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エルダーゲート・オンライン  作者: タロー


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ザール村出発

村に帰ったら出迎えてくれた村の人達と自警団に揉みくちゃに歓迎された。

報告の際は情報の一部分は伏せ(マユラと戦ってくれた冒険者達)密猟者の根絶と押収した幻覚草と一角兎アルミラージの角、石を提出した。

後日王国調査団が調査にくる事が決まった。とりあえずは決着である。



村で待っていた邪眼蛇にアンデッド化した仲間の事を話す。悲しそうな瞳で聴いていた。最後に同族をアンデッドから解放してくれた事について非常に感謝された。

邪眼蛇達はこのまま村に落ち着くそうだ。村人達も大分慣れてきたようで、遠目に怖がられることも無くなった。魔物使いギルドへ修業へ行かせ、何人かに職業をとってもらう。その後正式に契約をし、今後密猟者や盗賊などから村を守る直属の戦力として正式に村へ組み込まれることになる。

お祝いも兼ねて森林狼フォレストウルフの肉を置いて立ち去った。


明日この村を出ようと思う。

次は始まりの街ユピテルに行く。ここからそう遠くない道程で一日歩けば充分に着くらしい。


街へ着いたら情報収集と道場でスキル確認。あとは魔物使いギルドで預けたままの子(魔法生物・特殊)を迎えに行かなきゃな。


道具屋でポーションを補充し、村長の家に明日出発する前の挨拶をしに向かう。



ソウマ

職業 戦弓師センチネルアーチャーとは近接戦もこなす弓系職業第二次職である。

戦士系の最低限の片手剣・軽鎧装備補正とステータス上昇補助、戦技【音速斬ソニックスラッシュ】【強斬ハードスラッシュ】の2つを習得することが出来る。


戦弓師の弓系職の補正は二次職相応しい弓装備補正と特化には負けるがステータス上昇補助。

戦技は【スカイショット→飛竜ひりゅう】【共鳴弓ハウリングアロー】【強打ハードショット】【狙い撃ち(スナイプショット)】の4つ。各戦技の熟練も上げると街の道場や、各地にいる伝承者と呼ばれる人達から教えられる事も稀にある。


はっきり言って戦弓師はエルダー・オンラインの中で最下位を争うほどの不人気職である。

理由として前衛の戦士系と中〜後衛の弓系ではステータス補助があっても扱いにくいし、片手剣と弓と揃えることにお金がかかる。

また中途半端に前衛をこなすくらいなら後衛一筋にまわり、弓技でしっかり援護する方が効率的に良いと考える人は多い。

そのため同じ弓系職業でも戦弓師以外はパーティに誘われやすかった。


そのような理由から戦弓師を選んだプレイヤー達の殆どはレベル上げもままならず、次々と舞台から消えていってしまった。


しかし、ソロとしてやって行くことを念頭に考えると最終的なステータス上昇はバランス的に魅力的である。それに戦弓師系に進まないと狙えない上位職も登場している。


ユウトに相談し、弓系職を選ぶ際の参考に聞いていてた。恐ろしいくらい育てにくい大器晩成型タイプの職業があると聞いて…心にピリッとくるものがあった。

結局マイナー職加減が自分のツボにハマり、現在に至る。

元々ノンビリとペットを育てながら楽しむ予定だったのだ。



サブ職も一時期は鍛治士か弓士かで迷ったこともあった。

…最終的に動物が飼いたくて魔物使いを選択したが後悔はない。


スキルの【モンスターテイム】は魔物使いの職業レベル10で覚える。

このスキルがあって始めて魔物を仲間にすることが出来るのだ。

仲間にする方法は戦って倒し、己の力を魔物に見せる。また幻獣や魔物と意思が通じやすい補正もあり、話し合いをして仲間になってくれる個体も発見されていた。


職業レベルや自身のステータスにより魔物の成功率は変化する。

また仲間になった魔物を得ることでスキル【精魂接続アストラルリンク】が使えるようになる。これは自身のステータスの一部を使役する魔物に反映させたり、逆に魔物のスキルや補正を自分に反映させることも出来る。


サブ職業での最終職業レベルは50だが、極めれば魔物使いギルドに行かなくても魔物の卵の鑑定・孵化、進化を自分で行えるようになる。


…私の職業選びは趣味とソロ街道を真っしぐらなようです。


職業 召喚士とは違い、魔物使いのプレイヤーには仲間に出来る枠が決まっている。サブ職の私は極めてもレベル50が最高なので最大で3体同時に使役することが出来る。


そんな事を考えながら歩いていると直ぐに村長宅が見えた。

ドアにノックをして、返事を貰ってから入る。村長と息子のマルタが向かい合って話し合っていた。


「ソウマくん…だったか。今回は村の皆や息子が非常にお世話になった。どうもありがとう」


村長が深々と頭を下げた。


「此方こそ、助けて頂いてありがとうございました。少しでも何か返せていたら嬉しいです」


明日ユピテルへ向かう事を伝え、立ち去ろうとしたら呼び止められた。

密猟者を倒した際の懸賞金(死霊魔術師の懸賞金も含む)を渡された。


それと今日は難題が解決したお祝いに村でパーティを開いてくれるそうだ。是非参加して欲しいと頼まれ、快く承諾した。



村から肉食材が足りないとマルタに相談があった。そうと決まれば食材探しに森へ入る許可を得て、同行者にマルタが申し出て中に入っていった。

よく見るとマルタの装備は鋼鉄の剣は変わらなかったが、鎧が革鎧では無くなっていた。


邪眼蛇に大きな大鱗を何枚か譲って貰い、防具屋に縫い付けを頼んで頑丈に仕上げて貰ったグレー色の蛇鱗式鎧スケイルメイルは自警団の団長としてとても良く似合っていた。



マルタの装備


武器 鋼鉄の剣


頭 なし


蛇鱗式鎧スケイルメイル


両腕 森林狼フォレストウルフの籠手


森林狼フォレストウルフの毛皮の脛当て


アクセサリー ザール村自警団の紋章

なし



この森でとれる素材を使ったハイノーマル級装備品である。

レア級の装備品なんて滅多に無いため、この世界では充分整った装備で間違いない。


マルタは先の件で何も出来なかったことを悩んでいる感じだ。自警団の一員として、村の村長の息子として思い悩んでる。

マルタの体を見ていると、きちんに鍛えていることが良く分かる。鍛え続ければ遠くない将来、確かな実力がついているはずだ。


若者を焚き付けすぎたおじさんは反省しながら話す。


「マルタ、後でちょっと訓練に付き合わないか?」


私はリアルでは小笠原流の弓道を師匠に持ち修練していた。小笠原流は軍射ではなく、礼射と呼ばれる。リアルでは勿論人を殺したことなどない。

1日休めば4日は腕がおちると言われ続けて、頑張ったもんだ。社会人になってからは時間がとれないから毎日とはいかなかったが、身体は余計な脂肪、筋肉をも必要最低限は引き絞っていた。

今のマルタのように強さの壁が見えた時がある。だから少しでもお節介したかった。自分だって荒さのある未熟者だけど。


良く聴けばマルタは誰かに師事したことがなく、必要最低限の剣の扱い方以外は我流だそうだ。剣に関して細かいことはわからないが…


と考えながらいると、気配察知に反応があった。大きめの鹿だ。相手に気付かれる前に仕留める。

しばらして鹿以外にも猪も狩れたので予定より早めに村へと戻る。血抜きした状態で村の人へ預け、2人でひと気のない開けた場所へ向かった。



模擬の木剣を握りしめ打ち合う。お互いの気付いた所を言いあう。

マルタの助言からわかったことは高いステータスに振り回されて体術や剣術が疎かになっている可能性が高い思われる。

体術スキルを使っていても動きに無駄が多いのたろう。


弓術以外で剣術・刀術に関しては素人丸出しな為、いつか何処かで習うか、最低限の基本を教えて貰う必要があると感じた。

今のままでは武器に頼り過ぎて、戦い方の構築も足りていない。戦い方によって上手く活用出来ていない感じだ。

今はまだ何とかなるかもしれないが、いつか同じような実力を持った相手がいた際は負けてしまうだろう。研鑽は大事だ。


クタクタになるまで剣を握ったのは初めてだ。心地良い疲労感に浸る。


スッキリとした表情を見せているマルタを見ると、村を守るプレッシャーや責任感が強いことは悪いことではないが、こうやってストレスを溜め込みすぎないように息抜きも必要だよな。


これから村の会議出ようとするマルタを無理矢理連れ出し、川まで遊びに出掛けた。

無論あとで2人揃って村長に怒られたのはご愛嬌だ。


夜になり、お祝いパーティが始まった。村の人達の表情は明るい。

鹿肉の串焼き、牡丹鍋、香草焼き。村野菜のサラダを味わう。楽しく談笑しながらテーブルを囲み、どれも美味しかった。

香ばしく焼けた鹿肉をレタス?のような葉野菜に巻いて食べると肉の脂とサッパリ感が楽しめてなお美味しかった。パンに挟んでも美味しかったので、明日旅立つ前のお弁当に少し包んで貰えた。

村長から街へ入る紹介状も添えて頂いたし、忘れずに持っていこう。



次の日、朝日が村を照らす頃に出発準備ができた。早くても見送りに来てくれた村長、マルタ、狩人夫婦、ジュゼルへ感謝しながら歩き始めた。


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