素材獲得へ向けて出発 ソウマのステータス
朝目覚めるとアイラさんと団員達に丁重にご挨拶をしてギルドハウスを離れた。
朝早いと人通りが少ない。深呼吸をしながら街を歩く。
転職神殿はまだ開いていないため、朝食を食べにギルドの食堂へ向かった。
いい香りが食堂を満たしていた。テーブルにはまばらに冒険者達が食べている。
「いらっしゃい、見ない顔だね」
「この街へ来たばかりなんだ。良かったらお勧めお願いするよ」
そう言って出てきたモノは豆のスープ、サラダ、鶏の唐揚げ定食だった。熱々で美味しかった。
食べている間、特に絡まれることは無かったが、値踏みされるような視線が多く集まっていた。
ふらりとあるテーブルから酔っ払いが1人、此方のテーブルに来ようとしていた。用事も無かったのでそのまま無視しつつ出口へと向かった。
「よう、新米。無視するなよ」
赤ら顔でガシッと肩に手を置かれた。ニヤニヤしながら2人取り巻きが集まってくる。
「コレから新人に仕事の仕方を教えてやる」
そう言うとギルドの説明から始まり、いい仕事の見分け方、他に丁寧に装備品の選び方、お勧めの道具屋などを教えて貰った。
周りの取り巻きも苦笑しながら語り出す。
「お前、武器以外装備してないだろ。コイツが心配してな。新人にはいつものことなんだ。時間とらせたが勘弁してやってくれ」
……テンプレ通りに喧嘩が始まるかと思ったが、案外良い人達だったようだ。彼等はユピテルの街中心に活動するベテランパーティ【拳嵐】
絡んできた人は筋肉の塊、中肉中背の重戦士で斧使いの人族ヤラガンさん。謝罪してくれたのはスラッとした体型の盗賊系職業の罠解錠士の人族ジーン。
最後の1人はパーティリーダーで唯一の女性で拳闘士でドワーフ族のミランダ。
彼女は黄緑色のシートカットの髪型でスタイルも良く、戦闘衣からこぼれんばかりの胸をしている。
パーティ名の拳嵐はきっとこの人から来ているんだろうと解る。
ご親切に有難う御座いますと伝え、笑顔で別れた。気のいい人達だ。
ギルドから少し離れた場所にある転職神殿へ向かい、受付で手続きを済ます。あらゆる種類の職業を記憶している記憶水晶球がここにある。
戦弓師の上位職を選ぶ。弓特化型への転職も頭によぎったが、今までの戦い中では接近戦は必ず必要だったし、折角なら最初に選んだ接近戦も出来る弓士の道を貫き通すのも有りだ。
受付を終え、記憶水晶球の設置してある場所で転職を果たす。肉体を造り変えられるような激痛などはない。ただゲームには無かった高揚感が支配し、獲得スキルの上昇と新たなスキルの獲得を実感出来た。後でステータスを確認しておこう。
そうそうレガリアには自前の魔力の供給の他に、契約の指輪の際に手に入った焔巨人の魂魄結晶を与えてみた。バリバリと咀嚼音が聞こえるとゴックンと飲み込んだ。すると宝箱が一瞬光った。
取得経験値の大幅アップと炎熱耐性(中)と炎熱攻撃付与(中)が新たにスキルに補正されていた。
硬度上昇、レア種族進化補正アップとステータスに表示はされず、記載のみがある。魂魄結晶ってBOSS級しか手に入らないんだよな…また手に入れたいと久しぶりに物欲センサーが高まった。外見に小さな宝箱には焔の紋様が追加されていた。
道場では、あともう少し剣の熟練度が上がれば、戦技【強斬】を戦技【閃突】へ昇華可能と伝えられる。
弓は熟練度以前に残念ながらもうユピテルでは伝える技がないと教えられた。
次いでヤラガンさん達にも心配されたし、防具屋へと向かう。これからの戦闘には接近戦もあるし防御のある軽鎧がよいか、それとも動き易さを優先しミランダの着ていた戦闘衣系がいいか…悩み所だ。
前のスターライトメイルは軽さと動き易さ、防御力を兼ね備えていた逸品だったので悩まずにすんでいた。
軽鎧には板金鎧や革鎧、チェインメイルなどが揃っていた。板金鎧を試しに着用するもさほど重たさは感じないが動きにくく却下。
チェインメイルは両方の利点があるものの、音が鳴り隠密行動向きではない。あとは消去法にて革系鎧になる。
戦闘衣系ではジャケットの革タイプがメインで魔獣革から動物革のモノまで様々だ。
ここには置いていないが竜・龍革や魔法金属を練りこんだ生地で作った軽鎧・戦闘衣もあるそうだ。素材の稀少性と加工技術が大変難しいためどれも高額な品となる。
店に置いてある戦闘衣の魔獣革で、生半可な矢や剣を通さないと言われる硬殻蜘蛛と呼ばれる魔物の殻と森の魔獣と言われる魔熊の革をなめした素材で作られた品に決めた。
硬殻蜘蛛の戦闘衣 ノーマル級
魔熊の革で全体を覆いコートになっている。硬殻蜘蛛の殻を急所・要所に縫い付けて防御力をアップしている。前胸部に短剣・短刀などが入る工夫がされている。関節駆動の行動阻害が少なく動きやすい装備。
折角なので前胸部に漆黒の短剣を忍ばせておく。いざ!という時の備えって大事だからな。短剣も使わなきゃ勿体無いし。
腕・足装備にも同じ素材で作られた装備があったので合わせて買っておく。かなりの出費となったが、命を預ける為、現在購入出来るモノで揃えたい。
残念ながら同素材の頭装備は置いて無かったため、自分で素材を手に入れに行くのも有りかも知れない。
暫く戦闘時は深淵の仮面を付けておこう。
頭装備を作るため防具屋の人に魔物の生息地を聞くと、硬殻蜘蛛はサザン火山の洞窟の迷宮に住んでいると言う。魔熊はサザン火山手前に広がる森林に棲息が確認されている。
少なくともソロなら、魔法を付与した武器か、もしくは魔力武器でないと充分なダメージが与えられないと忠告された。
心配と忠告を胸にサザン火山へ出発した。
現在のステータス
名前【ソウマ】
種族:人族
職業
閃弓士LV1 New
サブ職
魔物使いLV37
スキル
弓術補正(C) 片手剣補正(D) 軽量防具装備補正(C)魔眼(魔力感知) 召喚器【漆黒聖天】New 思念操作New
刀剣技補正(E)New 弓技補正(D)New
常時スキル
見切り 気配察知 モンスターテイム 体術 鷹の目 精魂接続→レガリア(現在炎熱耐性、炎熱攻撃付与New
全ステータスUP(恩恵)
魔法
巨人魔法【巨人の腕】第1段階
身体強化(全身身体強化、2段ジャンプ)
称号
継承者 ****
第三次職の閃弓士は弓系職業で唯一レアスキルの剣技補正が付く職業である。戦士系の職業の中でも刀剣技補正がある職業はかなり少ない。
他、弓技補正も加わり大器晩成型の頭角をようやく表す職業となっていく。
この世界では第二次職が一流と呼ばれる人達が最後に就くことが出来る職業である。
殆どの人達は職業レベルが上がりきらず一次職業のまま終えることが多い。
サブ職業も才能がある人間しか発現しない貴重な職業である。
極稀にアイラのような人間が産まれ、超一流の名を欲しいがままにする人間も現れたりする。
一文を修正させて頂きました。




