プロローグ3
森林の緑が美しい森の奥に、目指す魔物の洞窟と呼ばれる迷宮があった。
魔物使いの修行の場とされるこの洞窟は普段は結界にて封印されている。大きく開いた入り口まで2人は進んでいく。
「ここで良いのか?ソウマ」
「ああ、マップで確認した。間違いないと思う」
ユウトを前衛に気配察知を使用しながらなるべく敵に合わずに来たが…
「戦技も武技も使わず温存出来たし、いよいよ本番だな」
そう言うと、ユウトは肩を鳴らした。
ユウトの身を包むのは、全身が統一して蒼く、同じ金属を使用したとわかる装備である。
所属しているギルド【蒼銀騎士団】のお抱え鍛治師のイルマ氏が打ったとされる美しい装飾もなされた防具一式だ。
稀少級の装備であり、防具の一つ一つに能力スキルが込められている。
武具にもランクがあり、
ノーマル→ハイノーマル→レア→ハイレア→ユニークの順に
ランクが上がっていき、噂ではユニーク級以上の品もあるとされている。
既製品などの大量生産された武具は大概がノーマルクラスのモノが多い。
レア級とは必ず武具に何かしらのスキルがついている武具が呼ばれる。
課金を除いて、レア級の魔法効果のある武具は簡単には入手出来ない。
レア級以上と呼ばれる武具の入手に関しては、迷宮にある宝箱から稀に発見されたり、強力な魔物が落とす事もあるようだ。
高ランクの迷宮になれば成る程、より高性能な装備品が発見されたり…するらしい。
他には職人の手で産み出すオーダメイト武具もある。
一握りの腕の良い職人が魔力鉱石や稀少鉱石、強力な魔物、魔獣からとれる素材を魔力を込めて加工して作った逸品がソレにあたる。
鍛治の技術は奥深く、同じ素材でも込める魔力や技巧によっては装備品に差がでることほ明白である。
攻略ギルドになればなるほど、いかに有能な鍛治師を抱えられるかはギルド存続の死活問題に関わる。
後はプレイヤー以外にも、腕の良いNPC(有名なのはドワーフなど)鍛治師がおり、実際彼等の造った作品を愛用しているプレイヤーは沢山いる。
さて、ユウトの装備品は以下の通り。
武器 ナイトソード
頭 ナイトヘルム
体 ナイトアーマー
右腕 ナイトガントレット
左腕 凍水晶の盾メイガス
足 ナイトグリーブ
アクセサリー 身代わりの指輪 ギルドマント
蒼鋼石を炉で溶かし、魔力で鍛えて造ったフルフェイス型のナイトヘルム、全身を覆うナイトアーマー、ナイトガントレット、ナイトグリーブは
見た目の重厚さに反して鉄鋼製に比べると軽いし防御性能が高い。
各装備には重量軽減の魔法スキルが込められ、動きに支障は少ない。
更に統一防具ボーナスとして防御性能アップ(中)がついた逸品。
武器は主に刃渡り80cm程の長さの蒼鋼製のナイトソードを使用してる。
発動武技は剣の戦技使用し時補正(弱)
レア級以上の武器に込めらたスキルを武技スキルという。
中に込めらた魔力や魔法は回数制限は有るものの使用することが可能である。
広範囲殲滅魔法や補助スキルなど多岐に渡るので、自分に見合った装備品をチョイスすることが大切。
整っている防具の中で一際目を魅いてしまうのは、見事な紋様が装飾された盾だった。
ユウトがギルドメンバーと私、ある程度の高ランク迷宮で挑んだ際に発見したハイレア級の盾。
名持ちの装備品で銘を【凍水晶の盾メイガス】と言う。
灼熱竜を討伐した者が持っていた美しい紋様が描かれた盾。あらゆる攻撃を後ろに通さない力を持つ。
古代の魔法鍛治師の作品で滅多にないものだと、街で見てもらったNPCの鑑定士に言われて皆驚いたたもんだ。
素材がミスリル(精霊銀)と呼ばれる魔法金属を伸ばし、アイスゴーレムの核を守る役割を果たす碧氷石と真っ白で雪のような冷たさを宿すスノウストーンで錬成された古代の大盾は、長い間待ち望んだ主人を見付けたかのように見えたな。
私は魔力武具や魔法装備こそ手に入らなかったけど、格上相手にかなりの経験を積ませて貰ったのは良い思い出だ。
盾に秘められたスキルは2つ。
フロストバリア→盾から絶対零度の魔法障壁をパーティ全員に張り巡らす。効果時間5分。発動は3回まで有効!
最後の一つは、盾の説明にもあったが固有スキルで貫通攻撃無効。
あらゆる魔術、戦技、武技を盾の部分において弾く能力。
使い手の技量が問われる能力だが、ユウトなら完璧に使いこなしていくだろう!
ソウマの装備。
新しくコンプガチャで手に入った装備を使用。ガチャの装備はネタ装備と言われたり、特化しているタイプも多い。
防御力は普通のレア級よりも高く、使い勝手の良いスキルが多い。
今回はどうしても欲しくて初めて頑張った結果、弓系装備を揃えるまでに夏ボーナスが消えた。
星に纏わる装備品って響きも装飾もカッコ良くてロマンが…
沢山の色々なアイテムとハイレア級に必要な素材達、???の卵に変わった(泣)…後悔はすまい。
武器 流星弓
近接時 片手剣装備可能
頭 スターライトヘルム
体 スターライトジャケット
両腕 スターライトガード
足 スターライトレギンス
アクセサリー 天眼石の腕輪 なし
闇を基調とした色合でまとめられている。
星々の輝きを秘めた気品を感じる武具。空より降ってきた隕鉄を鍛え、おりまぜている。
課金装備トレード不可
一般的にそんなランク付けはないが、レア級以上の準ハイレア級装備と呼ばれている。
コンプボーナスとして貰った流星弓は、
発動武技【流星弓】
レアスキルであるライフドレインとMPドレインが同時についている。与えたダメージの10%を自身に回復。星属性付与。
また、自身のMPを矢に変換して放つことができる。
普通のレア級は一つしか付いてないのに…流石は課金武器。
各装備には【星の祝福】
回避力アップ(小)と全動作補助がついている。
そして防具装備ボーナスには星の加護がつく。
星の加護は、天と地の命脈より自動持続回復効果(微)がついている。
おかげでこの装備の間は、有難いことにMPを気にせず矢を放つことができる。
そういえばガチャの素材で武器屋のドワーフさんに造って貰った武器が有るんだった。
いつか人型の魔物に持たせようと思ってたんだが…
黒鉄の大剣・改 (両手剣)
魔力を通しにくい性質のある黒鉄(アダマンタイト鉱石)製の大剣を更に重力鉱石と配合した大剣。
職人が非常に頑丈に鍛え、叩き斬る事に重視を置いた剣。
発動武技 ディープ・インパクト
重く一点に集約された力が相手を吹き飛ばす。
装備者の力が強ければ強い程効果アップ。相手の防御効果無効。
「ユウト、少し早いが付き合ってくれてる礼だ」
ウィンドウのトレード欄にアイテムボックスから黒鉄の大剣を置く。
「暇潰しだから気にするよ…ん?変わった武器だな」
「ガチャの素材の余りで今日造って貰ったばかりの剣だ。今の実力なら代わりの予備にしかならないかも…だが」
「準ハイレア級じゃないか。こんな贅沢な予備剣があるか(笑)有難く有効に使わせて貰うよ」
ユウトもトレード欄にアイテムを追加した。
「ソウマの装備を見て思ったんだが、良かったら貰って欲しい」
流星刀レプリカ(片手剣・小剣)
【蒼銀騎士団】所属のイルマ氏が既存の材料、素材で造り上げた流星刀の試作品。
ギベオン隕石を用いており、レプリカながら高い完成度を持つ。
発動武技 流星刀・イルマ
製作者の試行錯誤により、本来の威力よりは劣るが擬似性の流星刀を放つ事ができる。
星属性付与された鋭い一撃が敵を撃ち抜く突き技。(ドレイン不可)
「これ…俺が貰っても本当に良いのか?」
「試作品で良ければ貰って欲しい。イルマには自分から伝えておくよ。感謝ならいつか本人あったら言ってくれればいいさ」
「本当にありがとう。主力武器として使わせて頂きます」
トレードが終わったことで洞窟に入った。洞窟内ではマップは使えない。
ゴツゴツの広い通路を進みながら出てきた敵を倒す。
ユウトを前衛兼盾役として、私が先制攻撃でなるべく数を減らしながら、ユウトの死角を補助する。
暗い場所を好み、毒を持つ蛇のナイトヴァイパーや群れを作り徘徊しているフォレストウルフ、頭上に待ち構えているキラーバットが襲いかかってくる。
動物系の魔物が全体に多い。
特に苦戦することもなく、素材の肉や使える骨を選択して解体しながら奥に進んていく。
時折赤や黄、銀、黒などの石を落とす魔物もいた。一応回収して進む。
一番奥に扉がある場所までつくと、ギィ…と、勝手に音を立てて開いた!
中は広い空間で洞窟内とは思えない荘厳な雰囲気があった。
中央にはエメラルドグリーンのローブを着込み、フードを目深にした人物が待ち受けていた。
課金などのガチャで入手出来るものは、レア級しかありません(ゲームバランスの問題にて)
その分、普通よりも防御やスキル、デザイン性が高いものが多いです。
ちなみに素材と言われるものは魔物の解体や鉱山、宝箱から入手出来ます。
新武器作成や防具作成に使われ、元ある武具の向上にも用いられます。
ガチャ素材はレアからハイレア、ごく稀にユニーク素材が当たることがあります。
10/1→10%と変更しました。
メイガスの盾の発動時間を1分→5分へと変更致しました。