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エルダーゲート・オンライン  作者: タロー


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13/88

予想外の修練

死の覚悟を持て何かを得られそうな気がする。ようやく高いステータスがソウマの身体を新しい段階へと誘う。


ソウマの生命危機が本能が限界まで呼び覚まされ、魔力を限界まで飽和させ新たな能力が発現する。


ゲーム内の世界だったらアリエナイことが起ころうとしていた…


結界内の何者は考える。


(スキルの顕現!この段階ではまだ早い…のかも)


不完全に発動しても彼の身体を壊すだけ。ユウトもだったが…使いこなしていかなければ意味はないのだ。


しかし、そこに居た誰もが考えられない結果が始まろうとしていた。









ソウマは本能のままに魔力を掻き集めていく。軋む魔力を何とかカタチに変えていく。

ソウマにとって幸いだったのは、発現しようとするスキルが身体へ書換リライトの為にどんな暴走や痛みを引き起こすも耐え切れるだけの耐性があったこと。

これは以前巨人魔法を習得した際に培った経験だ。


それと全身を構成するためのステータス補正。思念操作による効率の良い魔力精製。あとから考えたら何か一つでも欠けていたら実現しなかったと思う。


それを受けて深淵の仮面が暗く光り輝く。この能力とアイテムに助けられ、生命を削りながらもながらも完成した。




仮面からの闇光ダークライトが身を包む。収縮し濃縮した劇薬のような魔力を深淵の仮面が媒介と仲介の役割を果たし、星の名の真の装具 流星弓とスターライトシリーズの装備品を侵食した。


その場で装備が1度分解され、瞬時に組み換えし造り変えられていく。


【深淵の理を軸に真の星の輝きを宿す装備品を媒介に《******》を顕現します。……侵食率100%。思念操作は獲得済みです。以後、召喚器として使用が可能です】





『この世界に再度喚ばれてみれば…我の分体を打ち破りし者。よかろう、巨人の加護をもつソウマになら力を貸そう』


戦慄する声が聴こえてくる。其れは克つて闘った相手だ。


ゲートが開かれた。強制的に転移させられる。

星が煌めく空間に巨大な気配を持つ存在が待っていた。すぐ目を奪われるモノは背からの翼。何対も美しく揃えられている。全身を闇と紫紺のカラーに覆われた麗しく荘厳な鎧はその存在をより神秘的に思わさせられた。


『奇縁か良縁か…我とここまで波長があう人間等、何千年振りか』



【*******との接触により固有スキルを獲得しました】

慄くままナレーションが鳴った。


固有スキル【召喚X 漆黒聖天武装サンダルフォン


防具スターライトシリーズ→漆黒星天サンダルフォン全身鎧パワードアーマー



異界の星を守護する存在であるサンダルフォンの力を顕現した全身装備パワードアーマー。星属性と疑似神性の属性を宿す。

真の星の輝きを宿した武具を媒介としていた為、装備ボーナスが浮遊力→飛行能力にグレードアップ。




流星弓→漆黒星弓サンダルフォン


星を司る紋様が走る漆黒の魔力弓。星属性とサンダルフォンの神気が疑似神性宿し両方を兼ね備える。






複雑な心境だ。困惑しながら問う。

「…俺は敵対していたはずだ」


ふむ…と、ゆっくりと奴が答える。

『巨人の腕は我が権能の一つ、並行された世界に満ちた可能性。力無き者が持てば人格が乗っ取られて暴走し、やがて破滅を導く』


言われると思い当たることが多い。持たざる者にとって強大な力は過信し慢心する諸刃の剣と言える。


『不完全な分体を倒したといえ…此方はソウマを敵と認識するほど脅威ではない』



それより、薄々は勘付いていたが、


「貴様は…神…なのか?」


恐る恐る尋ねる。


初めて面白がる口調で答える。


『…神と呼ばれる存在ではない』



厳かに聴こえた。


『我が名は サンダルフォン』









この空間は並行世界の一つ。知覚を極限まで遅くしてあるとのこと。


困惑は深まり尋ねるしかない。

「俺に…何を望む?」



『…特に何も無い。我は時折干渉力の強い者やアイテムが顕現した場合に限り、その世界に干渉する』


そして一拍おいてこう答える。

『あの異世界に1人くらい我の力を継ぐ者がいても面白いと思ってな。召喚器が適応したとはいえ、不完全極まりない』


今のままではこの能力を使いこなせということか。


ゲートを通してサンダルフォンの影響力がこの世界の力へ干渉し、最大限でも遅延できて2年間。


それを過ぎれば…


『もはや特別な状態で無い限り、我はもうこの世界に顕現出来ないと思った方が良い』



食事も睡眠も必要ない。ひたすら鍛え上げる2年間が始まった。






サンダルフォンとソウマがゲートにて鍛え始めて随分と経った。

接近戦や弓を使った遠距離戦を筆頭に最初は装備に振り回されたり、攻撃が当たりもせず、逆にあちらの攻撃は全弾命中だったりと…。絶望する時間さえも勿体無い時間を過ごした。

次第にその強さに惹かれていく。全身鎧に隠されていて表情はわからないが厳しさだけでなく、愛情や優しさも解るようになってきた。結果として最後まで一太刀も当てる事は出来なかったが、戦う度にアドバイスを与えるため、以前と動きは格段に違っていた。


思い返すと、あの時のサンダルフォンは紛い物の肉体であり、本来の力とはかなりかけ離れた存在だったのだと良く解った。


ともあれ、貴重な時間と修行相手を得て少しは強くなれたと思う。

身に馴染んだ装備品と体術。改めて自分の格好を確かめた。



デザインや全体のカラーは漆黒を基調とし紫水晶の聖刻が中心部に燦めく全身鎧。

パワードを司る紋章が刻みつけられた装飾の2対の翼が鎧から離れ、宙に浮いている。

解放されているスキルは現在3つ。

空間把握能力(動作の最適化・飛行能力を含む)と自動修復(中)。

最後に多重魔力障壁展開マルクトである。

1から順々に解放出来たが、最後の4つ目の装備スキルは遂に解放出来なかった。

所有者以外が使うと性能に耐え切れず絶命もしくは四肢がもがれていく。ソウマ程のステータスが必要となる。


弓は流星弓を基にサンダルフォンの神気が顕現した為、武技としての流星弓ともう一つ固有武技オリジナルが加えられている。




『この2年間の研鑽で我の固有装備オリジナルに近くなったな』


「サンダルフォン…彼方には感謝しきれない。本当にありがとうございました」



戸惑ったように少し間をおいて応える。

『…我の弟子となった以上、そう簡単には死ぬことは許さぬ』


今から戻る事になる世界は、本当にゲーム内では無く異世界らしい。

何故こうなぅたのかはサンダルフォンでも解らないらしいのだが…。



漆黒星天サンダルフォンの召喚器は


召喚器としてスキルを発動すれば専用の異空間から瞬時に装備可能らしい…存在するだけで強大な力を感じさせる装備の気配を完璧に遮断出来るため、余計なトラブルにならないと思うと有難い。

それと只の異空間では無く、神気に満ちた異空間に保管される。

コレは装備品も生きているため、神気を必要とする。


エルダーゲートの世界には顕現出来るが、1度顕現すれば次はまた神気を再充電しなければ暫くの間は召喚器は使えないと言うことだ。リスクらしいリスクも無い。

自分は強くなった訳では無い。修練を重ね、ようやくこの召喚器を使えるようになっただけだ。自分より強い相手はまだまだ沢山いるだろう。

簡単に死ぬなと言われた以上、その言葉を胸に研鑽を重ねよう。


溢れる感謝の気持ちをサンダルフォンに思った。

残り時間はなく別れが迫っていた。全身が転移の光に包まれる。



ポツリと呟く声が聴こえた。

『只々世界を覗き、護る事だけに我は疲れていたのかも知れん。2年間など一瞬…気紛れだから気にする事はない』

そう言って紫紺兜フルマスクを脱ぐ。


強制転移の直前だったがハッキリと微笑んでいた事が解った!

初めて見たサンダルフォンの素顔は女性のようであり、男性のような中性的で神々しい美貌に…見惚れてしまった。


声をかける瞬間もなく、その場からエルダーゲート世界へと戻っていく。

神の存在など信じていなかったが…サンダルフォンのことは信じようと固く誓った。


本来ならもっと後にサンダルフォンの件を入れるつもりでしたが、早めてみました。

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