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エルダーゲート・オンライン  作者: タロー


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14/88

襲撃者との決着

気が付いたら…テントを張っていた草原と森林が見えた。ようやく戻ってきた世界エルダーゲート

目の前にはサンダルフォンへとゲートを開かせた相手がいた。朗々とし詠唱が終わり、奴の殲滅魔法が発動するところだった。


深夜の草原、ソウマの周囲におびただしい数の氷塊と吹雪が吹き荒れた。


怪我が治っていることに感謝しつつ、すぐさま巨人の腕を顕現させた。





ソウマのいた周囲が氷魔法で覆われた頃、気配を遮断していた蒼銀騎士団 団長アイラは呆気にとられていた。

(ユウトから聞いていた話じゃ、ソウマくんはもう少しデキる印象があったんだけどな)


白雪スノーホワイトの髪を後ろで束ね、氷青アイスブルーの麗人は残念そうに呟く。危ないと判断した時点で介入するつもりだった。


ソウマのいた一帯は氷と巨大な氷塊で潰されていた。

残り1人だった盗賊が死亡確認と契約の指輪を確認しに慎重に近付く。


氷塊に辿り着くといきなり割れそうにもない氷塊がパキ…と音を立て割れた。割れた隙間から矢が放たれ、直後ソウマが飛び出す。


ゴォォンと音が鳴り、氷の障壁で矢は弾かれた。しかし同時に障壁自体も粉々に散っていった。


距離を詰めたソウマは流星刀レプリカを片手に高速の一撃を放つ。

刀の速さに慌てて避けるが、その隙に懐に潜り込んだソウマが奴の左腕を掴んだ。


魔物や幻獣を専門に扱う盗賊団故に戦闘には一流の腕前を持つ者が多いそ組織だ。そんな腕達者をそのまま掴んだ手で左腕を砕いた。絶叫を上げ転げまわる。そのまま鳩尾に蹴りを加え黙らせた。


ソウマ自身はマトモな防具も装備しておらず、よく見たら全身が凍傷に近い傷を負っていた。



これで盗賊団全員を無力化した。


フゥ…と息を吐きながら、身体中のヒリヒリとする痛みのあまり草原へ腰を下ろした。そこでポンっ…と肩を叩かれた感触がした。

気配は何も感じなかったので慌てて振り向くと、ソウマは驚愕していた。


魔物ギルドを監視していた団員から不穏な空気とソウマを発見したことを伝えられた蒼銀騎士団の団長が、秘密裏に助けに来ていたことなど知らない。



(及第点だけど…良く頑張ったね)

そこには氷青アイスブルーの瞳を細め、美しい麗人が微笑っていた。






ソウマは肩を叩かれた相手を見つめた。巨大な大剣を構えており、一目で業物だと解る逸品だ。


微笑んていた相手が次に怪訝そうな表情に変わる。

それはソウマが自分から戦闘態勢を解除したからだ。理由の一つに目の前の武装している相手から殺気を感じなかった事と、彼女の無意識のプレッシャーに身の危険を感じたからだ。


まぁ最大の理由は特徴のある白雪スノーホワイト色の美しい髪と氷青アイスブルーの瞳。美人よりは凛とした麗しい顔立ち。

ユウトから聴いていた特徴のある人と同一人物であると気付いてしまったからだ。


この人がユウトの憧れる人のアイラさんなのか…。

クールな外見なのに天真爛漫な表情が見える。そんな雰囲気が皆を惹きつけるのだろう。


盗賊が貼り付けていた結界符を外し、結界を解く。


襲撃者達は全員怪我があるものの存命であり、怪我も魔法で治る範囲である。門番に協力を求めて強襲者を街の詰め所に引き渡した。説明も求められたが、あの時話した門番も証人となってくれ、ソウマの凍傷の治療も兼ねたら明け方近くに解放された。


どうやら詰め所で待っていてくれたようでアイラさんが近寄ってきた。


ごほん、と咳を一つしてから紹介を受けた。

「蒼銀騎士団のギルドマスターのアイラ・テンペストです。君のことはユウトや他の団員からも良く聞いています」


「ソウマです。いつもユウトや皆さんにお世話になっています」


蒼銀騎士団とはユーザー60名、NPC100名というマンモスギルドである。ユーザーよりもNPCが多い事でも有名なギルドだ。

団長である彼女もNPCなのだが、この世界ではそういった括りは関係ない。私やユウト以外にもプレイヤーと呼ばれる人達はこの世界エルダーゲートにいるのだろうか。



考えを頭から切り替え、姿勢を正して正面を向いて喋る、

「アイラさん、魔物ギルドで貴女が卵を守ってくれていた事をお聴きしました。本当にありがとうございます」


アイラはふわっと笑いながら、

「気にしなくて良いのよ。ユウトからの頼みもあったし、個人的に君がどんな人物か気になっていたから」


それより場所を移しましょうと言われ、アイラさんに手を引かれながら蒼銀騎士団のギルドに着いた。


ギルドハウスと呼ぼれる邸宅がある。それはピンからキリまであり、蒼銀騎士団はユピテルの街ではトップ3に入る規模を誇るため巨大な邸宅を建築している。

騎士団の一軍と呼ばれる精鋭達は蒼鋼製の装備一式に身を包んでいて、彼等は迷宮や正式な要請があった場合にのみ傭兵となり勤しむ。

二軍は赤をトレードマークとしたギルド鎧一式になっており、明確化されている。ここユピテルの警護・巡回など治安防止に役割を担っている。


赤揃いのギルド団員に見守られながら巨大な邸宅を案内され、貴賓室へ通された。


「さて、改めてソウマくん。先程は観察だけしててごめんなさいね」

と、先の戦闘を謝られた。

もとより自分の責任だったので謝られる必要は無かったのだが…そう思いつつ謝罪を受け入れた。


1番知りたかったユウトはこの世界に来ていると言うこと。しかも自分ソウマと違い、今から70年も前にユピテルの街に転移していたそうだ。大怪我を負っていたところをアイラが発覚し、保護したそうだ。

70年もたつがユウトは魔人種になっていたため、外見はそんなに変わっていないとのことも聞いた。

ちなみにニルヴァーナはいなかったそうだ。彼女はどこに行ってしまったのか?何故自分とユウトはこの世界に来たのか、また、来る年代が違ったのか…?


謎は残るばかりに感じる。


その後色々と話し合い、お互いのステータスを見せ合った。



名前【アイラ・テンペスト】


種族:魔人族


職業

魔剣士


サブ職

刀剣士


スキル

大剣装備補正(A) 刀剣装備補正(S)

鎧装備補正(B)体内魔力操作

???


常時スキル

金剛力 心眼 気配察知 魔力操作補助 闘気術 ???


魔法

無属性魔法【魔力障壁】

特殊属性魔法 魔刃デモンズブレード六対ゼクス


称号

獣神の加護 魔刃の申し子



……凄い。流石は最前線で剣を振るう方だ。余りのハイスペック差に引きます。


ちなみにユウトはある事件に遭遇し…詳しくは話さなかったが、そこからアイラさんを護りたくて盾士を目指したという理由がある。



称号も凄い。神の加護や魔人の申し子なんて始めて見た。




幾つかの質問を交えながら、今日1日だけ泊めて頂くことになった。

あてがわれた居室まで歩く。


それと契約の指輪の中で卵が無事に孵った。指輪に念じて召喚すると小さな箱が出てきた。

宝箱型で開いてみると牙が並んでいた。どうやらミミック種と呼ばれ、アイラさんも始めて見るほどレアな魔物らしい。やはり小さな宝箱ミミックは大々的に喧伝しない方が良さそうだ。


そういえばこの魔物も自分と同じ世界から来たんだった…大切に育てよう。ふとある言葉が思い付き、名をレガリアと付けた。




名前【レガリア】

種族:宝箱型魔物ミミック・希少種 LV1


職業

ーーー

サブ職

ーーー


スキル

擬態(E)現在枠3→レベルが上がるに連れて精度アップ(現在20%)


常時スキル

体内吸収 アイテムボックス (擬態時などの自身の装備するものも含む)

精魂接続アストラルリンク 念話





体内吸収にて食べた物を経験値へと変換することが出来るようだ。魂魄結晶など特別なアイテムや魔物などからはスキルや成長補正へ繋がるようだ。


レガリアは宝箱を開き少し料理を喰べたあと、スヤスヤと眠っていった。寝顔?を見ていると、早く成長して欲しいと微笑ましい気持ちが湧いてきて、お父さんのような気分になった。





明日は転職神殿で転職したり迷宮へ行ってみようと思う。あ、スターライトシリーズの装備は無くなったし、装備を整えなきゃな。


私も温かいご飯と久し振りのお風呂の気持ち良さにすぐにベッドで入眠してしまった。








深夜、アイラは自室で1人考え込んだあとユウトに連絡を取っていた。

遠見の水晶と呼ばれるペアのマジックアイテムで、離れた相手にでも交信する事ができる。古代迷宮級でしか手に入らないハイレア級のアイテムであり、コレの片方をユウトに渡していた。


久し振りのユウトの声にアイラは心がウキウキする。暫し談笑のあとソウマ発見を報告した。弾んだ口調で水晶越しでも喜んでいることがわかる。

現在ユウトにはある迷宮神殿に潜って貰っている。自分アイラは事情があり参加する事が出来ない。

ユウトは信頼出来て尚且つ実力のあるメンバーの1人で、いまソウマの元へと帰って来てもらう訳には行かなかった。

ユウトに心から詫びながら迷宮の進展具合を聞く。強力な魔物が多く、捜索は余り進んでいないことを謝られた。

迷宮神殿にあるとされるアイテムを持ち帰る為に頑張っている団員達に決して無理しないように声掛け、連絡を終了した。


愛剣を見ながら再度願う。無事に帰ってきますように…と。


ここからノンビリペースになると思います。

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