的にDランクに到達すると1人前と呼ばれる。

次のCランクで中堅者ベテランだ。


迷宮のBOSS討伐を生業としなくとも、日々の依頼や迷宮に入り、素材や装備品などを売り買いするなどして暮らしていける。

そして時に一攫千金を夢見る…。


ソウマに出会う前のお嬢様と私も事情があり、迷宮で稼ぎながら戦闘経験を得る為、迷宮の探索者とならざる終え無かったが。

一般的な大半の冒険者達もそうである。



先日会った6人組のパーティも、2人を残し全滅してしまった。

彼等もまた有能で、入念な準備と実力を兼ね備えていたが…世の中に絶対は無いと言うことか。

無事討伐していたら、もしかしたら此処からドンドンと羽ばたいて行けたのだろう。


…しかし、人生にはもしかしたらは無い。

敗れた彼等の分まで私は生きていくだろう。

マックスやソウマからの固定パーティの話は有難かった。

お嬢様も乗り気である。しかし、即決出来なかった自分には実力不足の文字が心に待ったをかけた。


今ここにいる面々は異常なまでの腕前を持ったメンバーである。

果たして私は今後、役に立てるのだろうか?生半可な訓練などしていないと自負できるが、こんな風にBOSSを連戦するなどパーティなど聞いたことがない。


お嬢様は…危険であると諌めても聞くまい。

それにリスクはあるが、この環境はお嬢様にとって非常に都合が良い。

何せ、国元を離れる事になった試練はまだ終わっていないのだから…。


私もこの環境を利用し、更に実力を上げなければ…そうせねばお嬢様のお役には立てない。


数多く上位炎鬼を討伐した甲斐もあり、念願の頭部装備が手に入り、炎鬼シリーズ防具は全て揃った。

同じシリーズのレア級装備を集めた冒険者など、そうはいまい。


統一防具ボーナス【護火】は火魔法の低位、火護防御ファイアプロテクションを常時かけてある状態になり、火属性特化の耐性と若干の防御力の上昇が見込める。


因みにサザン火山のフィールドBOSSである焔巨人フレイムタイタンは焔舞と呼ばれるシリーズの装備品をドロップすることで知られている。


上位炎鬼は火属性の守り、焔巨人は火属性の攻撃と装備品によっても統一防具ボーナスは違ってくる。




BOSSドロップによるシリーズ装備品は、統一ボーナスにより常時スキルが発動しているため、途轍もない恩恵がある。

BOSSに挑戦して勝てるモノは少なくはないがいるだろう。

しかし、5〜6人のパーティを組んで挑戦した際、出現する宝箱は1つ。


トラブルを回避するため、普通は利益の分配のために、売った金額を分けることが多い。


例え売らなかったとしても、同じ人間が装備品を揃えられるまでどれ程の苦労が掛かるだろうか?

買い取るにも資金は膨大な費用になる。


ソロで討伐しない限りは無理な相談だと思っていた。


このパーティに感謝だ。





幼き時、普通以上の戦闘の才能が無いと感じた私だが、せめてあの人を生涯守ると、拾われた時に誓ったのだ。


身分違いの愚かな男だと馬鹿にされても良い。それにお嬢様にはきっと異性には見られていないだろう。


だが、報われぬ恋でも良い…自分が納得出来るのなら、どんな時もお嬢様を生命を賭けて守る約束を果たそう。


ダンテは決意を新たに戦い抜く。

今は締め付けられる恋心を抑え、全てはお嬢様の為に…。








名前【ダンテ】


種族:人族


職業 大盾士ビックシールダーLV37


サブ職業 ーーー


スキル

槍装備補正(E) 盾・大盾装備補正(C) 鎧装備補正(E)



常時スキル

体捌き 受け流し new 精神耐性(弱)


魔法

無し


称号

無し




ダンテの現在の装備(迷宮洞窟で入手したモノも含まれる)



武器 鋼鉄の長剣


炎鬼重装兜フレイムオーガフルヘルム


炎鬼甲冑フレイムオーガアーマー


両腕 炎鬼手甲フレイムオーガガントレット

左手 赤熱鋼の大盾


炎鬼脚甲フレイムオーガグリーブ


アクセサリー 4元素のアミュレット

お嬢様の御守り





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